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38   内緒の関係

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 毎日抱かれていたのに、もう何日、してないのかしら?

 食事が終わって、部屋まで送ってくれたリオスは、わたしの部屋に入らずに、出て行った。

 隣の部屋にいるのかと訪ねていったが、誰もいなかった。

 退屈だ。

 私の後ろには、リオスの近衛騎士二人が立っている。

 リオスは私を見張らせているのか?

 それとも、私を守っているのかしら?

 優しいリオスの事だから、きっと守ってくれているのよね。

 それにしても、リオスはどこに行ったのかしら?

 体が疼くのだ。

 ずっと何年も毎日抱かれてきたので、抱かれたくてウズウズしてしまう。

 私が欲情しているのに、夫はどこに行ってしまったのやら。

 私をかき抱き、貫いてくれるのが夫の役目でしょうに。

 もう何日も放置されて、寂しくて仕方ない。

 買い物に連れて行ってくれないのなら、私を満足させてよね。


「ジュリアン様、お部屋にお戻りください」

「ねえ、貴方達、リオスを知らない?」

「ペリオドス王太子殿下なら、散歩に出掛けるとおっしゃっていました」

「散歩って、どこよ?」

「私達も知りません」

「私達はジュリアン様の近くにいるように命じられております」

「近くね。それなら、部屋の中に入って、話し相手になってくれない?」

「では、メイドを呼びましょうか?」

「メイドじゃないの」

 私は地団駄を踏む。

 そんな私を見たリオスの近衛騎士達は、部屋の中に入ってくれた。

 この二人でも、いいかな……と思ってしまった。

 最近のリオスは、機嫌が悪い。

 もうルビーなら諦めたのに、きっとまだ宝石店でルビーを欲しがった事を怒っているのだろう。

 なんて心が狭い男だろう。

 この国の宰相は、リオスより男前で、背も高く、凜々しいお体をしている。

 でも、宰相は靡かなかった。

 私の色香に惑わされてくれるのは、誰かしら?

 近衛騎士の二人の名前は、確か、タスクとダンだと思った。


「タスク、少し手を貸してくれるかしら?」

「いいですよ」

「背中が痒くて、でも手が届かないの」

「触れても宜しいのですか?」

「触れなければ、掻いてもらえないわ」

「では、失礼いたします」


 ドレスの上から、そっと背中をなぞる。

 遠慮しているのね。

 物足りないわ。

 私はベッドに移動すると、靴を脱ぎ捨てた。

 ドレスのボタンを外していく。


「直接こすって」

「でも、しかし」

「ダン、あなたは、足を撫でて」

「え、しかし」

「いいじゃない。リオスはいないんだし」


 美しいドレスを脱いでいく。

 下着姿になり、私は微笑んだ。

 リオスが可愛いという笑顔で。

「ねえ、タスク、手ではなく舐めて」

「しかし」


 私は下着も脱いでいく。

 下履きも脱いでしまうと、二人とも硬直していた。

 私はタスクに口づけをして、そのままベッドに横になった。

 ドサッと私の上半身に、タスクが倒れてきた。

 足を開いた。


「ダン、舐めて」


 どこをとは言わなかった。

 ダンは躊躇っている。

 それはそうだろう。

 私はタスクをしっかり抱きしめて、胸に導いた。

「タスクも舐められるわよね?」

「は、はい!」

 うわずった声を上げて、最初にタスクが落ちた。

 その姿を見て、ダンも決心したようだ。

 蜜が溢れるそこを舌が這う。

 気持ちがいい。


「もっとよ」


 二人とも決心したようだ。

 本当に一生懸命に舐めてくれる。

 従順な下僕ね。

 リオスが悪いのよ。

 私を放置して、構ってくれないから。


「ダン、私を貫いて」

「はい!」


 いい返事だわ。

 ダンは落ちた。

 剣を下ろし、騎士の制服を緩め始めた。


「タスクは尖った所よ」

「はい!」


 ダンは私の命令通り、腰を振り続けている。


「ダンが終わったら、次はタスクよ」

「はい!」


 従順な下僕は、私を満たすために、腰を振る。

 熱い証を残して、二人は目で会話をして、交代した。

 満たされなかったけれど、抱かれたら、満たされた。

 なんだ、私、リオスでなくても満足できたんだ。

 初めて知った。

 リオス以外の人としたことがなかったから、知らなかった。

 ダンもタスクもちゃんと私を満足させてくれる。

 お昼前まで宴は続いた。

 昼前に、宴は終わって、私はシャワーを浴びに一人でお風呂に向かった。

 メイドがいなくても、私は自分の事は自分でできる。

 男爵家になったのは、リオスと出会う少し前の事だもの。

 それまで、平民だったのよ。

 農家で、田畑を耕し、水が湧き出してからは、川や池を掘っていたのよ。

 体も丈夫だし、マナーなんて、母から教わった事しか知らないわ。

 勉強もしたこともないもの。

 文字の読み書きや少しの計算ならできるけれど、難しいことは分からないわ。

 ただ、抱き合う事は気持ちがいい。

 その事を最初に教えてくれたのがリオスで、誰とでもよくなれると教えてくれたのが、ダンとタスクね。

 私達は、リオスがいない時、こっそり抱き合う仲になったのよ。

 内緒の関係ね。

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