37 / 71
37 距離
しおりを挟む
今日もまた魚料理だった。
外出をするのを止めたら、三食、宮殿で魚料理を食べなくてはならないが、俺は外出する気分になれずに、最近、宮殿に留まっている。
ジュリアンは、癇癪を起こしているが、聞き流している。
まだ化粧品を見に行ってないと駄々をこねるが、そこに連れていけば、また「買って」「買って」とうるさくされるのであれば、行かなければいい。
「化粧品は諦めるから、遊園地に連れて行って」
「この暑い中、人混みに出掛けるのが面倒だ」
今は夏真っ盛りだ。
わざわざ、暑い場所に行く必要があるのか?
ジュリアンはメリーゴーランドの木馬に乗るのが楽しいらしいが、俺はそんな子供のような物に乗りたいとは思わない。
ただジュリアンが乗っている姿を見ているだけなら、その時間は、俺にとって無駄な時間なのだ。
そうして、ジュリアンを置き去りにして、涼やかな東屋に行き、庭園を見ている。
その方が有意義なのだ。
ジュリアンに振り回されるよりも、自分自身を見つめられる。
今までの愚かな自分を振り返る事ができる。
国に戻ったら、父上に話そう。
これからは、真っ当な大人になり、王太子としての任務をきちんとする誓いをしようと思う。
マリアナが、新しい産業を考えられるように、執務は俺がしよう。
母上は、マリアナを虐めているが、今度は俺が母上からマリアナを守ってあげよう。
母上は、もう仕事をしてないのだから、もう口出しはさせない。
今日も反省と決意をして、夕食を戴く。
相変わらず、同じ食事が並ぶ。
ジュリアンは、もう諦めたのか、叫ぶこともなくなったが、やはり果実酒で飲み込んでいる。
魚は俺がほぐさなくては、食べられないのが、情けない。
もう手を貸すのも面倒だが、汚く食べられるよりは、心証はよくなるだろう。
国の為だと思い、ジュリアンの世話を焼く。
毎日、食後は椅子から落ちているので、最近のジュリアンの額や頬は腫れている。
首が折れないのが不思議だ。
無防備に毎日、落ちているのに頭が落ちることはない。
人の体は、強いのだなと、ふと思う。
この頃は、床に落ちたジュリアンを抱えるのは、俺の近衛騎士の一人だ。
王太子の俺が運ぶ必要があるのか?と考えた末の命令だ。
日中も、俺の代わりを頼んでいる。
ジュリアンが我が儘を起こさないように、見張ってもらっている。
真実の愛は、マリアナにあったのだ。
マリアナに会いたい。
宿場町の暴力を謝罪したい。
ノックの音がして、扉を開けると、宰相が立っていた。
「今日も寝てしまわれましたか?」
「宰相、見ての通りベッドは第二夫人に占領されております」
「では、ペリオドス王太子はどこで休まれていらっしゃるのですか?」
「ソファーで眠っている」
「それは、気づかずに申し訳ございません」
宰相は、今日も綺麗なお辞儀を披露する。
「では、別のお部屋を手配しましょうか?」
「ソファーでも別にいい」
「それはいけません。ドゥオーモ王国の王太子をソファーで休ませるなど、帝国の恥でございます。直ぐに手配致します。その間に、お風呂にでも行かれてはどうでしょう?」
「では、そうさせていただきます」
俺は宰相を真似て、綺麗なお辞儀をしてみた。
今までいい加減だった何もかもが、何事もきちんとしなくてはと思えてならない。
微笑を浮かべた宰相に「では」と声を掛けて、俺は風呂に向かった。
風呂から戻ると、部屋の前に宰相が立っていた。
「お待たせ致しました」
俺は頭を下げた。
「では、お部屋に案内致します」
案内された部屋は、隣の部屋だった。
室内の様子は同じようだ。
「今日からはベッドで眠れそうです」
「ごゆっくりおやすみください」
宰相は綺麗なお辞儀をして、部屋から去って行った。
俺はジュリアンが眠っている部屋に戻ると、自分の荷物を隣の部屋に移した。
それから、ベッドに横になった。
狭いソファーで眠っていたので、体が伸びる。
窓から、涼しい風が入ってきた。
なかなか涼しい部屋で、最初の部屋より快適そうだ。
俺は広いベッドでゆったりと眠った。
朝起きると、シャワーを浴びて、散歩をするのが習慣になった。
それから、ジュリアンの部屋に行くと、ジュリアンはまた腹までボタンを外した状態で大の字で眠っている。
「グゥー、クワァー」とイビキをかいて、今日も喧しいし、臭い。
汗の匂いと生臭い匂い。酒の匂い。
耐えられない。
メイドを呼び、ジュリアンを起こし、綺麗にするように指示を出す。
部屋の匂いが取れるまで、俺はまた散歩に出掛ける。
東屋に座っていると、宰相が近づいてきた。
「この頃は出掛けないようですが、今日はどちらかに案内致しましょうか?帝国は店以外にも観光地もございます」
「あの我が儘な第二夫人を連れていかなければならないかと思うと、どこにも行きたくなくなるのです」
黙っていようかと思ったが、とうとう宰相に話してしまった。
「できれば、マリアナに会いたいのですが。会って謝罪したいのです」
「マリアナ様はお会いにならないでしょう」
「聞いてもいないのに、どうして決める?」
「マリアナ様から、聞いておりますので。会うつもりはないかと思います」
「まだ、体の具合が悪いのか?」
「体調はずいぶんよくなりましたが、まだ安静が必要なようです」
「国で無理をさせたからでしょうか?殴った傷はもう治っているはずです」
「心の傷は簡単には治らないのです」
「……でも、会いたい」
「真実の愛で結ばれたジュリアン様がおいでになるのに、仮面夫婦のマリアナ様に会いたいなど、勝手な言い草ですね」
「今は、まず謝罪したい」
「マリアナ様にお伝えしておきます」
宰相は綺麗なお辞儀をして、去って行った。
それから、ジュリアンの部屋に戻ると、ジュリアンはシャワーを浴びて、帝国で買ったばかりのドレスを着ていた。
美しいドレスに綺麗に化粧されて、見た目だけは可愛く見えるが、近くに寄ると、やはり匂う。臭い匂いがするのだ。
歯磨きはしたのか?
口は濯いだのか?
ひょっとすると食べ物を噛まずに飲み込んでいるので、胃の腑が傷んでいるのかもしれないが、この匂いは気分が悪くなる。
とてもじゃないが、同じ馬車に乗ろうとも思えない。
「リオス、似合う?私、かわいい?今日はどこかに行きましょう」
「いや、気分が乗らない」
「そんなぁ~」
「ジュリアンがベッドを占領するから、俺はずっとソファーで眠っていたのだ。昨夜から、隣の部屋を借りられた。夜は、俺はそちらで寝ることにしたから」
「ごめんなさい。ソファーで眠らせていたなんて」
「そのせいで、疲れているんだ」
「……」
「了解してくれるね。夜は別部屋だ。ジュリアンの寝相が悪すぎて、一緒には眠れない」
「ごめんなさい」
「いいさ、部屋は借りられた。もうソファーで眠ることもなくなった」
「……」
ジュリアンは俯いた。
「出掛けないのなら、エッチしましょう?」
「体調が悪いと言っているだろう」
「……」
「そろそろ朝食の時間だ。準備はできているな?」
「はい」
ジュリアンはソファーから立ち上がると、俺の腕に腕を絡めた。
エスコートするのも嫌だが、仕方がない。
食事が並べられる部屋に移動すると、宰相が扉から出てきた。
「今、お呼びに向かうところでした」
「手間を掛けては悪いと思い来ましたが、ちょうどお時間でしたか。よかった」
俺は愛想よく微笑む。
「では、お部屋にどうぞ」
宰相は扉を開けた。
中に入ると、今日も焼き魚が並んでいる。
「では、ごゆっくり」
宰相は、部屋を出て行った。
この食事は、この国を去るまで続くのだろう。
「どうして、毎日、毎食、同じ食事なの?」
「黙って食べろ」
俺は、ジュリアンの口を手で押さえると、「黙れ」と再度告げた。
ジュリアンの瞳に涙が溜まっていく。
手を退けて、俺は椅子に座った。
ジュリアンのお膳を寄せて、最初に焼き魚をほぐす。
諦めたのか、ジュリアンは椅子に座った。
「私、魚が一番嫌い」
俺はジュリアンの顔を睨んだ。
「黙って食べろ。丸呑みでも、なんでも、出された物は全部腹の中に入れろ」
小さな声で、命令して、俺は自分のお膳の物を食べ出した。
外出をするのを止めたら、三食、宮殿で魚料理を食べなくてはならないが、俺は外出する気分になれずに、最近、宮殿に留まっている。
ジュリアンは、癇癪を起こしているが、聞き流している。
まだ化粧品を見に行ってないと駄々をこねるが、そこに連れていけば、また「買って」「買って」とうるさくされるのであれば、行かなければいい。
「化粧品は諦めるから、遊園地に連れて行って」
「この暑い中、人混みに出掛けるのが面倒だ」
今は夏真っ盛りだ。
わざわざ、暑い場所に行く必要があるのか?
ジュリアンはメリーゴーランドの木馬に乗るのが楽しいらしいが、俺はそんな子供のような物に乗りたいとは思わない。
ただジュリアンが乗っている姿を見ているだけなら、その時間は、俺にとって無駄な時間なのだ。
そうして、ジュリアンを置き去りにして、涼やかな東屋に行き、庭園を見ている。
その方が有意義なのだ。
ジュリアンに振り回されるよりも、自分自身を見つめられる。
今までの愚かな自分を振り返る事ができる。
国に戻ったら、父上に話そう。
これからは、真っ当な大人になり、王太子としての任務をきちんとする誓いをしようと思う。
マリアナが、新しい産業を考えられるように、執務は俺がしよう。
母上は、マリアナを虐めているが、今度は俺が母上からマリアナを守ってあげよう。
母上は、もう仕事をしてないのだから、もう口出しはさせない。
今日も反省と決意をして、夕食を戴く。
相変わらず、同じ食事が並ぶ。
ジュリアンは、もう諦めたのか、叫ぶこともなくなったが、やはり果実酒で飲み込んでいる。
魚は俺がほぐさなくては、食べられないのが、情けない。
もう手を貸すのも面倒だが、汚く食べられるよりは、心証はよくなるだろう。
国の為だと思い、ジュリアンの世話を焼く。
毎日、食後は椅子から落ちているので、最近のジュリアンの額や頬は腫れている。
首が折れないのが不思議だ。
無防備に毎日、落ちているのに頭が落ちることはない。
人の体は、強いのだなと、ふと思う。
この頃は、床に落ちたジュリアンを抱えるのは、俺の近衛騎士の一人だ。
王太子の俺が運ぶ必要があるのか?と考えた末の命令だ。
日中も、俺の代わりを頼んでいる。
ジュリアンが我が儘を起こさないように、見張ってもらっている。
真実の愛は、マリアナにあったのだ。
マリアナに会いたい。
宿場町の暴力を謝罪したい。
ノックの音がして、扉を開けると、宰相が立っていた。
「今日も寝てしまわれましたか?」
「宰相、見ての通りベッドは第二夫人に占領されております」
「では、ペリオドス王太子はどこで休まれていらっしゃるのですか?」
「ソファーで眠っている」
「それは、気づかずに申し訳ございません」
宰相は、今日も綺麗なお辞儀を披露する。
「では、別のお部屋を手配しましょうか?」
「ソファーでも別にいい」
「それはいけません。ドゥオーモ王国の王太子をソファーで休ませるなど、帝国の恥でございます。直ぐに手配致します。その間に、お風呂にでも行かれてはどうでしょう?」
「では、そうさせていただきます」
俺は宰相を真似て、綺麗なお辞儀をしてみた。
今までいい加減だった何もかもが、何事もきちんとしなくてはと思えてならない。
微笑を浮かべた宰相に「では」と声を掛けて、俺は風呂に向かった。
風呂から戻ると、部屋の前に宰相が立っていた。
「お待たせ致しました」
俺は頭を下げた。
「では、お部屋に案内致します」
案内された部屋は、隣の部屋だった。
室内の様子は同じようだ。
「今日からはベッドで眠れそうです」
「ごゆっくりおやすみください」
宰相は綺麗なお辞儀をして、部屋から去って行った。
俺はジュリアンが眠っている部屋に戻ると、自分の荷物を隣の部屋に移した。
それから、ベッドに横になった。
狭いソファーで眠っていたので、体が伸びる。
窓から、涼しい風が入ってきた。
なかなか涼しい部屋で、最初の部屋より快適そうだ。
俺は広いベッドでゆったりと眠った。
朝起きると、シャワーを浴びて、散歩をするのが習慣になった。
それから、ジュリアンの部屋に行くと、ジュリアンはまた腹までボタンを外した状態で大の字で眠っている。
「グゥー、クワァー」とイビキをかいて、今日も喧しいし、臭い。
汗の匂いと生臭い匂い。酒の匂い。
耐えられない。
メイドを呼び、ジュリアンを起こし、綺麗にするように指示を出す。
部屋の匂いが取れるまで、俺はまた散歩に出掛ける。
東屋に座っていると、宰相が近づいてきた。
「この頃は出掛けないようですが、今日はどちらかに案内致しましょうか?帝国は店以外にも観光地もございます」
「あの我が儘な第二夫人を連れていかなければならないかと思うと、どこにも行きたくなくなるのです」
黙っていようかと思ったが、とうとう宰相に話してしまった。
「できれば、マリアナに会いたいのですが。会って謝罪したいのです」
「マリアナ様はお会いにならないでしょう」
「聞いてもいないのに、どうして決める?」
「マリアナ様から、聞いておりますので。会うつもりはないかと思います」
「まだ、体の具合が悪いのか?」
「体調はずいぶんよくなりましたが、まだ安静が必要なようです」
「国で無理をさせたからでしょうか?殴った傷はもう治っているはずです」
「心の傷は簡単には治らないのです」
「……でも、会いたい」
「真実の愛で結ばれたジュリアン様がおいでになるのに、仮面夫婦のマリアナ様に会いたいなど、勝手な言い草ですね」
「今は、まず謝罪したい」
「マリアナ様にお伝えしておきます」
宰相は綺麗なお辞儀をして、去って行った。
それから、ジュリアンの部屋に戻ると、ジュリアンはシャワーを浴びて、帝国で買ったばかりのドレスを着ていた。
美しいドレスに綺麗に化粧されて、見た目だけは可愛く見えるが、近くに寄ると、やはり匂う。臭い匂いがするのだ。
歯磨きはしたのか?
口は濯いだのか?
ひょっとすると食べ物を噛まずに飲み込んでいるので、胃の腑が傷んでいるのかもしれないが、この匂いは気分が悪くなる。
とてもじゃないが、同じ馬車に乗ろうとも思えない。
「リオス、似合う?私、かわいい?今日はどこかに行きましょう」
「いや、気分が乗らない」
「そんなぁ~」
「ジュリアンがベッドを占領するから、俺はずっとソファーで眠っていたのだ。昨夜から、隣の部屋を借りられた。夜は、俺はそちらで寝ることにしたから」
「ごめんなさい。ソファーで眠らせていたなんて」
「そのせいで、疲れているんだ」
「……」
「了解してくれるね。夜は別部屋だ。ジュリアンの寝相が悪すぎて、一緒には眠れない」
「ごめんなさい」
「いいさ、部屋は借りられた。もうソファーで眠ることもなくなった」
「……」
ジュリアンは俯いた。
「出掛けないのなら、エッチしましょう?」
「体調が悪いと言っているだろう」
「……」
「そろそろ朝食の時間だ。準備はできているな?」
「はい」
ジュリアンはソファーから立ち上がると、俺の腕に腕を絡めた。
エスコートするのも嫌だが、仕方がない。
食事が並べられる部屋に移動すると、宰相が扉から出てきた。
「今、お呼びに向かうところでした」
「手間を掛けては悪いと思い来ましたが、ちょうどお時間でしたか。よかった」
俺は愛想よく微笑む。
「では、お部屋にどうぞ」
宰相は扉を開けた。
中に入ると、今日も焼き魚が並んでいる。
「では、ごゆっくり」
宰相は、部屋を出て行った。
この食事は、この国を去るまで続くのだろう。
「どうして、毎日、毎食、同じ食事なの?」
「黙って食べろ」
俺は、ジュリアンの口を手で押さえると、「黙れ」と再度告げた。
ジュリアンの瞳に涙が溜まっていく。
手を退けて、俺は椅子に座った。
ジュリアンのお膳を寄せて、最初に焼き魚をほぐす。
諦めたのか、ジュリアンは椅子に座った。
「私、魚が一番嫌い」
俺はジュリアンの顔を睨んだ。
「黙って食べろ。丸呑みでも、なんでも、出された物は全部腹の中に入れろ」
小さな声で、命令して、俺は自分のお膳の物を食べ出した。
1
お気に入りに追加
1,985
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
愛してほしかった
こな
恋愛
「側室でもいいか」最愛の人にそう問われ、頷くしかなかった。
心はすり減り、期待を持つことを止めた。
──なのに、今更どういうおつもりですか?
※設定ふんわり
※何でも大丈夫な方向け
※合わない方は即ブラウザバックしてください
※指示、暴言を含むコメント、読後の苦情などはお控えください
【完結済】姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。
十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。
そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり──────
※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。
※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる