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第十五章
3 夏の親睦会 2日目
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眠っている輝明を水野さんと五十鈴さんと加羅さんに預けて、SPを室内に二人、扉の前に二人付けて、晴輝を連れて朝食バイキングに行った。多岐さんと男性SPも一緒だ。
初めて見るバイキング会場を見て、晴輝が大喜びする。
光輝さんが、晴輝と視線を合わせて、言い聞かせている。
「ここでは大声は駄目だ。走り回るのも迷惑になるから駄目だ。食べられる分だけお皿に取ること。分かったか?」
「はい、パパ」
いい子にしている約束は、まだ継続しているようだ。
浮かれていた晴輝は、光輝さんと手を繋いで、黙って歩いて行く。
一度席に着いてから、晴輝を連れて、バイキングコーナーを一周する。
「何が食べたいか、決まったか?」
目移りして、決められないようだ。
「ママが取ってもいい?」
「はい、ママ」
子供用のお皿は、お子様ランチのようなお皿だ。そこに、晴輝が好きそうなパンとソーセージに卵焼きを焼いてもらって、フルーツを載せる。
今年も美味しそうなスイカが出ている。
スイカとメロン、オレンジを載せて、飲み物は牛乳にした。オレンジジュースを欲しがったので、グラスに半分入れて、トレーに載せる。
いったんテーブルに戻ると、わたしは晴輝に食事を食べさせる。
光輝さんは自分の食事を取りに行った。
「ママのは?」
「パパが帰ってきたら、取りに行くね」
「うん」
晴輝は、もう自分で食事が食べられる。
見守るだけで、黙々と食べてくれる。
光輝さんが戻って来て、今度はわたしが料理を取りに行く。
卵焼きを焼いてもらって、それからサラダやおかずをお皿に載せていく。
お刺身のお皿にパンを一つ。グラスには無糖炭酸水を入れて、テーブルに戻ると、晴輝のお皿は空になっていた。
最近、よく食べるようになったので、物足りなかったかもしれない。
光輝さんのお皿も空になっていたので、今度は光輝さんが晴輝を連れて行った。
子供が小さいから、以前のように一緒に食べることが難しい。
光輝さんが晴輝のトレーを持って帰って来て、晴輝を座らせると、自分の食事を取りに行った。
「そんなに食べられるの?」
「たべられるもん」
お皿の上には、パスタやお肉の煮た物やプリンが載っていた。
晴輝はホークを持つと、パスタをラーメンを食べるときのように食べる。
まだホークに麺を巻くことはできない。
光輝さんが戻って来て、自分のお皿とフルーツの盛り合わせを持ってきてくれた。
「ありがとう」
スイカとメロンが大盛りで載っている。
わたしは自分の食事を食べ終えると、フルーツを食べ始めた。
今年のスイカも美味しい。
晴輝の汚れた口をお手拭きで拭うと、今度は黙々とプリンを食べ出した。
「よく食べるわね」
「美緒より、食べるんじゃないか?」
「大きくなりそうね?」
「大きく育ってもらわないとね」
光輝さんは嬉しそうだ。
光輝さんはお代わりに立った。
「ぼくもいく」
「おいで」
まだ食べるのだろうか?
戻って来た晴輝は、アイスクリームを取ってもらったようだ。
晴輝を座らせると、光輝さんは食事を取りに行った。
「ママも食べる?」
「それなら、少し」
茶碗蒸しを食べた時のスプーンで、少しだけすくった。
「ゆっくり食べなさいね。お腹痛くなっちゃうから」
「はい」
アイスクリームはバニラのようだ。口の中に甘い味が広がる。
部屋に戻ったら、歯磨きさせないと、虫歯ができちゃう。
わたしは水を飲んだ後に、スイカを食べ出した。
天然の甘みが好きだ。
メロンもよく熟している。
今年もどちらも美味しい。
戻って来た光輝さんは、食事と一緒にフルーツの盛り合わせを持ってきた。
「わたし、もうお腹いっぱいよ」
「俺も食べるからな。今年はどちらが美味しかった?」
「どちらも。スイカも美味しいし、メロンも完熟よ」
食事を終えると、一度部屋に戻って、晴輝の歯磨きをして、ぐずりだした輝明に母乳を与えて、抱いてあやす。
せっかく輝明も起きているので、海辺に遊びに行くことにした。
持ってきた水着を着せて、日焼け予防のスプレーをしてTシャツを着せると、海岸に向かった。
抱っこひもを持ってきたので、輝明はわたしの胸にピッタリくっついている。
光輝さんは初めて見るハーフパンツ姿だ。
晴輝を抱っこして、海岸に下りていく。
砂浜に下ろすと、晴輝は海に向かって走り出した。
好奇心旺盛だ。
その後を光輝さんが追いかけている。
「プール?」
「海だよ」
「うみ」
日射しが熱いので、古びた小屋の縁側に座った。
わたしはスマホを出して、夫と息子の姿を録画した。
海の中に走って行って、晴輝は転んで波を頭から被った。光輝さんが抱き上げている。
晴輝が泣き出しそうで、でも我慢している。
とても可愛い。
録画を停止した。
わたしの横には、多岐さんが立っている。
「暑いのに、すみません」
「仕事ですから」
他のSPは皆、海岸に下りている。
輝明が起きていて、目を丸くしている。
ぎゅっとわたしの洋服を握っている。
「輝明、海だよ」
波の音は聞こえるだろう。
白い帽子を少しずらして、海を見せるが、きっとまだ見えないだろう。
新生児の視力は確か、0.01~0.02くらいだったと思う。
認識できる色も、黒、グレー、白くらいだと晴輝を産んだときに、円城寺先生に教わった。
「パパ、抱っこ」
遊び疲れたのか、頭まで濡れた晴輝が根を上げている。
わたしは立ち上がると海辺に近づいて、バスタオルを渡した。
バスタオルで全身を包むとやっと光輝さんは抱き上げた。
「部屋に戻ってお風呂に入ったら、お昼寝か?」
「ねむい」
お風呂に入る前に眠ってしまいそうだ。
「帰るぞ」
「まだ、かえらない」
「部屋に戻るだけだ」
「かえる」
光輝さんの首に腕を回してしがみついているので、光輝さんもお風呂に入らないと、ぐっしょりだ。
「輝明は起きているのか?」
「大きな目を開けているよ」
「そうか」
光輝さんは輝明の顔を覗き込むと、ホテルに向かって歩き出した。
来年は、輝明も海で遊べるだろうか?
…………………………*…………………………
眠りそうな晴輝をお風呂に入れて、お昼ご飯に連れて行く。
お腹は空くようで、料理を光輝さんに取ってもらっている。
わたしも料理を取って、晴輝と一緒に席に着く。
「やあ、美緒さん」
「ミオ、今ご飯か!」
「はい」
【よう!晴輝、美味しいか?】
【美味しいよ、お姉さん】
わたしはクスクス笑う。
ティファさんは、晴輝に自分は女性だと勘違いさせたまま訂正していない。
気付いた時にどんな反応をするのだろうか?と楽しみである。
「兄さんは、取りに行っているの?」
「すぐに戻ってくるよ」
そう言っている間に、光輝さんが戻って来た。
「一緒に座るか?」
「いいか?」
席を広い場所に移してもらって、一緒に食事をすることになった。
眠かった晴輝は、二人の登場に目を輝かせている。
眠気は吹っ飛んだようだ。
「今回はいつまでいるんだ?」
「会議が終わった翌日に戻る。一緒に来るか?」
「泊めてくれるのか?」
ティファさんは身を乗り出す。
「酒の準備はしてあるよ。予定がなければ歓迎する」
「それなら、兄さん家に泊めてもらうよ」
「オレも!」
「よかったな、晴輝。遊んでもらえるぞ」
「わーい」
晴輝はティファさんが大好きだ。
隣に座ったティファさんにしがみついている。
年齢不詳のナイスバディな美女に見えるティファさんにべったりなのは、男の本能的な物なのかと、我が子を見て思う。
食事を終えて、ティファさんに甘えて抱かれているうちに、晴輝は寝てしまった。
寝室に寝かせてもらった。輝明はまたギャン泣きだった。
水野さんが宥めながら、ウロウロしていた。
「ありがとうございます」
「先ほどまで眠っていたのですけど」
急いで水野さんから輝明を受け取るとゲストルームに入った。
「お腹空いたね」
わたしの腕に抱かれたら、甘えた声になっている。
母乳をあげながら歌を歌う。輝明がわたしを見ている。
お腹がいっぱいになった輝明を、お披露目する。
ソファーでお茶を飲んで待っていていた和真さんとティファさんに、順番に抱かせた。
まだ3000gもない小さな赤ちゃんを、怖々抱いている。
目を開けて、じっとしているので、二人とも凝視している。
「ちっちゃいな!」
「赤ちゃんって柔らかいな」
それぞれ感想を口にしている。
「和真もティファも、欲しくなっただろう?」
光輝さんはニヤッと笑った。
「結婚はいいぞ。妻も子供も愛おしい」
いつまでも独身でいる二人に、見せつけるように、わたしを膝に抱き上げた。
和真さんの腕の中でモゾモゾし始めた輝明は、ぐずりだした。
わたしは光輝さんの膝の上から下りると、輝明を抱いて宥める。
暫く雑談していた二人はダンスパーティーの準備のために、部屋に戻っていった。
ダンスパーティーの前に、輝明をお風呂に入れて、起きた晴輝もシャワーを浴びさせる。
パジャマを着せると、少し早いけれど、部屋に運んでもらった晴輝の夕食を食べさせ、歯磨きまでさせて、水野さんと五十鈴さんに預ける。
急いでパーティー用のドレスに着替える。メイクも直して見た目に綺麗にする。
光輝さんもタキシードに着替えに行った。
ホテルで借りたアニメのDVDと持ってきた玩具を出して、「お留守番していてね」と言い聞かす。
「いい子で待っていなさい」
「はい」
晴輝は寂しそうに返事をした。
晴輝を抱きしめて、光輝さんも晴輝を抱きしめる。
「ママ、きれい」
「ありがとう」
SP達も部屋に入って来た。
「いいこだもん」
晴輝は自分でソファーの上に座った。
わたし達はパーティー会場に向かった。
初めて見るバイキング会場を見て、晴輝が大喜びする。
光輝さんが、晴輝と視線を合わせて、言い聞かせている。
「ここでは大声は駄目だ。走り回るのも迷惑になるから駄目だ。食べられる分だけお皿に取ること。分かったか?」
「はい、パパ」
いい子にしている約束は、まだ継続しているようだ。
浮かれていた晴輝は、光輝さんと手を繋いで、黙って歩いて行く。
一度席に着いてから、晴輝を連れて、バイキングコーナーを一周する。
「何が食べたいか、決まったか?」
目移りして、決められないようだ。
「ママが取ってもいい?」
「はい、ママ」
子供用のお皿は、お子様ランチのようなお皿だ。そこに、晴輝が好きそうなパンとソーセージに卵焼きを焼いてもらって、フルーツを載せる。
今年も美味しそうなスイカが出ている。
スイカとメロン、オレンジを載せて、飲み物は牛乳にした。オレンジジュースを欲しがったので、グラスに半分入れて、トレーに載せる。
いったんテーブルに戻ると、わたしは晴輝に食事を食べさせる。
光輝さんは自分の食事を取りに行った。
「ママのは?」
「パパが帰ってきたら、取りに行くね」
「うん」
晴輝は、もう自分で食事が食べられる。
見守るだけで、黙々と食べてくれる。
光輝さんが戻って来て、今度はわたしが料理を取りに行く。
卵焼きを焼いてもらって、それからサラダやおかずをお皿に載せていく。
お刺身のお皿にパンを一つ。グラスには無糖炭酸水を入れて、テーブルに戻ると、晴輝のお皿は空になっていた。
最近、よく食べるようになったので、物足りなかったかもしれない。
光輝さんのお皿も空になっていたので、今度は光輝さんが晴輝を連れて行った。
子供が小さいから、以前のように一緒に食べることが難しい。
光輝さんが晴輝のトレーを持って帰って来て、晴輝を座らせると、自分の食事を取りに行った。
「そんなに食べられるの?」
「たべられるもん」
お皿の上には、パスタやお肉の煮た物やプリンが載っていた。
晴輝はホークを持つと、パスタをラーメンを食べるときのように食べる。
まだホークに麺を巻くことはできない。
光輝さんが戻って来て、自分のお皿とフルーツの盛り合わせを持ってきてくれた。
「ありがとう」
スイカとメロンが大盛りで載っている。
わたしは自分の食事を食べ終えると、フルーツを食べ始めた。
今年のスイカも美味しい。
晴輝の汚れた口をお手拭きで拭うと、今度は黙々とプリンを食べ出した。
「よく食べるわね」
「美緒より、食べるんじゃないか?」
「大きくなりそうね?」
「大きく育ってもらわないとね」
光輝さんは嬉しそうだ。
光輝さんはお代わりに立った。
「ぼくもいく」
「おいで」
まだ食べるのだろうか?
戻って来た晴輝は、アイスクリームを取ってもらったようだ。
晴輝を座らせると、光輝さんは食事を取りに行った。
「ママも食べる?」
「それなら、少し」
茶碗蒸しを食べた時のスプーンで、少しだけすくった。
「ゆっくり食べなさいね。お腹痛くなっちゃうから」
「はい」
アイスクリームはバニラのようだ。口の中に甘い味が広がる。
部屋に戻ったら、歯磨きさせないと、虫歯ができちゃう。
わたしは水を飲んだ後に、スイカを食べ出した。
天然の甘みが好きだ。
メロンもよく熟している。
今年もどちらも美味しい。
戻って来た光輝さんは、食事と一緒にフルーツの盛り合わせを持ってきた。
「わたし、もうお腹いっぱいよ」
「俺も食べるからな。今年はどちらが美味しかった?」
「どちらも。スイカも美味しいし、メロンも完熟よ」
食事を終えると、一度部屋に戻って、晴輝の歯磨きをして、ぐずりだした輝明に母乳を与えて、抱いてあやす。
せっかく輝明も起きているので、海辺に遊びに行くことにした。
持ってきた水着を着せて、日焼け予防のスプレーをしてTシャツを着せると、海岸に向かった。
抱っこひもを持ってきたので、輝明はわたしの胸にピッタリくっついている。
光輝さんは初めて見るハーフパンツ姿だ。
晴輝を抱っこして、海岸に下りていく。
砂浜に下ろすと、晴輝は海に向かって走り出した。
好奇心旺盛だ。
その後を光輝さんが追いかけている。
「プール?」
「海だよ」
「うみ」
日射しが熱いので、古びた小屋の縁側に座った。
わたしはスマホを出して、夫と息子の姿を録画した。
海の中に走って行って、晴輝は転んで波を頭から被った。光輝さんが抱き上げている。
晴輝が泣き出しそうで、でも我慢している。
とても可愛い。
録画を停止した。
わたしの横には、多岐さんが立っている。
「暑いのに、すみません」
「仕事ですから」
他のSPは皆、海岸に下りている。
輝明が起きていて、目を丸くしている。
ぎゅっとわたしの洋服を握っている。
「輝明、海だよ」
波の音は聞こえるだろう。
白い帽子を少しずらして、海を見せるが、きっとまだ見えないだろう。
新生児の視力は確か、0.01~0.02くらいだったと思う。
認識できる色も、黒、グレー、白くらいだと晴輝を産んだときに、円城寺先生に教わった。
「パパ、抱っこ」
遊び疲れたのか、頭まで濡れた晴輝が根を上げている。
わたしは立ち上がると海辺に近づいて、バスタオルを渡した。
バスタオルで全身を包むとやっと光輝さんは抱き上げた。
「部屋に戻ってお風呂に入ったら、お昼寝か?」
「ねむい」
お風呂に入る前に眠ってしまいそうだ。
「帰るぞ」
「まだ、かえらない」
「部屋に戻るだけだ」
「かえる」
光輝さんの首に腕を回してしがみついているので、光輝さんもお風呂に入らないと、ぐっしょりだ。
「輝明は起きているのか?」
「大きな目を開けているよ」
「そうか」
光輝さんは輝明の顔を覗き込むと、ホテルに向かって歩き出した。
来年は、輝明も海で遊べるだろうか?
…………………………*…………………………
眠りそうな晴輝をお風呂に入れて、お昼ご飯に連れて行く。
お腹は空くようで、料理を光輝さんに取ってもらっている。
わたしも料理を取って、晴輝と一緒に席に着く。
「やあ、美緒さん」
「ミオ、今ご飯か!」
「はい」
【よう!晴輝、美味しいか?】
【美味しいよ、お姉さん】
わたしはクスクス笑う。
ティファさんは、晴輝に自分は女性だと勘違いさせたまま訂正していない。
気付いた時にどんな反応をするのだろうか?と楽しみである。
「兄さんは、取りに行っているの?」
「すぐに戻ってくるよ」
そう言っている間に、光輝さんが戻って来た。
「一緒に座るか?」
「いいか?」
席を広い場所に移してもらって、一緒に食事をすることになった。
眠かった晴輝は、二人の登場に目を輝かせている。
眠気は吹っ飛んだようだ。
「今回はいつまでいるんだ?」
「会議が終わった翌日に戻る。一緒に来るか?」
「泊めてくれるのか?」
ティファさんは身を乗り出す。
「酒の準備はしてあるよ。予定がなければ歓迎する」
「それなら、兄さん家に泊めてもらうよ」
「オレも!」
「よかったな、晴輝。遊んでもらえるぞ」
「わーい」
晴輝はティファさんが大好きだ。
隣に座ったティファさんにしがみついている。
年齢不詳のナイスバディな美女に見えるティファさんにべったりなのは、男の本能的な物なのかと、我が子を見て思う。
食事を終えて、ティファさんに甘えて抱かれているうちに、晴輝は寝てしまった。
寝室に寝かせてもらった。輝明はまたギャン泣きだった。
水野さんが宥めながら、ウロウロしていた。
「ありがとうございます」
「先ほどまで眠っていたのですけど」
急いで水野さんから輝明を受け取るとゲストルームに入った。
「お腹空いたね」
わたしの腕に抱かれたら、甘えた声になっている。
母乳をあげながら歌を歌う。輝明がわたしを見ている。
お腹がいっぱいになった輝明を、お披露目する。
ソファーでお茶を飲んで待っていていた和真さんとティファさんに、順番に抱かせた。
まだ3000gもない小さな赤ちゃんを、怖々抱いている。
目を開けて、じっとしているので、二人とも凝視している。
「ちっちゃいな!」
「赤ちゃんって柔らかいな」
それぞれ感想を口にしている。
「和真もティファも、欲しくなっただろう?」
光輝さんはニヤッと笑った。
「結婚はいいぞ。妻も子供も愛おしい」
いつまでも独身でいる二人に、見せつけるように、わたしを膝に抱き上げた。
和真さんの腕の中でモゾモゾし始めた輝明は、ぐずりだした。
わたしは光輝さんの膝の上から下りると、輝明を抱いて宥める。
暫く雑談していた二人はダンスパーティーの準備のために、部屋に戻っていった。
ダンスパーティーの前に、輝明をお風呂に入れて、起きた晴輝もシャワーを浴びさせる。
パジャマを着せると、少し早いけれど、部屋に運んでもらった晴輝の夕食を食べさせ、歯磨きまでさせて、水野さんと五十鈴さんに預ける。
急いでパーティー用のドレスに着替える。メイクも直して見た目に綺麗にする。
光輝さんもタキシードに着替えに行った。
ホテルで借りたアニメのDVDと持ってきた玩具を出して、「お留守番していてね」と言い聞かす。
「いい子で待っていなさい」
「はい」
晴輝は寂しそうに返事をした。
晴輝を抱きしめて、光輝さんも晴輝を抱きしめる。
「ママ、きれい」
「ありがとう」
SP達も部屋に入って来た。
「いいこだもん」
晴輝は自分でソファーの上に座った。
わたし達はパーティー会場に向かった。
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