7 / 10
旅立ち
国境を越えて 前編
しおりを挟む
一夜明けて、ベッドでぐっすり就寝したのに脱力感が半端ない。
「ふぁぁ、疲れが取れてない。神経図太い方だと思ったんだけど、この身体は繊細なのな?」
ふかふかのベッドで寝たのに、疲れが取れないと愚痴ると、その原因が直ぐに判明した。
(主、お早う御座います)
「ググル先生、お早う」
(昨日、主が望んだ地下資源ですが、可能な限り集めて空間魔法の中に収納しました。脱力感は、そのせいです)
「お前が、犯人か! 人が寝ている間に何してくれてんの」
(主の魔力だけでは不十分だったので、個体名グリちゃんからも魔力を徴収しました。日中活動する分には、問題ありません)
何してくれちゃってるんですかね!?
チラッとグリちゃんを見ると、疲労感を漂わせている。
ああ、これはギリギリまで魔力を搾り取ったのだな。
「ググル先生、勝手にグリちゃんの魔力を奪わないで頂戴。何か事を起こすなら、事前報告して」
(了。善処します)
その言葉が、信用ならないのは気のせいだろうか。
朝食を囲みながら今後の相談をする事にした。
「ググル先生、このまま入国したら聖女認定されるよね? レイア市国に縛られて、どこにも行けなくなるのは嫌なんだけど。今から別の国に行った方が良くない?」
(是、聖女として認められれば行動に制限が付く可能性があります)
(主殿は、女神レア様が認めた聖女であろう? 何に縛られるのだ?)
コテンと首を傾げるグリちゃんが、あざと可愛い!!
グリちゃんのふわふわの羽に顔を突っ込んでモフモフしてたら、
(ハァ…)
とググル先生に呆れられた。
「うがった考えかもしれないけど」
と前置きして、私は仮定の話を続けた。
「人の秩序と正義を掲げている教会が、聖女を旗本に聖戦という名の戦争を頻繁にしているよね。特に魔人の国にちょっかい、領土侵犯を繰り返しているし。その都度、返り討ちにされているのにね」
知識は、リリスの記憶にある。
過去を何度もループした中には、ノアの隣に立っていた女が教会が聖女として認定したものもあった。
リリスを陥れて追い詰めた女を聖女って、片腹痛いわ。
「宗教なんて都合が悪くなれば、教義に反したとかいちゃもん付けて金をせびってくるような集団だよ? うっかり極大魔法をぶつけちゃう自信があるわ」
フンスと鼻息荒く答えたら、
(それは、主の偏見です。案、女神レアに主の行動を制限しないよう神託を下して貰えば宜しいのではありませんか)
と突っ込まれた。
(主殿の異に沿わない不埒な輩は、妾が排するから安心するがよい)
「グリちゃん、愛してる!!」
グリちゃんに愛を囁いていると、ググル先生が特大の溜め息を吐いた。
(ハァァァ……。主、いい加減現実逃避するのは止めて下さい)
正論をぶつけられて、私は胸を押さえる。
ちゃんと考えなきゃいけないのは、分かっている。
問題を先伸ばししたところで、何の解決にも至らない。
この身体も慰謝料代わりに貰っただけで、寿命までこの世界で安全で快適に過ごすのが本来の目的である。
(仮に国外を出たところで、後ろ盾の無い状態では身柄を皇国に引き渡される可能性があります。主が聖女であると教会に認めさせることを推奨します)
ググル先生の指摘に、私は顔を顰めた。
確かに、その可能性はある。
ノアは気にも留めていない可能性はあるが、両陛下の耳に入れば醜聞の種を野放しにしないだろう。
高確率で連れ戻される。
「冒険者として世界中を放浪しながら面白可笑しく暮らすつもりだったけど、予定変更よ! レイア市国に亡命して、名実ともに聖女になるわ。教会を掌握して愚兄の即位を邪魔してやる」
(それでは、主殿は色んな場所に行けぬのではないか?)
「教会の実権を握れば、後はどうとでもなるわよ。レア様に頼んで、教会の神官達に神託をして貰うわ。亡命してきた聖女の保護と、聖女の行動の制限はしないこと。この二点を約束させて下さい。レア様、お願いします」
何卒お願いしますと両手を組んで祈りを捧げると、
(OK~。任せて! 貴女を利用出来ない様にきつーく言い聞かせるからね)
とレアから軽い返事が返ってきた。
これで、北方神聖教会側は当面大丈夫だろう。
教会も一枚岩ではないだろうし、ググル先生の指摘通り私がうがった見方をしているだけかもしれない。
聖女は、他国の式典や祭典で来賓客として呼ばれることもある。
それを逆手に取れば、色んな場所を移転魔法を使って好きな時に再び訪れることが出来るだろう。
レイア市国が、私をどう対応するかで後の事を考えよう。
「ググル先生、罪人の刻印を刻んでくれる?」
(主、亡命に罪人の刻印を刻む必要はありません)
「職業欄に冤罪って表示されているじゃない。同情票は、多く獲得しておいて損は無いと思うのよ。無実の罪で罪人の刻印を刻まれ国を追われた皇女。このキャッチフレーズだけで、大衆には受けるんじゃないかしら? 教会を掌握したら、弟を帝位につかせるよう手を回すのも楽しそうね。愚兄を引きずり降ろして嘲笑うのも一興よ」
そうすれば皇家の求心力は低下し、ノアを持ち上げていた貴族は、白い目で見られ距離を置かれるだろう。
長女は嫁ぎ先で肩身の狭い思いをし、妹は愚兄のせいで良家の縁談は期待できない。
唯一の希望は、側妃が生んだ年の離れた弟が愚兄よりも優秀であるということ。
(罪人の刻印を再度刻んだ上で出国されるという事で間違いありませんか?)
「うん。その解釈で良いよ」
(個体名ジンフィズ・ルイスの刻んだ罪人の刻印の複製を使用します。実行しますか?)
(イエ~ス)
チリッと右手が痺れる。
手の甲には、古語で『この者は大罪を犯し追放された者なり』と書かれている。
小指には、黒い線が二本刻まれていた。
(ググル先生、ルイスが刻んだものより豪華になってない?)
(主の希望通り、同情票を多く獲得する為に罪人の刻印を改良した。個体名ジンフィス・ルイスの魔力を擬装して刻んでいます。問題ありません)
「流石にバレるのでは?」
(個体名ジョンフィス・ガイアの魔力パターンを解析し、罪人の刻印を構築しています。主と魔力パターンが異なる為、擬装した事が公になる事ありません)
ググル先生のドヤ顔が見える。
巧妙に擬装してあるなら、余程の事が無い限り見破れないのだろう。
仮に見破ったとしても、私自身が刻んだとは思うまい。
「食べ終わったら、直ぐに出発するわよ! 目標は、今日中に関所を通って国外に出る。グリちゃんは、私が振り落とされないギリギリの速度で飛んで頂戴。コツは掴んだから、昨日より早くても大丈夫よ。ググル先生は、私達の周囲を多重結界で覆って頂戴」
空間収納から厚手のコートと手袋を取り出して着込んでいると、
(了。多重結界を展開します。スキル・騎乗を取得済みの為、自動行動と併用可能になりました。自動行動に移行しますか?)
とググル先生が言って来た。
「自動行動にすれば飛行時間は短くなる?」
あの恐怖の空中旅行は、無駄ではなかった!
成長促進が大活躍しているよ。
(その見解で合っています)
スキル取得が常人より早いのは、成長促進の恩恵なのだろう。
「じゃあ、自動行動でお願い」
(了。これより、主の身体の主導権は学習型自立AIが代行し自動行動ヘ移行します。個体名グリちゃんに命じます。全速力で西方神聖教会レイア市国の国境沿いまで飛びなさい)
(イエス、マム!)
有無を言わさない命令に、私は引き攣った。
グリちゃんも、ググル先生の圧に恐れをなしたのか二つ返事で実行している。
その日、昼間なのに流れ星を見たと証言する目撃者が何人も現れ、天変地異の前触れではないかとちょっとした騒ぎになっているとは知る由もなかった。
「ふぁぁ、疲れが取れてない。神経図太い方だと思ったんだけど、この身体は繊細なのな?」
ふかふかのベッドで寝たのに、疲れが取れないと愚痴ると、その原因が直ぐに判明した。
(主、お早う御座います)
「ググル先生、お早う」
(昨日、主が望んだ地下資源ですが、可能な限り集めて空間魔法の中に収納しました。脱力感は、そのせいです)
「お前が、犯人か! 人が寝ている間に何してくれてんの」
(主の魔力だけでは不十分だったので、個体名グリちゃんからも魔力を徴収しました。日中活動する分には、問題ありません)
何してくれちゃってるんですかね!?
チラッとグリちゃんを見ると、疲労感を漂わせている。
ああ、これはギリギリまで魔力を搾り取ったのだな。
「ググル先生、勝手にグリちゃんの魔力を奪わないで頂戴。何か事を起こすなら、事前報告して」
(了。善処します)
その言葉が、信用ならないのは気のせいだろうか。
朝食を囲みながら今後の相談をする事にした。
「ググル先生、このまま入国したら聖女認定されるよね? レイア市国に縛られて、どこにも行けなくなるのは嫌なんだけど。今から別の国に行った方が良くない?」
(是、聖女として認められれば行動に制限が付く可能性があります)
(主殿は、女神レア様が認めた聖女であろう? 何に縛られるのだ?)
コテンと首を傾げるグリちゃんが、あざと可愛い!!
グリちゃんのふわふわの羽に顔を突っ込んでモフモフしてたら、
(ハァ…)
とググル先生に呆れられた。
「うがった考えかもしれないけど」
と前置きして、私は仮定の話を続けた。
「人の秩序と正義を掲げている教会が、聖女を旗本に聖戦という名の戦争を頻繁にしているよね。特に魔人の国にちょっかい、領土侵犯を繰り返しているし。その都度、返り討ちにされているのにね」
知識は、リリスの記憶にある。
過去を何度もループした中には、ノアの隣に立っていた女が教会が聖女として認定したものもあった。
リリスを陥れて追い詰めた女を聖女って、片腹痛いわ。
「宗教なんて都合が悪くなれば、教義に反したとかいちゃもん付けて金をせびってくるような集団だよ? うっかり極大魔法をぶつけちゃう自信があるわ」
フンスと鼻息荒く答えたら、
(それは、主の偏見です。案、女神レアに主の行動を制限しないよう神託を下して貰えば宜しいのではありませんか)
と突っ込まれた。
(主殿の異に沿わない不埒な輩は、妾が排するから安心するがよい)
「グリちゃん、愛してる!!」
グリちゃんに愛を囁いていると、ググル先生が特大の溜め息を吐いた。
(ハァァァ……。主、いい加減現実逃避するのは止めて下さい)
正論をぶつけられて、私は胸を押さえる。
ちゃんと考えなきゃいけないのは、分かっている。
問題を先伸ばししたところで、何の解決にも至らない。
この身体も慰謝料代わりに貰っただけで、寿命までこの世界で安全で快適に過ごすのが本来の目的である。
(仮に国外を出たところで、後ろ盾の無い状態では身柄を皇国に引き渡される可能性があります。主が聖女であると教会に認めさせることを推奨します)
ググル先生の指摘に、私は顔を顰めた。
確かに、その可能性はある。
ノアは気にも留めていない可能性はあるが、両陛下の耳に入れば醜聞の種を野放しにしないだろう。
高確率で連れ戻される。
「冒険者として世界中を放浪しながら面白可笑しく暮らすつもりだったけど、予定変更よ! レイア市国に亡命して、名実ともに聖女になるわ。教会を掌握して愚兄の即位を邪魔してやる」
(それでは、主殿は色んな場所に行けぬのではないか?)
「教会の実権を握れば、後はどうとでもなるわよ。レア様に頼んで、教会の神官達に神託をして貰うわ。亡命してきた聖女の保護と、聖女の行動の制限はしないこと。この二点を約束させて下さい。レア様、お願いします」
何卒お願いしますと両手を組んで祈りを捧げると、
(OK~。任せて! 貴女を利用出来ない様にきつーく言い聞かせるからね)
とレアから軽い返事が返ってきた。
これで、北方神聖教会側は当面大丈夫だろう。
教会も一枚岩ではないだろうし、ググル先生の指摘通り私がうがった見方をしているだけかもしれない。
聖女は、他国の式典や祭典で来賓客として呼ばれることもある。
それを逆手に取れば、色んな場所を移転魔法を使って好きな時に再び訪れることが出来るだろう。
レイア市国が、私をどう対応するかで後の事を考えよう。
「ググル先生、罪人の刻印を刻んでくれる?」
(主、亡命に罪人の刻印を刻む必要はありません)
「職業欄に冤罪って表示されているじゃない。同情票は、多く獲得しておいて損は無いと思うのよ。無実の罪で罪人の刻印を刻まれ国を追われた皇女。このキャッチフレーズだけで、大衆には受けるんじゃないかしら? 教会を掌握したら、弟を帝位につかせるよう手を回すのも楽しそうね。愚兄を引きずり降ろして嘲笑うのも一興よ」
そうすれば皇家の求心力は低下し、ノアを持ち上げていた貴族は、白い目で見られ距離を置かれるだろう。
長女は嫁ぎ先で肩身の狭い思いをし、妹は愚兄のせいで良家の縁談は期待できない。
唯一の希望は、側妃が生んだ年の離れた弟が愚兄よりも優秀であるということ。
(罪人の刻印を再度刻んだ上で出国されるという事で間違いありませんか?)
「うん。その解釈で良いよ」
(個体名ジンフィズ・ルイスの刻んだ罪人の刻印の複製を使用します。実行しますか?)
(イエ~ス)
チリッと右手が痺れる。
手の甲には、古語で『この者は大罪を犯し追放された者なり』と書かれている。
小指には、黒い線が二本刻まれていた。
(ググル先生、ルイスが刻んだものより豪華になってない?)
(主の希望通り、同情票を多く獲得する為に罪人の刻印を改良した。個体名ジンフィス・ルイスの魔力を擬装して刻んでいます。問題ありません)
「流石にバレるのでは?」
(個体名ジョンフィス・ガイアの魔力パターンを解析し、罪人の刻印を構築しています。主と魔力パターンが異なる為、擬装した事が公になる事ありません)
ググル先生のドヤ顔が見える。
巧妙に擬装してあるなら、余程の事が無い限り見破れないのだろう。
仮に見破ったとしても、私自身が刻んだとは思うまい。
「食べ終わったら、直ぐに出発するわよ! 目標は、今日中に関所を通って国外に出る。グリちゃんは、私が振り落とされないギリギリの速度で飛んで頂戴。コツは掴んだから、昨日より早くても大丈夫よ。ググル先生は、私達の周囲を多重結界で覆って頂戴」
空間収納から厚手のコートと手袋を取り出して着込んでいると、
(了。多重結界を展開します。スキル・騎乗を取得済みの為、自動行動と併用可能になりました。自動行動に移行しますか?)
とググル先生が言って来た。
「自動行動にすれば飛行時間は短くなる?」
あの恐怖の空中旅行は、無駄ではなかった!
成長促進が大活躍しているよ。
(その見解で合っています)
スキル取得が常人より早いのは、成長促進の恩恵なのだろう。
「じゃあ、自動行動でお願い」
(了。これより、主の身体の主導権は学習型自立AIが代行し自動行動ヘ移行します。個体名グリちゃんに命じます。全速力で西方神聖教会レイア市国の国境沿いまで飛びなさい)
(イエス、マム!)
有無を言わさない命令に、私は引き攣った。
グリちゃんも、ググル先生の圧に恐れをなしたのか二つ返事で実行している。
その日、昼間なのに流れ星を見たと証言する目撃者が何人も現れ、天変地異の前触れではないかとちょっとした騒ぎになっているとは知る由もなかった。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる