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旅立ち
冤罪を利用しました
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鈍い痛みに、私はリリス・ガイアの身体に完全憑依したのだと悟る。
「リリス、聞いているのか!? この後に及んでだんまりを決め込むか。無言を貫いても、貴様の罪は消えないのだぞ。恥を知れ!!」
声高らかに怒鳴りつけてくる男は、ガイア皇国第一皇子ノア・ガイアだ。
私の頭を掴んで地面に押さえつけているのが、ノアの側近の一人。
卒業後は、近衛騎士になる予定のユリウス・ブラック。
リリスの情報では、彼は歩兵騎士団長の息子で今生は面識はない。
「……汚らわしい。気安く触らないで頂けるかしら。痛いのよ。たかが愚兄の側近如きが、わたくしに触れて良いとでもお思いで?」
私の吐いた言葉が、自動的に高飛車なお嬢様言葉に変換されている。
有難いけど、違和感が凄い。
「貴様っ、身の程を弁えろ!!」
髪を掴まれたかと思ったら、思いっきり地面に打ち付けられた。
ガンッと良い音がしたよ。
床が大理石だと分かってやってたら、傷害罪どころの騒ぎではない。
殺人未遂だ。
酷い顔になっていることだろう。
「図星ですか? 気に食わないことがあれば、この国の騎士は誰彼構わず暴力を振るう事が許されているのですね。それが皇族を相手でも、許される暴力があるのですね・わたくし、知りませんでしたわ」
私の指摘に、ギャラリーと化していた生徒達もユリウスの行動が行き過ぎていると感じたのか、ヒソヒソと非難の声が上がり始める。
「話を聞けと仰るのなら、まずはユリウス・ブラックの蛮行をお止めになるべきではありませんか? それともこの国では、被疑者を無理矢理地面に押さえつけられた状態で弁論しろと仰るのかしら?」
血が目に入って気持ち悪い。
左前頭部がズキズキと痛むが、思考はクリアだ。
寧ろ冴え渡っている。
嘲るように嗤い、さっさと解放しろと要求する。
「……チッ。ユリウス、離してやれ」
とノアが、ユリウスに命令した。
重みと痛みが和らぎ、身体を起こすとボタボタと血が垂れて床を濡らした。
ヒッとか細い悲鳴を上げて倒れる女子生徒が多数いた。
ノアの隣に立っている少女は、目を潤ませて怖がっている振りをしているが、この状況を楽しんでいる。
悪趣味にもほどがあるが、ループの元凶が目の前の少女のような気がしてならない。
根拠はない。
だが、リリスのループした記憶の中で彼女が必ず関わっていた。
探れば何か出て来るかもしれないが、今は茶番劇をさっさと終わらせたい。
額以外は、特に怪我はしてない。
私は立ち上がり、パンパンと手でスカートの裾を払いノア達を睨みつける。
ノアは、金髪碧眼の正統派王子様な顔立ちをしていた。
ぶっちゃけ長髪で細身のなよなよした男は好みではない。
勿論、ユリウスのような脳筋は論外である。
鑑定眼でザッと彼らの情報を盗み視た。
宰相の息子が、憎悪に満ちた目で私を睨んでくる。
ロイ・オープナー、貴様は私の婚約者だろうが!
揃いも揃って高位貴族が、平民に入れあげた挙句に冤罪で断罪とは片腹痛い。
平民の名は、アシュリー。
職業欄が、平民/転生者と記載されているのが気になった。
しかし、だ。
王太子、宰相の嫡男、騎士団長の嫡男、魔術師の名家の次男と平民一人に翻弄され過ぎではないだろうか。
アシュリーは希少な聖魔法の使い手だが、皇女である私を差し置いて蝶よ花よと大事にする存在ではない。
正論を叩きつけたところで火に油を注ぐだけだし、皇女という肩書も悠々自適な自堕落生活を謳歌するなら捨てた方が良い。
「わたくし、罪を犯すようなことはしておりませんわ。もう一度、罪状を読み上げて下さる?」
「貴様っ!」
激昂するノアの肩をロイが押さえて、怒気を孕んだ声音で私の罪状(笑)を読み上げた。
「リリス・ガイア。貴女は、平民のアシュリーに対し日常的に罵声を浴びせ泣かせていました。また、取り巻きを使って彼女に対し、日常的に暴行を加え私物を壊すなどの愚劣極まりない行為を行いました。極めつけは、人気のない場所に彼女を呼び出し暴漢に襲わせた。暴漢は未遂で済んだから良かったものを、これだけの罪があるにも関わらず、謝罪の一つも出ないのか。貴女は、皇女には相応しくない」
ロイが朗々と読み上げた罪状に対し、リリスの記憶に該当するものはない。
リリスの記憶を見る限り、今生の彼女は常に一人で行動し、特定の親しい友人も作っていない。
憶測にはなるが、リリスはどう転んでも同じ展開になるのを悟り全てを諦めたのだろう。
「平民一人を消すなど皇女なら容易いことだと思うのですが。まあ、良いでしょう。さて、その罪を明確にする証拠は勿論ありますね?」
「貴様の蛮行を見たと証言する者は多い。言い逃れは出来ないぞ!」
目撃者がいると主張してきたか。
どちらの差し金だろう。
「目撃者とは、どなたの事かしら? 勿論、その自称目撃者が嘘を吐いていたと判明した場合は、わたくしに対して名誉棄損罪と侮辱罪を適用して重い罪を与えねばなりませんわ。愚兄様達は、わたくしの言葉が理解出来なかったようですわね。証拠とは、事実・真実を明らかにする物のことですのよ。そんな事も分からないとは、幼等部からお勉強をなされては如何?」
ハッと鼻で嗤うと、ロイの顔が真っ赤に染まった。
わなわなと唇を震わせているところを見ると、大層プライドを傷つけたらしい。
そんなチンケなプライドは、捨ててしまえば良いのに。
「仮にわたくしが、その罪状を全て行ったとしましょう。さて、どんな罪になるのでしょうか?」
小首を傾げて問いかけると、ノアが首を打ち取ったとばかりに高らかに言った。
「やっと認めたな! リリス、お前は継承権剥奪及び国外追放だ!!」
この流れでそう考えられるおめでたいお頭に、明らかに話が嚙み合っていない。
証拠もないのに一国の皇子が、冤罪を吹っかけている状況に真面な生徒は皆、顔を真っ青にしている。
継承権剥奪も国外追放も皇帝にしか出来ない権限にも関わらず、ただの皇子如きが行使しようとしている時点でこの国は終わったな。
こんなボンクラが国王になったら、国は間違いなく潰れる。
側近も非常識だし、賢い者から国を離れるか領地を守る為に動こうとするだろう。
でも、皇族として生きるのは御免だし、ここはノアの口車に乗っかろう。
「それは、陛下も同じ考えだということでしょうか?」
「父上には、お前の蛮行を報告済みだ。父上の手を煩わせるまでもない」
ノアの独断で、私に冤罪を吹っかけて罪を確定させたということか。
「そうですか。愚兄様に何を言っても無駄なのでしょう。継承権剥奪及び国外追放の判決はデューク陛下の意思であり、ノア・ガイアの名の下に判決が下された。間違いありませんね?」
念を押す様に確認すると、私の反応が予想外だったのか訝しげな顔をしている。
「ああ、そうだ」
「分かりました。大勢の証人もおりますので、甘んじて罪状を承りましょう。ルイス様、罪人の刻印を刻めますよね? 私に下した判決に後悔がないなら、どうぞ刻んで下さいませ」
スッとルイスに向かって右手を差し出すと、彼は一瞬たじろいたものの、ノア達の勢いに飲まれたのか罪人の刻印を施した。
ピリッと手がしびれたが、特に身体が怠くなるなどの症状はない。
私はスカートの裾を摘み、軽く会釈する。
「今を持って皇女ではなくなりました。わたくしは、私物を纏めて出て行きます。皆さま、御機嫌よう」
「待て! アシュリーに謝罪しろ!!」
去ろうとする私に対し、ノアが怒鳴る。
本当に忌々しい。
私は、アシュリーを一瞥して言った。
「わたくし、何一つ悪い事しておりませんの。脳内お花畑な権力だけはある馬鹿共に冤罪で罪人に落とされた女でしてよ。これ以上、わたくしを煩わせないで下さいませ。だんまりを決め込んでいるアシュリー嬢、わたくしの退場を望んでいたのでしょう? 怪鳥の様に囀る愚か者達をお諫めになっては如何? 物語が進まなくてよ」
この状況を笑いを噛み殺して楽しんでいたアシュリーは、一瞬顔を醜く歪ませたが直ぐにか弱い女の子を演じている。
「ノア、もう良いの。謝罪が無くても、リリス様はちゃんと罪を受け入れて下さった。それだけで十分だわ」
「アシュリー……なんて優しいんだ」
「清らかな心を持つ貴女こそ聖女だよ」
「アシュリーは、俺が守る」
口々にアシュリーを褒めたたえる三馬鹿を無視して、私はさっさとその場を離れて寮に戻った。
荷物は、全て空間収納に放り込んだ。
王城に残っている私物を取りに行きたくなったので、ググル先生に移転魔法を構築が出来るか聞いてみた。
(ググル先生、王城の自室まで移転したいんだけど可能?)
(可能です。術式構築完了。移転しますか?)
(YES)
流石、ググル先生!
魔導の極みをフル活用してサクッと新しい魔法を作ってくれる。
王城の自室に転移して、私物を全て空間収納に納めた。
もう一度寮に転移した私は、学園を後にした。
これで私は自由だ!!
「リリス、聞いているのか!? この後に及んでだんまりを決め込むか。無言を貫いても、貴様の罪は消えないのだぞ。恥を知れ!!」
声高らかに怒鳴りつけてくる男は、ガイア皇国第一皇子ノア・ガイアだ。
私の頭を掴んで地面に押さえつけているのが、ノアの側近の一人。
卒業後は、近衛騎士になる予定のユリウス・ブラック。
リリスの情報では、彼は歩兵騎士団長の息子で今生は面識はない。
「……汚らわしい。気安く触らないで頂けるかしら。痛いのよ。たかが愚兄の側近如きが、わたくしに触れて良いとでもお思いで?」
私の吐いた言葉が、自動的に高飛車なお嬢様言葉に変換されている。
有難いけど、違和感が凄い。
「貴様っ、身の程を弁えろ!!」
髪を掴まれたかと思ったら、思いっきり地面に打ち付けられた。
ガンッと良い音がしたよ。
床が大理石だと分かってやってたら、傷害罪どころの騒ぎではない。
殺人未遂だ。
酷い顔になっていることだろう。
「図星ですか? 気に食わないことがあれば、この国の騎士は誰彼構わず暴力を振るう事が許されているのですね。それが皇族を相手でも、許される暴力があるのですね・わたくし、知りませんでしたわ」
私の指摘に、ギャラリーと化していた生徒達もユリウスの行動が行き過ぎていると感じたのか、ヒソヒソと非難の声が上がり始める。
「話を聞けと仰るのなら、まずはユリウス・ブラックの蛮行をお止めになるべきではありませんか? それともこの国では、被疑者を無理矢理地面に押さえつけられた状態で弁論しろと仰るのかしら?」
血が目に入って気持ち悪い。
左前頭部がズキズキと痛むが、思考はクリアだ。
寧ろ冴え渡っている。
嘲るように嗤い、さっさと解放しろと要求する。
「……チッ。ユリウス、離してやれ」
とノアが、ユリウスに命令した。
重みと痛みが和らぎ、身体を起こすとボタボタと血が垂れて床を濡らした。
ヒッとか細い悲鳴を上げて倒れる女子生徒が多数いた。
ノアの隣に立っている少女は、目を潤ませて怖がっている振りをしているが、この状況を楽しんでいる。
悪趣味にもほどがあるが、ループの元凶が目の前の少女のような気がしてならない。
根拠はない。
だが、リリスのループした記憶の中で彼女が必ず関わっていた。
探れば何か出て来るかもしれないが、今は茶番劇をさっさと終わらせたい。
額以外は、特に怪我はしてない。
私は立ち上がり、パンパンと手でスカートの裾を払いノア達を睨みつける。
ノアは、金髪碧眼の正統派王子様な顔立ちをしていた。
ぶっちゃけ長髪で細身のなよなよした男は好みではない。
勿論、ユリウスのような脳筋は論外である。
鑑定眼でザッと彼らの情報を盗み視た。
宰相の息子が、憎悪に満ちた目で私を睨んでくる。
ロイ・オープナー、貴様は私の婚約者だろうが!
揃いも揃って高位貴族が、平民に入れあげた挙句に冤罪で断罪とは片腹痛い。
平民の名は、アシュリー。
職業欄が、平民/転生者と記載されているのが気になった。
しかし、だ。
王太子、宰相の嫡男、騎士団長の嫡男、魔術師の名家の次男と平民一人に翻弄され過ぎではないだろうか。
アシュリーは希少な聖魔法の使い手だが、皇女である私を差し置いて蝶よ花よと大事にする存在ではない。
正論を叩きつけたところで火に油を注ぐだけだし、皇女という肩書も悠々自適な自堕落生活を謳歌するなら捨てた方が良い。
「わたくし、罪を犯すようなことはしておりませんわ。もう一度、罪状を読み上げて下さる?」
「貴様っ!」
激昂するノアの肩をロイが押さえて、怒気を孕んだ声音で私の罪状(笑)を読み上げた。
「リリス・ガイア。貴女は、平民のアシュリーに対し日常的に罵声を浴びせ泣かせていました。また、取り巻きを使って彼女に対し、日常的に暴行を加え私物を壊すなどの愚劣極まりない行為を行いました。極めつけは、人気のない場所に彼女を呼び出し暴漢に襲わせた。暴漢は未遂で済んだから良かったものを、これだけの罪があるにも関わらず、謝罪の一つも出ないのか。貴女は、皇女には相応しくない」
ロイが朗々と読み上げた罪状に対し、リリスの記憶に該当するものはない。
リリスの記憶を見る限り、今生の彼女は常に一人で行動し、特定の親しい友人も作っていない。
憶測にはなるが、リリスはどう転んでも同じ展開になるのを悟り全てを諦めたのだろう。
「平民一人を消すなど皇女なら容易いことだと思うのですが。まあ、良いでしょう。さて、その罪を明確にする証拠は勿論ありますね?」
「貴様の蛮行を見たと証言する者は多い。言い逃れは出来ないぞ!」
目撃者がいると主張してきたか。
どちらの差し金だろう。
「目撃者とは、どなたの事かしら? 勿論、その自称目撃者が嘘を吐いていたと判明した場合は、わたくしに対して名誉棄損罪と侮辱罪を適用して重い罪を与えねばなりませんわ。愚兄様達は、わたくしの言葉が理解出来なかったようですわね。証拠とは、事実・真実を明らかにする物のことですのよ。そんな事も分からないとは、幼等部からお勉強をなされては如何?」
ハッと鼻で嗤うと、ロイの顔が真っ赤に染まった。
わなわなと唇を震わせているところを見ると、大層プライドを傷つけたらしい。
そんなチンケなプライドは、捨ててしまえば良いのに。
「仮にわたくしが、その罪状を全て行ったとしましょう。さて、どんな罪になるのでしょうか?」
小首を傾げて問いかけると、ノアが首を打ち取ったとばかりに高らかに言った。
「やっと認めたな! リリス、お前は継承権剥奪及び国外追放だ!!」
この流れでそう考えられるおめでたいお頭に、明らかに話が嚙み合っていない。
証拠もないのに一国の皇子が、冤罪を吹っかけている状況に真面な生徒は皆、顔を真っ青にしている。
継承権剥奪も国外追放も皇帝にしか出来ない権限にも関わらず、ただの皇子如きが行使しようとしている時点でこの国は終わったな。
こんなボンクラが国王になったら、国は間違いなく潰れる。
側近も非常識だし、賢い者から国を離れるか領地を守る為に動こうとするだろう。
でも、皇族として生きるのは御免だし、ここはノアの口車に乗っかろう。
「それは、陛下も同じ考えだということでしょうか?」
「父上には、お前の蛮行を報告済みだ。父上の手を煩わせるまでもない」
ノアの独断で、私に冤罪を吹っかけて罪を確定させたということか。
「そうですか。愚兄様に何を言っても無駄なのでしょう。継承権剥奪及び国外追放の判決はデューク陛下の意思であり、ノア・ガイアの名の下に判決が下された。間違いありませんね?」
念を押す様に確認すると、私の反応が予想外だったのか訝しげな顔をしている。
「ああ、そうだ」
「分かりました。大勢の証人もおりますので、甘んじて罪状を承りましょう。ルイス様、罪人の刻印を刻めますよね? 私に下した判決に後悔がないなら、どうぞ刻んで下さいませ」
スッとルイスに向かって右手を差し出すと、彼は一瞬たじろいたものの、ノア達の勢いに飲まれたのか罪人の刻印を施した。
ピリッと手がしびれたが、特に身体が怠くなるなどの症状はない。
私はスカートの裾を摘み、軽く会釈する。
「今を持って皇女ではなくなりました。わたくしは、私物を纏めて出て行きます。皆さま、御機嫌よう」
「待て! アシュリーに謝罪しろ!!」
去ろうとする私に対し、ノアが怒鳴る。
本当に忌々しい。
私は、アシュリーを一瞥して言った。
「わたくし、何一つ悪い事しておりませんの。脳内お花畑な権力だけはある馬鹿共に冤罪で罪人に落とされた女でしてよ。これ以上、わたくしを煩わせないで下さいませ。だんまりを決め込んでいるアシュリー嬢、わたくしの退場を望んでいたのでしょう? 怪鳥の様に囀る愚か者達をお諫めになっては如何? 物語が進まなくてよ」
この状況を笑いを噛み殺して楽しんでいたアシュリーは、一瞬顔を醜く歪ませたが直ぐにか弱い女の子を演じている。
「ノア、もう良いの。謝罪が無くても、リリス様はちゃんと罪を受け入れて下さった。それだけで十分だわ」
「アシュリー……なんて優しいんだ」
「清らかな心を持つ貴女こそ聖女だよ」
「アシュリーは、俺が守る」
口々にアシュリーを褒めたたえる三馬鹿を無視して、私はさっさとその場を離れて寮に戻った。
荷物は、全て空間収納に放り込んだ。
王城に残っている私物を取りに行きたくなったので、ググル先生に移転魔法を構築が出来るか聞いてみた。
(ググル先生、王城の自室まで移転したいんだけど可能?)
(可能です。術式構築完了。移転しますか?)
(YES)
流石、ググル先生!
魔導の極みをフル活用してサクッと新しい魔法を作ってくれる。
王城の自室に転移して、私物を全て空間収納に納めた。
もう一度寮に転移した私は、学園を後にした。
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