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オブシディアン領で労働中
リストラ大作戦5
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コレットを憂さ晴らしの的にして堪った鬱憤を晴らして、今日も元気にお仕事です。
フェディーラが、領地を津々浦々巡って来てもらい良さげな人材を雇用しつつ、領地運営をヒーコラ回している状態です。
鑑定眼鏡君は、良い仕事をしてくれました。
教会の鑑定石を回収した甲斐があったというもの。
パパンに栄転で抜けた人材の補填を補うために、育手でをクレクレしております。
人手が足りていないなら、ある場所から持ってくるのが一番手っ取り早い。
短期間でなら、その方法はありでしょう。
長期間では、それは下策になりかねない。
その為、育成に相応しい人材を各所から派遣して貰うくらいの融通はあって然るべきです。
教会や孤児院の方も、聖女の肩書を使ってテコ入れを行いました。
人身売買の温床になっていたので、放置できません。
積極的に関わった者は、犯罪奴隷に落として売り飛ばした者達を買い戻す資金にするべく過酷な労働場所へ出稼ぎに行ってもらいました。
漁船に乗って生きて帰って来られるのは、果たして何人だろう。
知らずに手を貸していた者達も、降格や減給処分を下しました。
何もしないという処置を取ることが出来ないくらい大事になっていたので、これも仕方がない。
旧オブシディアン領の孤児院は、癒着出来ないように教会からの援助の打ち切りを決定した。
代わりに、領から現物支給で支援する方法を取りました。
お金だと着服しそうだしね。
各孤児院は、独立してお金を稼ぐためにヘリオト商会から仕事を回すことで現金を得ることが出来るように手を回してあります。
これに関しては、ヘリオト商会の中でも意見が割れたのは言うまでもない。
一定の品質が保たれるのか危惧する者もいれば、単に孤児達に仕事を任せるのが嫌だという者もいた。
慈善事業の一環で決めた仕事の斡旋は、ゆくゆくは孤児たちがヘリオト商会に就職すれば元は取れるし即戦力として使えるメリットもある。
仮に就職しなくても、独り立ちする時に困らない知識や技術が身についているだろう。
その時は、別の方向で囲えば良い。
王家直轄の領地なので私の手から離れた時、一抹の不安はある。
私に代わる領主が暗愚でなければ良いが、そこまでは私の管轄ではないし、知った事ではない。
この領を統治している間に、目ぼしい新たな人脈と人材の発掘をして、最後は根こそぎ持って行く算段だ。
現時点で、アルベルトの王太子への道は閉ざされている。
学園でのやらかしもあり、臣下へ下る道のみ残されている。
それは蜘蛛の糸ほど細く脆い道筋だ。
今までのことを猛省し、改心して、王族として相応しい存在になってくれれば、この地を治めることを許される可能性は限りなく0に近いがある。
しかし、彼がまたやらかしたら今度は物理的に処分されるだろう。
そんなことが、二度も三度もあっては堪らないのだが、アルベルトならやりかねないという懸念が生じる。
「……後任には、私の息が掛かった者を送り込みたいわね」
私は、王家に嫁ぐ気はない!
押し付けられたとはいえ、改革した地を容易に手放したりはしない。
王妃には悪いが、私は私で今後とも有効活用できるように地盤固めをさせて貰おう。
フフフと仄暗い笑みを浮かべながら、書類を捌く私の補佐をしていたレユターレンが気味悪そうにこちらを見ていたことに気付かなかった。
フェディーラが、領地を津々浦々巡って来てもらい良さげな人材を雇用しつつ、領地運営をヒーコラ回している状態です。
鑑定眼鏡君は、良い仕事をしてくれました。
教会の鑑定石を回収した甲斐があったというもの。
パパンに栄転で抜けた人材の補填を補うために、育手でをクレクレしております。
人手が足りていないなら、ある場所から持ってくるのが一番手っ取り早い。
短期間でなら、その方法はありでしょう。
長期間では、それは下策になりかねない。
その為、育成に相応しい人材を各所から派遣して貰うくらいの融通はあって然るべきです。
教会や孤児院の方も、聖女の肩書を使ってテコ入れを行いました。
人身売買の温床になっていたので、放置できません。
積極的に関わった者は、犯罪奴隷に落として売り飛ばした者達を買い戻す資金にするべく過酷な労働場所へ出稼ぎに行ってもらいました。
漁船に乗って生きて帰って来られるのは、果たして何人だろう。
知らずに手を貸していた者達も、降格や減給処分を下しました。
何もしないという処置を取ることが出来ないくらい大事になっていたので、これも仕方がない。
旧オブシディアン領の孤児院は、癒着出来ないように教会からの援助の打ち切りを決定した。
代わりに、領から現物支給で支援する方法を取りました。
お金だと着服しそうだしね。
各孤児院は、独立してお金を稼ぐためにヘリオト商会から仕事を回すことで現金を得ることが出来るように手を回してあります。
これに関しては、ヘリオト商会の中でも意見が割れたのは言うまでもない。
一定の品質が保たれるのか危惧する者もいれば、単に孤児達に仕事を任せるのが嫌だという者もいた。
慈善事業の一環で決めた仕事の斡旋は、ゆくゆくは孤児たちがヘリオト商会に就職すれば元は取れるし即戦力として使えるメリットもある。
仮に就職しなくても、独り立ちする時に困らない知識や技術が身についているだろう。
その時は、別の方向で囲えば良い。
王家直轄の領地なので私の手から離れた時、一抹の不安はある。
私に代わる領主が暗愚でなければ良いが、そこまでは私の管轄ではないし、知った事ではない。
この領を統治している間に、目ぼしい新たな人脈と人材の発掘をして、最後は根こそぎ持って行く算段だ。
現時点で、アルベルトの王太子への道は閉ざされている。
学園でのやらかしもあり、臣下へ下る道のみ残されている。
それは蜘蛛の糸ほど細く脆い道筋だ。
今までのことを猛省し、改心して、王族として相応しい存在になってくれれば、この地を治めることを許される可能性は限りなく0に近いがある。
しかし、彼がまたやらかしたら今度は物理的に処分されるだろう。
そんなことが、二度も三度もあっては堪らないのだが、アルベルトならやりかねないという懸念が生じる。
「……後任には、私の息が掛かった者を送り込みたいわね」
私は、王家に嫁ぐ気はない!
押し付けられたとはいえ、改革した地を容易に手放したりはしない。
王妃には悪いが、私は私で今後とも有効活用できるように地盤固めをさせて貰おう。
フフフと仄暗い笑みを浮かべながら、書類を捌く私の補佐をしていたレユターレンが気味悪そうにこちらを見ていたことに気付かなかった。
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