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幼少期
報連相と経過報告
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王妃に報告する前に、ジョーズに報告したら頭を抱えてしまった。
うん、その気持ち凄く分かる。
私は、頭を抱えた後に怒りがふつふつと湧き上がったけどね!
「本格的に教会の乗っ取る前に潰れるのではないか?」
「お父様、潰れるとそれはそれで困るんですよ。治癒院や孤児院としても活動していますので、無くなれば国庫に大打撃を与えることになりますよ」
昔は、寄付と称してやりたい放題していたツケが回ってきただけのことである。
精霊達が良い感じに教会の人事と財政にデカイ風穴をブチ開けたのが原因でもあるが。
敢えて、そこは言わないでおく。
「水増し請求なんて可愛い方ですわ。闇奴隷商人から奴隷を購入していたこと自体が問題なのです。この国では、奴隷制度は認められておりますが犯罪者奴隷でなければ最低限の衣食住の保証と年期というものが存在します。奴隷契約する時にも、お互いの希望を提示し納得した上での契約を交わします。それを一切無視し隷属させるような奴隷を所持していたこと自体に問題があるのですよ」
「国としても、動かざる得ないな」
「ああ、奴隷売買に関与した者達に関しては捕縛命令を出しておりますので捕まえ次第引き渡し出来るように手配してますわ」
そう告げると、ジョーズはこめかみを揉みながら溜息を吐いた。
「お前は、何でこうも問題を起こしてくるんだ」
「お父様、私を問題児みたいな良い方しないで頂けます? 私の歩く先に問題が降ってくるのですよ。未来予知なんて芸当は出来ませんので、避けようがありませんわ」
「この件に関しては、リリアンから王妃殿下に報告するのは拙い。隙を見せれば、付け込まれるぞ」
ジョーズの言葉に私は、ですよねーと諦めにも似た溜息を吐いた。
「分かりました。証拠と罪人は押さえておきます。買った奴隷たちの処遇と、売られた奴隷たちをどうするか王妃様と相談して決めて下さいませ。売られた奴隷たちは、出来る限り探しますわ」
「ああ、そうしてくれ」
「アルベルト様から登城するようにと命令がありますので、明日行ってきますわ」
「あのクソガキから? 嫌なら断っても良いんだぞ」
寧ろ断れとジョーズから圧が掛かてくるが無視を決め込んだ。
だって面倒臭いんだもの。
「ビジネスの話をするだけですわ。先ぶれの準備も必要になりますので、これで失礼します」
「ああ、ゆっくり休むんだぞ」
「ありがとう御座います。嗚呼、先ほどの件の報告が終わった後にご機嫌伺いとしてこちらを王妃様にお渡し下さいませ」
プライベート用通信具の片方を手渡した。
「これは何だい?」
「ギルドに行った時、通信出来る魔法具を見せて頂きましたの。その応用編ですわ。これは、我が家用です。片方は領地に置こうと思ってますの。そうすればいつでも、可愛い天使たちの声が聞こえますわ」
そう妄想しただけで、私はハッピーになれる。
将来は、姉さまと呼ばせたい。
ねーたんでも可。
「……リリアンの原動力は、弟妹達が起因なのか」
「九割はそうですけど、一割は仕事の効率化を図るためですわ。就きたくもない聖女の座に収まっているのは天使たちが苦労しない世界を作る為ですのよ。それ以外に何がありまして?」
至極真面目な顔で言い切ると、ジョーズは手で顔を覆っている。
「もういい。下がりなさい」
あの言葉のどこに凹む要素があったのだろうか。
私は、さっさと父の書斎から退出してアルベルト宛に先ぶれの手紙を送った。
翌日、アルベルトに会いに行くと何故か学友達の姿もあった。
「……アルベルト様。これは、どういうことですか? わたくしが納得いく返答をして頂けますか?」
スタジオまで借りて、今年の社交シーズン用の衣装を着せて撮影会をする気満々だったのに!
「同世代に遊びに誘われたのが初めてで、嬉しくて一緒に城下へ行こうと誘った。ごめん……」
バカベルトが、謝罪が出来るまでに進化していた!!
これは、ちょっと感動した。
上から目線の謝罪は聞いたことがあったが、「ごめん」と言われたのはこれが初めてだ。
しかし、アルベルトを女装なしで連れ出すのは難しい。
私は、ジーッと学友たちを爪先から頭までジロジロと眺めた。
「気持ち悪い女だな」
ロンギヌスに暴言を吐かれ、うっかりグーで殴ってしまった。
勿論、顔ではなく鳩尾に入ったよ。
床に崩れ落ちお腹を抱えているロンギヌスに対し、
「あら、ごめんあそばせ。つい、うっかり手が滑ってしまいましたわ」
「手が出たの間違いでしょう。令嬢にあるまじき野蛮な性格ですね」
「ジャスパー様、淑女が手が滑ったと言えば滑ったのですよ。少し女性軽視をされているようですわね。教育的指導を施した方が良いかしら?」
グッと握りこぶしを作ると。精霊達が「火炙りにしたい~」「水で顔を覆って窒息死=」と物騒なことを言い出したので速攻で拳を収めた。
「殿下に初めてお友達が出来たのは喜ばしいことですわ。でも、その恰好で外に出られませんわ。良いのですか? いつもの恰好をこの方たちに見られますわよ?」
ボソッとアルベルトだけに聞こえるように耳打ちすると、アルベルトは暫く考え込んだ。
そして、出した答えが酷かった。
「彼らも俺と同じ格好になれば誰にもバレずに外出出来るだろう。写真撮り放題。紹介料金貨1枚でどうだ?」
「それは、今回限りでという事でしょうか?」
「そうだ。もし、今後も彼らを例の恰好をさせるのに成功したら大銀貨一枚でどうだ?」
私の頭の中でそろばんが弾かれる。
「分かりました。五人纏めて、その金額で手を打ちます」
アルベルトと私は、その日一番いい笑顔をしていた。
うん、その気持ち凄く分かる。
私は、頭を抱えた後に怒りがふつふつと湧き上がったけどね!
「本格的に教会の乗っ取る前に潰れるのではないか?」
「お父様、潰れるとそれはそれで困るんですよ。治癒院や孤児院としても活動していますので、無くなれば国庫に大打撃を与えることになりますよ」
昔は、寄付と称してやりたい放題していたツケが回ってきただけのことである。
精霊達が良い感じに教会の人事と財政にデカイ風穴をブチ開けたのが原因でもあるが。
敢えて、そこは言わないでおく。
「水増し請求なんて可愛い方ですわ。闇奴隷商人から奴隷を購入していたこと自体が問題なのです。この国では、奴隷制度は認められておりますが犯罪者奴隷でなければ最低限の衣食住の保証と年期というものが存在します。奴隷契約する時にも、お互いの希望を提示し納得した上での契約を交わします。それを一切無視し隷属させるような奴隷を所持していたこと自体に問題があるのですよ」
「国としても、動かざる得ないな」
「ああ、奴隷売買に関与した者達に関しては捕縛命令を出しておりますので捕まえ次第引き渡し出来るように手配してますわ」
そう告げると、ジョーズはこめかみを揉みながら溜息を吐いた。
「お前は、何でこうも問題を起こしてくるんだ」
「お父様、私を問題児みたいな良い方しないで頂けます? 私の歩く先に問題が降ってくるのですよ。未来予知なんて芸当は出来ませんので、避けようがありませんわ」
「この件に関しては、リリアンから王妃殿下に報告するのは拙い。隙を見せれば、付け込まれるぞ」
ジョーズの言葉に私は、ですよねーと諦めにも似た溜息を吐いた。
「分かりました。証拠と罪人は押さえておきます。買った奴隷たちの処遇と、売られた奴隷たちをどうするか王妃様と相談して決めて下さいませ。売られた奴隷たちは、出来る限り探しますわ」
「ああ、そうしてくれ」
「アルベルト様から登城するようにと命令がありますので、明日行ってきますわ」
「あのクソガキから? 嫌なら断っても良いんだぞ」
寧ろ断れとジョーズから圧が掛かてくるが無視を決め込んだ。
だって面倒臭いんだもの。
「ビジネスの話をするだけですわ。先ぶれの準備も必要になりますので、これで失礼します」
「ああ、ゆっくり休むんだぞ」
「ありがとう御座います。嗚呼、先ほどの件の報告が終わった後にご機嫌伺いとしてこちらを王妃様にお渡し下さいませ」
プライベート用通信具の片方を手渡した。
「これは何だい?」
「ギルドに行った時、通信出来る魔法具を見せて頂きましたの。その応用編ですわ。これは、我が家用です。片方は領地に置こうと思ってますの。そうすればいつでも、可愛い天使たちの声が聞こえますわ」
そう妄想しただけで、私はハッピーになれる。
将来は、姉さまと呼ばせたい。
ねーたんでも可。
「……リリアンの原動力は、弟妹達が起因なのか」
「九割はそうですけど、一割は仕事の効率化を図るためですわ。就きたくもない聖女の座に収まっているのは天使たちが苦労しない世界を作る為ですのよ。それ以外に何がありまして?」
至極真面目な顔で言い切ると、ジョーズは手で顔を覆っている。
「もういい。下がりなさい」
あの言葉のどこに凹む要素があったのだろうか。
私は、さっさと父の書斎から退出してアルベルト宛に先ぶれの手紙を送った。
翌日、アルベルトに会いに行くと何故か学友達の姿もあった。
「……アルベルト様。これは、どういうことですか? わたくしが納得いく返答をして頂けますか?」
スタジオまで借りて、今年の社交シーズン用の衣装を着せて撮影会をする気満々だったのに!
「同世代に遊びに誘われたのが初めてで、嬉しくて一緒に城下へ行こうと誘った。ごめん……」
バカベルトが、謝罪が出来るまでに進化していた!!
これは、ちょっと感動した。
上から目線の謝罪は聞いたことがあったが、「ごめん」と言われたのはこれが初めてだ。
しかし、アルベルトを女装なしで連れ出すのは難しい。
私は、ジーッと学友たちを爪先から頭までジロジロと眺めた。
「気持ち悪い女だな」
ロンギヌスに暴言を吐かれ、うっかりグーで殴ってしまった。
勿論、顔ではなく鳩尾に入ったよ。
床に崩れ落ちお腹を抱えているロンギヌスに対し、
「あら、ごめんあそばせ。つい、うっかり手が滑ってしまいましたわ」
「手が出たの間違いでしょう。令嬢にあるまじき野蛮な性格ですね」
「ジャスパー様、淑女が手が滑ったと言えば滑ったのですよ。少し女性軽視をされているようですわね。教育的指導を施した方が良いかしら?」
グッと握りこぶしを作ると。精霊達が「火炙りにしたい~」「水で顔を覆って窒息死=」と物騒なことを言い出したので速攻で拳を収めた。
「殿下に初めてお友達が出来たのは喜ばしいことですわ。でも、その恰好で外に出られませんわ。良いのですか? いつもの恰好をこの方たちに見られますわよ?」
ボソッとアルベルトだけに聞こえるように耳打ちすると、アルベルトは暫く考え込んだ。
そして、出した答えが酷かった。
「彼らも俺と同じ格好になれば誰にもバレずに外出出来るだろう。写真撮り放題。紹介料金貨1枚でどうだ?」
「それは、今回限りでという事でしょうか?」
「そうだ。もし、今後も彼らを例の恰好をさせるのに成功したら大銀貨一枚でどうだ?」
私の頭の中でそろばんが弾かれる。
「分かりました。五人纏めて、その金額で手を打ちます」
アルベルトと私は、その日一番いい笑顔をしていた。
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