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セブール
37.溜まってた物を吐き出してきました
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宿に戻って、一晩が経った。
「宥子、夕食までに帰るから外でモンスター狩ってきても良い?」
「無能な馬鹿は死ね」
おっと、本音と建前が逆になってしまった。
「朝っぱらから暴言は酷い!」
「いきなりモンスター狩りに行きたいってバカな事を言い出したから、うっかり本音が漏れただけだよ。昇級したと言っても、見習いに毛が生えたようなものだと理解してくれ。本気で止めて!」
「宿の店とギルドの場所は把握したから大丈夫。魔石の補充もしたいし、街の外のマッピングもするよ」
「そういう問題じゃない。そういう手間は、お金で解決しろ。私は、お前を単独行動させることが反対なんだ」
大体、マッピングは地図をスクロールしてからじゃないと出来なかったはずだ。
アナログに戻る気か?
取り敢えず止める。
ただでさえ容子はトラブル体質だ。
これ以上、彼女のトラブルに巻き込まれたくないで御座る。
絶対ダメ! 許さない!! と両手で大きくバッテンを作った。
必死に止める私に対し、蛇二匹とサクラが容子の足元に集まっている。
フリーダム過ぎるだろう、うちの子達。
サクラも容子の足元でピョンピョン飛び跳ねていた。
君、一番弱いのよ?
プチッと踏みつぶされたらどするの。
私の心の声は、契約した三匹+一人には通じなかった。
「大丈夫だって。蛇達もいるし、サクラちゃんも行きたいって足元で跳ねてるよ。現実的な話をすると、宥子は過保護過ぎる。自称神様を相手にするんでしょう? 魔物使いなんだから、この子達の成長を促す為にも実践は必要だよ。レベルの高い所には近づかないから! お願い!!」
良いこと言うじゃないと感動したのは一瞬だけで、容子達は颯爽と逃げ出した。
「私の感動を返せ!」
捕まえようと伸ばした手は空振りし、ハハハハッと馬鹿な高笑いをしながら去った容子を捕まえることは出来なかった。
帰ったら全員〆る。
仕方がない。
予定変更だ。
冒険者ギルドでアイテムボックスに眠っているドロップ品を吐き出して換金して貰おう。
冒険者ギルドに顔を出すと、昨日ほど人は居なかった。
昼と呼ぶにはまだ早い時間帯だけど、11時を少し回ったところだ。
この時間帯に入り浸る冒険者は、任務明けの人が多いと予想を立ててみる。
あ、買取コーナーは空いている。
待たずに済みそうだ。
「すみません。買取お願いします」
「じゃあ、出してくれ」
「数が多いので、広い場所に行きたいんですけど」
と買い取りして欲しいものをリスト化した紙を見せたら、思いっきり二度見された。
「本当に、これだけ所有しているのか? 何も持ってないように見られるが……。アイテムバッグでも、ここまでの量が入る物があるとは聞いたことがないぞ」
「アイテムボックスに仕舞ってます」
蜂の羽を一枚取り出して見せると、おっさんは納得したのか解体用の倉庫に案内してくれた。
「よし、ここに全部出してくれ」
私は一部を残して、ドロップアイテムを全て出した。
蜂の羽×1068枚
蜂の子(死骸)×302匹
ロイヤルゼリー×102個
毒針×534個
黄色の魔石(小)×32個
青い魔石(小)×28個
赤い魔石(中)×3個
赤い魔石(大)×1個
女王蜂の心臓×1個
赤い魔石(大)
グレートウルフの毛皮×31個
ホーンラビットの毛皮×51個
ブルーオーガの眼×1個
ブルーオーガの睾丸×2個
ブルーオーガの皮×1個
スピアベアの皮×3個
ウルフの毛皮×21個
ワーウルフの毛皮×5個
キラービーの羽×31枚個
キングホーネットの腕×3本
キングホーネットの羽×2枚
毒針×1個
黄色の魔石(小)×22個
青い魔石(小)×13個
紫の魔石(中)×1個
緑の魔石(大)×1個
キングホーネットの心臓1個
その他諸々出し切って、私は一息付く。
素材が山盛りになってます。
アイテムボックスに入れると分類されるので、取り出す時に分けなくて済むのが良い。
「ブルーオーガはBランクのモンスター、キングホーネットはAランク。嬢ちゃんのランクで、倒せる相手じゃないぞ。臨時パーティでも組んだのか? いや、それならギルドカードにパーティ名が記録されるはずだ……」
ブツブツと呟くおっさんに、私はその場でしゃがみ込んで頭を抱えた。
高レベルモンスターだとは、知らなかったんだもん。
襲ってくる敵を撃退しないと、死ぬしかないんだよ?
死ぬ物狂いで戦うしかなかったのだ。
つか、愚昧!
貴様の武器は、Aランクモンスターをオーバーキルしてんじゃん!!
物騒な物を持ち込まないで欲しい。
私よりチートな武器で安全にモンスター狩りしていたのかと思うと泣ける。
私の初期装備は、原始的に出刃包丁と殺虫剤で戦ってたのに。
理不尽だ!!
「流石に一人では、倒せませんよ。私は、魔物使いですよ。テイムした子達の力を借りています」
息を吐くように、シレッと嘘をつく。
「余程、良いモンスターを使役しているんだな」
「はい。此処に来るまでに、色々あったんですよ。うっかりモンスターの縄張りに入ったというか……(向こうから来たんだけど)。出くわして逃げられなかったので、死に物狂いで殺しました。人間死ぬ気になれば何でも出来るんですよ……」
死んだ魚のような眼で、その時の情景を重い浮辺ながら教えてあげたら、ドン引きされた。
酷くね?
「お前さん、Cランクの昇級試験受けに来た問題児だろう? 推薦されたランク間違ってないか?」
「登録したてのヒヨッコですからね。最初から高ランクにするわけにはいかないでしょう。地道に頑張ります」
「その年で、それだけ堅実なら大丈夫だな。若いと、ランクが上がっただけで強くなったと勘違いする奴がいる。そういう奴は、身の丈に合わない任務を受けたり、ダンジョンに潜って手酷い目に遭うのさ。嬢ちゃんは大丈夫だと思うが、天狗にならないように気を付けな」
「気遣いありがとう御座います。因みに買取額は、どうなりますか」
こういう人が、現場で新人冒険者を育成してくれれば、冒険者の質は上がるだろうに。
よくダリエラの下で働いていられるな。
容子達が、戻ってくる前に買い取りを終わらせたいので話を挿げ替える。
「買い取りだったな。物が多すぎる。領収書に買い取った物と金額を記載するから、それを見て確認して貰っても良いか?」
「構いませんよ」
「じゃあ、仕分けするから十分ほど待っていてくれ」
立って待つのも嫌なので、私はアイテムボックスから椅子と本を取り出して作業が終わるのを待った。
待つこと十分、おっさんが声を掛けてきた。
「出来たぜ。これが、買い取りの領収書だ。買い取れない物はどうする?」
「買い取れないもの?」
「ゴブリンの腰布や棍棒等だ」
「じゃあ、返却でお願いします」
処分して貰う方法もあったが、処分費用を取られるのは御免だ。
「そうかい。キラービーの羽は金貨10枚・銀貨6枚・銅貨8枚。蜂の子は、金貨30枚・銀貨2枚。ロイヤルゼリーは金貨102枚。毒針は金貨21枚・銀貨3枚・銅貨6枚。黄色の魔石(小)は金貨33枚・銀貨8枚。青い魔石は金貨41枚。赤い魔石(中)は金貨15枚。赤い魔石(大)は金貨50枚。女王蜂の心臓は金貨13枚。グレートウルフの毛皮は金貨24枚・銀貨8枚。ホーンラビットの毛皮は金貨1枚・銀貨5枚・銅貨3枚。ブルーオーガの眼は金貨1枚。ブルーオーガの睾丸は金貨25枚。ブルーオーガの皮は金貨11枚。スピアベアの皮は金貨2枚銀貨3枚。ウルフの毛皮は金貨4枚・銀貨2枚。ワーウルフの毛皮は金貨3枚。…………キングホーネットの腕は金貨12枚。キングホーネットの羽は、金貨2枚。キングホーネットの心臓は金貨18枚。キングホーネットの毒針は金貨1枚。紫の魔石(中)は金貨50枚・緑の魔石(大)は金貨210枚。総額で金貨2686枚、銀貨9枚、銅貨7枚で手数料2割引くと金貨2351枚・銅貨9枚・青銅貨8枚になる。この金額で買い取り良いならサインを頼む」
凄い大金キタコレ!!
渡された羽ペンを使って、私に不利な条件が盛り込まれていないかなど確認してからサインした。
「全て預けます」
「分かった。ギルトカードを出してくれ」
ギルドカードを渡して、数分後にはギルドの預金額が凄いことになった。
金貨2352枚・銀貨11枚・銅貨25枚・青銅貨16枚が、冒険者ギルドに預けられている。
凄いね! 一気にお金持ちだよ。
所持金と三つのギルドに預けた預金だけで暮らせそうだ。
「ありがとう御座いました。当面、ここを拠点にするので宜しくお願いします」
と挨拶したら、
「今度はもっと大物を狩って来てくれよ。期待しているぜ」
と言われた。
いや、ボチボチ稼ぎたいだけなので、そんな死亡フラグは要りません。
適当に会釈して、冒険者ギルトを後にした。
ところ変わって薬師ギルドに訪れている。
セブールだから賑わっているかと思ったが、始まりの町よりも賑わっているけど、やっぱり閑散としている。
受付嬢がいるだけまだマシか。
「すみません。お金を預けに来たんですけど」
「ギルドカードの提示をお願いします」
私は、アイテムボックスからギルドカードを提示する。
「Cランクのヒロコ様ですね。今日はいくらお預けされますか?」
「金貨193枚・銀貨89310枚・銅貨29060枚・青銅貨1200枚です」
目を見開き絶句された。
大金な上に、銀貨・銅貨・青銅貨が異様に多いしね。
「……失礼しました。確認させて頂きます」
それぞれの巾着袋をテーブルに乗せていく。硬貨毎に巾着の柄も変えてある。
受付嬢二人がかりでコインを数えている。
数え終えるまでに、一時間は経過している。
その間、一々硬貨を手作業で数えるのは面倒臭いだろうと思い、お手製のコインカウンターを作ってみた。
木材加工・金属加工のスキルを取得して、時間潰しに作ってみると初めてにしては、良い出来だった。
「確かに確認出来ました。ギルドカードをお預かりします」
ゲッソリとした顔の受付嬢に、カードを渡す。
返却されたカードの預金残高は、金貨124枚
ギルドカードを確認すると、金貨317枚・銀貨89310枚・銅貨29060枚・青銅貨1205枚と表示されている。
思わず顔がにやけてしまう。
用事は済んだので帰ろうとしたタイミングで、容子から念話が入った。
<もう宿なんだけど、今どこよ?>
<薬師ギルドにいる。これから宿に戻る>
<りょ>
容子は、すでに宿に戻っているようだ。
私は、るんるん気分で薬師ギルドを後にした。
「宥子、夕食までに帰るから外でモンスター狩ってきても良い?」
「無能な馬鹿は死ね」
おっと、本音と建前が逆になってしまった。
「朝っぱらから暴言は酷い!」
「いきなりモンスター狩りに行きたいってバカな事を言い出したから、うっかり本音が漏れただけだよ。昇級したと言っても、見習いに毛が生えたようなものだと理解してくれ。本気で止めて!」
「宿の店とギルドの場所は把握したから大丈夫。魔石の補充もしたいし、街の外のマッピングもするよ」
「そういう問題じゃない。そういう手間は、お金で解決しろ。私は、お前を単独行動させることが反対なんだ」
大体、マッピングは地図をスクロールしてからじゃないと出来なかったはずだ。
アナログに戻る気か?
取り敢えず止める。
ただでさえ容子はトラブル体質だ。
これ以上、彼女のトラブルに巻き込まれたくないで御座る。
絶対ダメ! 許さない!! と両手で大きくバッテンを作った。
必死に止める私に対し、蛇二匹とサクラが容子の足元に集まっている。
フリーダム過ぎるだろう、うちの子達。
サクラも容子の足元でピョンピョン飛び跳ねていた。
君、一番弱いのよ?
プチッと踏みつぶされたらどするの。
私の心の声は、契約した三匹+一人には通じなかった。
「大丈夫だって。蛇達もいるし、サクラちゃんも行きたいって足元で跳ねてるよ。現実的な話をすると、宥子は過保護過ぎる。自称神様を相手にするんでしょう? 魔物使いなんだから、この子達の成長を促す為にも実践は必要だよ。レベルの高い所には近づかないから! お願い!!」
良いこと言うじゃないと感動したのは一瞬だけで、容子達は颯爽と逃げ出した。
「私の感動を返せ!」
捕まえようと伸ばした手は空振りし、ハハハハッと馬鹿な高笑いをしながら去った容子を捕まえることは出来なかった。
帰ったら全員〆る。
仕方がない。
予定変更だ。
冒険者ギルドでアイテムボックスに眠っているドロップ品を吐き出して換金して貰おう。
冒険者ギルドに顔を出すと、昨日ほど人は居なかった。
昼と呼ぶにはまだ早い時間帯だけど、11時を少し回ったところだ。
この時間帯に入り浸る冒険者は、任務明けの人が多いと予想を立ててみる。
あ、買取コーナーは空いている。
待たずに済みそうだ。
「すみません。買取お願いします」
「じゃあ、出してくれ」
「数が多いので、広い場所に行きたいんですけど」
と買い取りして欲しいものをリスト化した紙を見せたら、思いっきり二度見された。
「本当に、これだけ所有しているのか? 何も持ってないように見られるが……。アイテムバッグでも、ここまでの量が入る物があるとは聞いたことがないぞ」
「アイテムボックスに仕舞ってます」
蜂の羽を一枚取り出して見せると、おっさんは納得したのか解体用の倉庫に案内してくれた。
「よし、ここに全部出してくれ」
私は一部を残して、ドロップアイテムを全て出した。
蜂の羽×1068枚
蜂の子(死骸)×302匹
ロイヤルゼリー×102個
毒針×534個
黄色の魔石(小)×32個
青い魔石(小)×28個
赤い魔石(中)×3個
赤い魔石(大)×1個
女王蜂の心臓×1個
赤い魔石(大)
グレートウルフの毛皮×31個
ホーンラビットの毛皮×51個
ブルーオーガの眼×1個
ブルーオーガの睾丸×2個
ブルーオーガの皮×1個
スピアベアの皮×3個
ウルフの毛皮×21個
ワーウルフの毛皮×5個
キラービーの羽×31枚個
キングホーネットの腕×3本
キングホーネットの羽×2枚
毒針×1個
黄色の魔石(小)×22個
青い魔石(小)×13個
紫の魔石(中)×1個
緑の魔石(大)×1個
キングホーネットの心臓1個
その他諸々出し切って、私は一息付く。
素材が山盛りになってます。
アイテムボックスに入れると分類されるので、取り出す時に分けなくて済むのが良い。
「ブルーオーガはBランクのモンスター、キングホーネットはAランク。嬢ちゃんのランクで、倒せる相手じゃないぞ。臨時パーティでも組んだのか? いや、それならギルドカードにパーティ名が記録されるはずだ……」
ブツブツと呟くおっさんに、私はその場でしゃがみ込んで頭を抱えた。
高レベルモンスターだとは、知らなかったんだもん。
襲ってくる敵を撃退しないと、死ぬしかないんだよ?
死ぬ物狂いで戦うしかなかったのだ。
つか、愚昧!
貴様の武器は、Aランクモンスターをオーバーキルしてんじゃん!!
物騒な物を持ち込まないで欲しい。
私よりチートな武器で安全にモンスター狩りしていたのかと思うと泣ける。
私の初期装備は、原始的に出刃包丁と殺虫剤で戦ってたのに。
理不尽だ!!
「流石に一人では、倒せませんよ。私は、魔物使いですよ。テイムした子達の力を借りています」
息を吐くように、シレッと嘘をつく。
「余程、良いモンスターを使役しているんだな」
「はい。此処に来るまでに、色々あったんですよ。うっかりモンスターの縄張りに入ったというか……(向こうから来たんだけど)。出くわして逃げられなかったので、死に物狂いで殺しました。人間死ぬ気になれば何でも出来るんですよ……」
死んだ魚のような眼で、その時の情景を重い浮辺ながら教えてあげたら、ドン引きされた。
酷くね?
「お前さん、Cランクの昇級試験受けに来た問題児だろう? 推薦されたランク間違ってないか?」
「登録したてのヒヨッコですからね。最初から高ランクにするわけにはいかないでしょう。地道に頑張ります」
「その年で、それだけ堅実なら大丈夫だな。若いと、ランクが上がっただけで強くなったと勘違いする奴がいる。そういう奴は、身の丈に合わない任務を受けたり、ダンジョンに潜って手酷い目に遭うのさ。嬢ちゃんは大丈夫だと思うが、天狗にならないように気を付けな」
「気遣いありがとう御座います。因みに買取額は、どうなりますか」
こういう人が、現場で新人冒険者を育成してくれれば、冒険者の質は上がるだろうに。
よくダリエラの下で働いていられるな。
容子達が、戻ってくる前に買い取りを終わらせたいので話を挿げ替える。
「買い取りだったな。物が多すぎる。領収書に買い取った物と金額を記載するから、それを見て確認して貰っても良いか?」
「構いませんよ」
「じゃあ、仕分けするから十分ほど待っていてくれ」
立って待つのも嫌なので、私はアイテムボックスから椅子と本を取り出して作業が終わるのを待った。
待つこと十分、おっさんが声を掛けてきた。
「出来たぜ。これが、買い取りの領収書だ。買い取れない物はどうする?」
「買い取れないもの?」
「ゴブリンの腰布や棍棒等だ」
「じゃあ、返却でお願いします」
処分して貰う方法もあったが、処分費用を取られるのは御免だ。
「そうかい。キラービーの羽は金貨10枚・銀貨6枚・銅貨8枚。蜂の子は、金貨30枚・銀貨2枚。ロイヤルゼリーは金貨102枚。毒針は金貨21枚・銀貨3枚・銅貨6枚。黄色の魔石(小)は金貨33枚・銀貨8枚。青い魔石は金貨41枚。赤い魔石(中)は金貨15枚。赤い魔石(大)は金貨50枚。女王蜂の心臓は金貨13枚。グレートウルフの毛皮は金貨24枚・銀貨8枚。ホーンラビットの毛皮は金貨1枚・銀貨5枚・銅貨3枚。ブルーオーガの眼は金貨1枚。ブルーオーガの睾丸は金貨25枚。ブルーオーガの皮は金貨11枚。スピアベアの皮は金貨2枚銀貨3枚。ウルフの毛皮は金貨4枚・銀貨2枚。ワーウルフの毛皮は金貨3枚。…………キングホーネットの腕は金貨12枚。キングホーネットの羽は、金貨2枚。キングホーネットの心臓は金貨18枚。キングホーネットの毒針は金貨1枚。紫の魔石(中)は金貨50枚・緑の魔石(大)は金貨210枚。総額で金貨2686枚、銀貨9枚、銅貨7枚で手数料2割引くと金貨2351枚・銅貨9枚・青銅貨8枚になる。この金額で買い取り良いならサインを頼む」
凄い大金キタコレ!!
渡された羽ペンを使って、私に不利な条件が盛り込まれていないかなど確認してからサインした。
「全て預けます」
「分かった。ギルトカードを出してくれ」
ギルドカードを渡して、数分後にはギルドの預金額が凄いことになった。
金貨2352枚・銀貨11枚・銅貨25枚・青銅貨16枚が、冒険者ギルドに預けられている。
凄いね! 一気にお金持ちだよ。
所持金と三つのギルドに預けた預金だけで暮らせそうだ。
「ありがとう御座いました。当面、ここを拠点にするので宜しくお願いします」
と挨拶したら、
「今度はもっと大物を狩って来てくれよ。期待しているぜ」
と言われた。
いや、ボチボチ稼ぎたいだけなので、そんな死亡フラグは要りません。
適当に会釈して、冒険者ギルトを後にした。
ところ変わって薬師ギルドに訪れている。
セブールだから賑わっているかと思ったが、始まりの町よりも賑わっているけど、やっぱり閑散としている。
受付嬢がいるだけまだマシか。
「すみません。お金を預けに来たんですけど」
「ギルドカードの提示をお願いします」
私は、アイテムボックスからギルドカードを提示する。
「Cランクのヒロコ様ですね。今日はいくらお預けされますか?」
「金貨193枚・銀貨89310枚・銅貨29060枚・青銅貨1200枚です」
目を見開き絶句された。
大金な上に、銀貨・銅貨・青銅貨が異様に多いしね。
「……失礼しました。確認させて頂きます」
それぞれの巾着袋をテーブルに乗せていく。硬貨毎に巾着の柄も変えてある。
受付嬢二人がかりでコインを数えている。
数え終えるまでに、一時間は経過している。
その間、一々硬貨を手作業で数えるのは面倒臭いだろうと思い、お手製のコインカウンターを作ってみた。
木材加工・金属加工のスキルを取得して、時間潰しに作ってみると初めてにしては、良い出来だった。
「確かに確認出来ました。ギルドカードをお預かりします」
ゲッソリとした顔の受付嬢に、カードを渡す。
返却されたカードの預金残高は、金貨124枚
ギルドカードを確認すると、金貨317枚・銀貨89310枚・銅貨29060枚・青銅貨1205枚と表示されている。
思わず顔がにやけてしまう。
用事は済んだので帰ろうとしたタイミングで、容子から念話が入った。
<もう宿なんだけど、今どこよ?>
<薬師ギルドにいる。これから宿に戻る>
<りょ>
容子は、すでに宿に戻っているようだ。
私は、るんるん気分で薬師ギルドを後にした。
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