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第三百二十六話 カズキ、冒険者になる その4
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「あー、今日はコイツの冒険者登録に来たんだが」
そう言ったクリスに背中を押され、カズキは冒険者登録窓口と書かれている場所へおっかなびっくり歩いていく。
何故かは知らないが、ギルドにいる冒険者ほぼ全員に注目されている事がわかってしまったからだ。
「初めまして。こちらでは冒険者の登録を行っています。登録をご希望ですか?」
「はぃ・・・・・・じゃなかった、ああ」
落ち着いた雰囲気の女性に声を掛けられたカズキは、いつもの様に『はい』と言いかけたところでクリスに肩をつつかれ、慌てて言葉使いを矯正する。
「畏まりました。ではこちらの用紙に名前と年齢をお願いします。代筆は必要ですか?」
「ああ」
「いや、お前字は書けるだろ」
「・・・・・・ああ」
クリスのツッコミに頷いたカズキは、テンパりながらも何とか名前と年齢を書く事に成功。その後の注意事項(一般人に手を上げるな。冒険者同士の揉め事には冒険者ギルドは関知しない。正当な理由なく依頼を三回連続で失敗したら冒険者資格の剥奪など)を『・・・・・・ああ』で乗り切ると、最後に渡されたライセンスを碌に見ないで『次元ポスト』に収納し、そそくさとギルドを後にした。
ラノベを読んで楽しみにしていた初めての冒険者ギルドは、クリスの敬語禁止令によってつまらない場所という印象になってしまった為、自分が最年少でのSランク冒険者になったという事実をカズキが知ったのは、これより二年後の事である。
そう言ったクリスに背中を押され、カズキは冒険者登録窓口と書かれている場所へおっかなびっくり歩いていく。
何故かは知らないが、ギルドにいる冒険者ほぼ全員に注目されている事がわかってしまったからだ。
「初めまして。こちらでは冒険者の登録を行っています。登録をご希望ですか?」
「はぃ・・・・・・じゃなかった、ああ」
落ち着いた雰囲気の女性に声を掛けられたカズキは、いつもの様に『はい』と言いかけたところでクリスに肩をつつかれ、慌てて言葉使いを矯正する。
「畏まりました。ではこちらの用紙に名前と年齢をお願いします。代筆は必要ですか?」
「ああ」
「いや、お前字は書けるだろ」
「・・・・・・ああ」
クリスのツッコミに頷いたカズキは、テンパりながらも何とか名前と年齢を書く事に成功。その後の注意事項(一般人に手を上げるな。冒険者同士の揉め事には冒険者ギルドは関知しない。正当な理由なく依頼を三回連続で失敗したら冒険者資格の剥奪など)を『・・・・・・ああ』で乗り切ると、最後に渡されたライセンスを碌に見ないで『次元ポスト』に収納し、そそくさとギルドを後にした。
ラノベを読んで楽しみにしていた初めての冒険者ギルドは、クリスの敬語禁止令によってつまらない場所という印象になってしまった為、自分が最年少でのSランク冒険者になったという事実をカズキが知ったのは、これより二年後の事である。
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