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第九十七話 大賢者、土地を買う決意をする
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「【アクアカッター】!」
コエン・ザイムが放った魔法を、鶏っぽい魔物が軽やかに躱す。
「チッ、外したか」
コエンは、ラクトと同じ状況に陥っていた。そう、動きの素早いコカトリスに翻弄され、得意の魔法が全く当たらないという状況である。
「・・・・・・やはり、動体視力を鍛えないと無理か。ただ倒すだけならば、こんな苦労はしないで済むのだがな」
ラクトと違って、コエンは自分の失敗の原因を冷静に分析出来ていたが。
「騎士団の戦闘訓練にも参加したらどうですか? 今は、基礎体力の訓練だけでしたよね?」
鋭い嘴で突き刺そうと飛び掛かってきたコカトリスを、普段は余り使わない盾(オリハルコン製)で受け止め、ダメージでフラフラしている所に剣を一閃。同時に【ウィンドカッター】を使う事で、頭と尾をほぼ同時に落としたマイネが、胴体へと慎重に包丁を突き刺しながら提案した。
目ぼしい依頼が無くて暇な時、カズキ以外のパーティメンバーとカリムは、ランスリードの王城で、騎士団の訓練に参加している。午前中は全員で基礎体力。午後からは騎士たちに混じってひたすら模擬戦をするか、ソフィアに魔法を教わるかなのだが、コエンとラクトは常にソフィアを選んでいるため、戦闘訓練に参加した事がないのだ。
「それが一番よさそうだな。次の機会から、戦闘訓練にも参加する事にしよう」
マイネの提案に素直に頷いたコエンは、周囲に散らばっているコカトリスの胴体に包丁を突き刺す。
ラクト・エスト組と同じく、二十匹ほどいたお陰で、今まで冷凍できなかったのだ。
「最後の一匹は中々良かったのではないか? これなら、Aランクを狙えるかもしれんぞ?」
「だと良いのですが」
最後に倒したコカトリスへと触れながら、腕輪に付いたボタンを押すマイネ。
それだけで、倒したコカトリスの姿が消える。カズキが創り、メンバーに配った【次元倉庫】へと収納された証であった。
腕輪になっているのは、拳大だったミスリルの塊では使い難いと指摘されたカズキが、『次元ポスト』そっくりな形状へと変化させた結果である。
先程コエンが言ったAランクとは、魔物の強さの事ではなく、味の事だ。
それを判断するのは、フローネの相棒、クレアである。彼女は、凍り付いている状態でも、匂いを嗅いで味を判別するという特技を持っているのだ。
「まあ、駄目でも普通に美味い肉だからな。リハールは食料が足りていないというし、そっちに回せばいいだろう」
「そうですね。カズキさんは、Sランクの肉しか猫達に食べさせないでしょうし」
「だな」
別行動をとっているカズキが、大量に確保する事は確定している。その為、彼以外のメンバーにとっては、自分達の訓練という意味合いが強い。
それに納得出来るかどうかは、本人次第であるとしても。
「ミャー♪」
「お、ご機嫌だな、クレア」
「ニャーン」
「よしよし」
マイネとコエンの予想通り、カズキはSランクの鶏肉を量産しまくっていた。
彼と行動を共にしているのは、ナンシーとクレア、そしてフローネである。
所持している武器は鈍器であるメイスだし、神聖魔法による攻撃も、衝撃を与えるものしかない為、コカトリスを調達するのには向いていないからだ。
「美味しいお肉がたくさんありますから♪」
カズキが仕留めたコカトリス(仕舞い易いように、フローネの手の届く高さで浮いている)を、次々と【次元倉庫】に収納しながらフローネが答える。フローネもクレア同様、ご機嫌な声だった。
「確かになぁ。敢えてコカトリスが多いルートを選んでいるとはいえ、ちょっと歩いただけで百匹以上確保できてるし。こっちとしては助かるけど、本来ならこんなに群れてない・・・・・・んだよな?」
息をするようにコカトリスを倒しながら、首を傾げるカズキ。疑問形なのは、コカトリスの生態を良く知らないからだ。
「はい。コカトリスはその嘴に触れた物を石化してしまいます。例外は、彼等が唯一食べられる草――ヘンルーダと言いますが、それが生えている場所にしか棲息していません。当然、ヘンルーダの数にも限りがあるので、それを食べ尽くさないように、個体数は自然と落ち着きます。ですが・・・・・・」
そこまで言って、フローネが地面を見る。そこには――。
「ヘンルーダがどういう形をしているのかは知らないが、草一本生えてないよな」
カズキが言うように、何も生えてなかった。
「はい。ですから急激に増えた理由を突き止めないと、ヘンルーダを求めて大移動を始めるかもしれません。その途中に村があったら、大変な事になってしまいます」
大半の村には防壁や冒険者ギルドなどない。その為、魔物に襲われた時は、自衛が基本になる。
コボルドやゴブリン程度なら、村人総出でかかればどうにかなるが、コカトリスはDランク。冒険者ならば、パーティならD、一人で戦うならCランクの実力が必要になる。村人の手に負える魔物ではないのだ。
「だな。ここら辺のコカトリスは一掃した事だし、そろそろこの森の中心に移動しよう。外縁部にいるコカトリスは、粗方片付いたみたいだし」
他のメンバーが中心に向かって移動し始めた事を確認したカズキが、フローネを促す。
森の中心には、外縁とは比べ物にならない程、コカトリスが密集している。そこに、コカトリス異常発生の原因があると、カズキとソフィアは睨んでいた。
古代魔法を使える二人には、他者の魔力を感知する能力があるからだ。
「わかりました」
全ての鶏肉を収納し終えたフローネが、カズキの言葉に頷く。
コカトリス調達ミッションは、終盤を迎えようとしていた。
「あ、にーちゃん! 見て見て! でっかい卵がいっぱいあるんだ!」
カズキとフローネが森の中心部に到着すると、元気な声に出迎えられた。カズキの弟、カリムである。
「確かにデカいな。コカトリスが一匹、丸々入りそうな大きさだ」
長い所で一メートルはある楕円形の卵を見てから、カズキはその奥にいる巨大なコカトリス(頭は雌鶏)を見上げた。目算で、全長十メートルはある。その大きなコカトリスは、カズキ達に目もくれずに、延々と卵を量産していた。周囲には、産まれたばかりなのか、無数のコカトリスもいる。
「そして、それを産むのはもっと巨大なコカトリスか。これで異常発生の原因はわかった。意外と普通の理由だったな」
そう言って納得しようとしたカズキの言葉を、ラクトが慌てて否定した。
「いやいやいや! 普通、コカトリスはあんなに巨大化しないから!」
「そうなのか?」
カズキが他のメンバーの顔を見ると、誰もが頷いた。カリムでさえ、知っている様だった。
「それだけではない。コカトリスは例外なく頭が雄鶏だ。雌鶏がいるなんて、聞いた事もないぞ」
「ふーん。あ、卵が孵った」
話をしている間に、卵が内側から破られ、一匹のコカトリスが誕生する。ヒヨコの様に可愛いものではなく、既に成体だった。
「生まれた時から成体なのか。・・・・・・肉は柔らかいのかな?」
その言葉に反応したクレアが、カズキをじっと見つめる。その顔には、大きな文字で『食べたい!』と書かれていた。
「しょうがないなぁ~」
欠片もそう思っていない口調と表情で、生まれたばかりのコカトリスを魔法で引き寄せるカズキ。
「えっ!?」
ソフィアが驚きの声を上げた。いつの間にかカズキの手に収まっていたコカトリスは、既に調理済みの状態だったからだ。
どうやら、ソフィアでさえもに気付かぬ程のスピードと精度で、魔法を発動したらしい。悪魔の群れと対峙した時でさえ見せなかった本気を、カズキはクレアの為に使ったのだ。実に馬鹿である。
「どうだ、クレア? 美味しいか?」
「フニャーン♪」
当のカズキは、ショックを受けたソフィアに気付かず、クレアに催促されるがままに、甲斐甲斐しく給仕を行っていたが。
「柔らくてジューシー? 今まで食べた中で一番美味い? そうかそうか、クレアが気に入ってくれて良かったよ」
「ミャッ」
「え? みんなにも分けてやれって? クレアは優しいな~」
クレアの好意(?)により、お裾分けを貰った面々が感嘆の声を上げる中、カズキは決意した。
そう、この森を丸ごと買い取り、コカトリスの安定供給をする事を・・・・・・。
コエン・ザイムが放った魔法を、鶏っぽい魔物が軽やかに躱す。
「チッ、外したか」
コエンは、ラクトと同じ状況に陥っていた。そう、動きの素早いコカトリスに翻弄され、得意の魔法が全く当たらないという状況である。
「・・・・・・やはり、動体視力を鍛えないと無理か。ただ倒すだけならば、こんな苦労はしないで済むのだがな」
ラクトと違って、コエンは自分の失敗の原因を冷静に分析出来ていたが。
「騎士団の戦闘訓練にも参加したらどうですか? 今は、基礎体力の訓練だけでしたよね?」
鋭い嘴で突き刺そうと飛び掛かってきたコカトリスを、普段は余り使わない盾(オリハルコン製)で受け止め、ダメージでフラフラしている所に剣を一閃。同時に【ウィンドカッター】を使う事で、頭と尾をほぼ同時に落としたマイネが、胴体へと慎重に包丁を突き刺しながら提案した。
目ぼしい依頼が無くて暇な時、カズキ以外のパーティメンバーとカリムは、ランスリードの王城で、騎士団の訓練に参加している。午前中は全員で基礎体力。午後からは騎士たちに混じってひたすら模擬戦をするか、ソフィアに魔法を教わるかなのだが、コエンとラクトは常にソフィアを選んでいるため、戦闘訓練に参加した事がないのだ。
「それが一番よさそうだな。次の機会から、戦闘訓練にも参加する事にしよう」
マイネの提案に素直に頷いたコエンは、周囲に散らばっているコカトリスの胴体に包丁を突き刺す。
ラクト・エスト組と同じく、二十匹ほどいたお陰で、今まで冷凍できなかったのだ。
「最後の一匹は中々良かったのではないか? これなら、Aランクを狙えるかもしれんぞ?」
「だと良いのですが」
最後に倒したコカトリスへと触れながら、腕輪に付いたボタンを押すマイネ。
それだけで、倒したコカトリスの姿が消える。カズキが創り、メンバーに配った【次元倉庫】へと収納された証であった。
腕輪になっているのは、拳大だったミスリルの塊では使い難いと指摘されたカズキが、『次元ポスト』そっくりな形状へと変化させた結果である。
先程コエンが言ったAランクとは、魔物の強さの事ではなく、味の事だ。
それを判断するのは、フローネの相棒、クレアである。彼女は、凍り付いている状態でも、匂いを嗅いで味を判別するという特技を持っているのだ。
「まあ、駄目でも普通に美味い肉だからな。リハールは食料が足りていないというし、そっちに回せばいいだろう」
「そうですね。カズキさんは、Sランクの肉しか猫達に食べさせないでしょうし」
「だな」
別行動をとっているカズキが、大量に確保する事は確定している。その為、彼以外のメンバーにとっては、自分達の訓練という意味合いが強い。
それに納得出来るかどうかは、本人次第であるとしても。
「ミャー♪」
「お、ご機嫌だな、クレア」
「ニャーン」
「よしよし」
マイネとコエンの予想通り、カズキはSランクの鶏肉を量産しまくっていた。
彼と行動を共にしているのは、ナンシーとクレア、そしてフローネである。
所持している武器は鈍器であるメイスだし、神聖魔法による攻撃も、衝撃を与えるものしかない為、コカトリスを調達するのには向いていないからだ。
「美味しいお肉がたくさんありますから♪」
カズキが仕留めたコカトリス(仕舞い易いように、フローネの手の届く高さで浮いている)を、次々と【次元倉庫】に収納しながらフローネが答える。フローネもクレア同様、ご機嫌な声だった。
「確かになぁ。敢えてコカトリスが多いルートを選んでいるとはいえ、ちょっと歩いただけで百匹以上確保できてるし。こっちとしては助かるけど、本来ならこんなに群れてない・・・・・・んだよな?」
息をするようにコカトリスを倒しながら、首を傾げるカズキ。疑問形なのは、コカトリスの生態を良く知らないからだ。
「はい。コカトリスはその嘴に触れた物を石化してしまいます。例外は、彼等が唯一食べられる草――ヘンルーダと言いますが、それが生えている場所にしか棲息していません。当然、ヘンルーダの数にも限りがあるので、それを食べ尽くさないように、個体数は自然と落ち着きます。ですが・・・・・・」
そこまで言って、フローネが地面を見る。そこには――。
「ヘンルーダがどういう形をしているのかは知らないが、草一本生えてないよな」
カズキが言うように、何も生えてなかった。
「はい。ですから急激に増えた理由を突き止めないと、ヘンルーダを求めて大移動を始めるかもしれません。その途中に村があったら、大変な事になってしまいます」
大半の村には防壁や冒険者ギルドなどない。その為、魔物に襲われた時は、自衛が基本になる。
コボルドやゴブリン程度なら、村人総出でかかればどうにかなるが、コカトリスはDランク。冒険者ならば、パーティならD、一人で戦うならCランクの実力が必要になる。村人の手に負える魔物ではないのだ。
「だな。ここら辺のコカトリスは一掃した事だし、そろそろこの森の中心に移動しよう。外縁部にいるコカトリスは、粗方片付いたみたいだし」
他のメンバーが中心に向かって移動し始めた事を確認したカズキが、フローネを促す。
森の中心には、外縁とは比べ物にならない程、コカトリスが密集している。そこに、コカトリス異常発生の原因があると、カズキとソフィアは睨んでいた。
古代魔法を使える二人には、他者の魔力を感知する能力があるからだ。
「わかりました」
全ての鶏肉を収納し終えたフローネが、カズキの言葉に頷く。
コカトリス調達ミッションは、終盤を迎えようとしていた。
「あ、にーちゃん! 見て見て! でっかい卵がいっぱいあるんだ!」
カズキとフローネが森の中心部に到着すると、元気な声に出迎えられた。カズキの弟、カリムである。
「確かにデカいな。コカトリスが一匹、丸々入りそうな大きさだ」
長い所で一メートルはある楕円形の卵を見てから、カズキはその奥にいる巨大なコカトリス(頭は雌鶏)を見上げた。目算で、全長十メートルはある。その大きなコカトリスは、カズキ達に目もくれずに、延々と卵を量産していた。周囲には、産まれたばかりなのか、無数のコカトリスもいる。
「そして、それを産むのはもっと巨大なコカトリスか。これで異常発生の原因はわかった。意外と普通の理由だったな」
そう言って納得しようとしたカズキの言葉を、ラクトが慌てて否定した。
「いやいやいや! 普通、コカトリスはあんなに巨大化しないから!」
「そうなのか?」
カズキが他のメンバーの顔を見ると、誰もが頷いた。カリムでさえ、知っている様だった。
「それだけではない。コカトリスは例外なく頭が雄鶏だ。雌鶏がいるなんて、聞いた事もないぞ」
「ふーん。あ、卵が孵った」
話をしている間に、卵が内側から破られ、一匹のコカトリスが誕生する。ヒヨコの様に可愛いものではなく、既に成体だった。
「生まれた時から成体なのか。・・・・・・肉は柔らかいのかな?」
その言葉に反応したクレアが、カズキをじっと見つめる。その顔には、大きな文字で『食べたい!』と書かれていた。
「しょうがないなぁ~」
欠片もそう思っていない口調と表情で、生まれたばかりのコカトリスを魔法で引き寄せるカズキ。
「えっ!?」
ソフィアが驚きの声を上げた。いつの間にかカズキの手に収まっていたコカトリスは、既に調理済みの状態だったからだ。
どうやら、ソフィアでさえもに気付かぬ程のスピードと精度で、魔法を発動したらしい。悪魔の群れと対峙した時でさえ見せなかった本気を、カズキはクレアの為に使ったのだ。実に馬鹿である。
「どうだ、クレア? 美味しいか?」
「フニャーン♪」
当のカズキは、ショックを受けたソフィアに気付かず、クレアに催促されるがままに、甲斐甲斐しく給仕を行っていたが。
「柔らくてジューシー? 今まで食べた中で一番美味い? そうかそうか、クレアが気に入ってくれて良かったよ」
「ミャッ」
「え? みんなにも分けてやれって? クレアは優しいな~」
クレアの好意(?)により、お裾分けを貰った面々が感嘆の声を上げる中、カズキは決意した。
そう、この森を丸ごと買い取り、コカトリスの安定供給をする事を・・・・・・。
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