41 / 343
第四十一話 カズキの勇者退治
しおりを挟む
食後は、離れていた間の事をお互い話しながら、全員で街道を歩いた。
「へえ、実戦で【ブリューナク】を使ったのか」
「うん。退路を塞がれてたから仕方なくね」
今は、ジャイアント・アントの襲撃に遭った時の話になっている。
「凄い威力でしたよ? 視界一杯全てがジャイアント・アントに埋め尽くされていたのに、【ブリューナク】の一撃で全滅しましたからね。あんな威力のある魔法は、お兄様かカズキさん位にしか使えないと思っていましたもの」
「その代わり、一撃でフラフラになったんだけどね。でも、その後は襲ってこなかったから、結果的には良かったのかな?」
「はい。お陰で、グリフォンの巣に辿り着くまでは、戦闘が一度もありませんでした」
目を輝かせて話に聞き入っていたカリムが、手を挙げて質問の意思を示す。
「なあなあ、じゃいあんと・あんと? って強いのか?」
「そうですね、一匹だけなら然程強くありません。ゴブリンよりは弱いでしょう。ですが、ジャイアント・アントは群れで行動します。最低でも百匹以上の群れを作り、一斉に襲い掛かって来るのです」
答えたのはマイネだった。
「最低で百匹!? そんなのと戦って、三人で勝っちゃうのか。流石、にーちゃんとパーティを組んでる人達は違うなぁ。恰好いいなぁ」
子供ならではの純粋な賞賛の声に、悪い気はしない三人である。
「それで、その後はぐりふぉん? と戦ったんだよな? やっぱり強いんだろ?」
「はい。ヒッポグリフはさっき見ましたよね? グリフォンは、下半身が馬ではなく、ライオンなのです。討伐するには、Bランク以上実力を持つ冒険者が必要と言われているのですが・・・」
フローネはそこまで言って、カズキを見た。
「カズキさんに教わった方法で、わりと簡単に倒す事が出来ました。ジャイアント・アントの方が厄介だったかもしれませんね」
「そういえば、どうやって倒したのかは聞いてなかったな」
「それはですね・・・」
マイネは、カズキに伝授された合体魔法を使って、グリフォンを倒した事を説明する。
「アレか。よくグリフォン相手に決められたな。空を飛ぶ相手には厳しいと思っていたが」
「そこはラクトさんの機転のお陰ですね。【フラッシュ】でグリフォンが混乱しましたから」
「成程なぁ。考えたもんだ。やっぱりラクトには指揮官の才能があるんだろうな」
「そう思います。次元屋の跡取りでなかったら、公爵家にスカウトしたい位ですよ」
「宮廷魔術師もありですね。アレクサンダーの後継者候補として如何でしょう?」
「・・・光栄です」
二人が本気で言っているのかどうか判断が付かなかったラクトは、それだけを答えた。
一瞬『それもいいかな』と思ってしまったのは内緒である。
「モテモテだな、ラクト」
カズキにはバレていたのか、そんな事を言われてしまったが。
「なあなあ、にーちゃん。アレってなんだ?」
ラクトの将来に興味を持たないカリムは、カズキの袖を引いて疑問を口にする。
「三人で連携して使う魔法の事だ。ラクト達が使ったのは・・・」
そう言って説明するカズキであったが、不意に言葉を止めて前方を注視した。
「どうしたの? にーちゃん」
「賊が現れたようだ。商隊の馬車が襲われているな」
カズキの言葉にラクトが反応した。
「助けないと!」
そう言って駆けだすラクトの後を、全員が追いかける。
現場に着くと、商隊と賊の戦いは、商隊が有利に進めていた。
「急ぐ必要はなかったみたいですね」
マイネが商隊のロゴを見て呟く。
「はい。どうやら次元屋さんの商隊だったようですね」
次元屋はラクトの実家の商店である。
行商に出る従業員は皆、冒険者の資格を持っている事でも有名で、中には学院の卒業生も含まれていた。
普通の野盗なら簡単に撃退する戦力を誇っているので、彼らを襲うのは次元屋を知らない賊か、勇者が率いる賊だけであった。
その為、加勢に入ったラクトを含む次元屋のメンバーは、不覚を取らないように慎重に戦っていた。
「そうでもないぞ? どうやら勇者が二匹いるみたいだ」
賊の後方で偉そうに指示をしている人間を見て、カズキがそう言った。
途端、商隊のメンバーに緊張が走る。
「チッ、やっぱりか! 総員! 荷物を捨てて退却するぞ!」
リーダーの決断は早かった。
勇者と遭遇した時のマニュアルに従って、即座に退却の指示を飛ばす。
魔法使いたちが指示に従って、牽制用の魔法を詠唱し始めた。
他のメンバーは馬車から馬を切り離し、荷物を置いて逃げる為に馬に跨る。
勇者の目的は馬車の積み荷なので、荷物を置いていけば、追いかけてまで襲ってこないからだ。
「坊ちゃんも早く!」
魔法で賊を蹂躙しているラクトの成長には驚いたが、勇者に勝てる程ではない。
その為、引き際を間違えないようにとラクトにも声を掛けた。
素直に下がるラクトに安堵の息を吐くが、そんなリーダーの目に信じられない光景が映る。
肩に二匹の猫を乗せた学院生と思しき少年だけは、全く動いていなかったのだ。
「坊ちゃん! 彼を下がらせないと!」
見殺しにする訳にもいかないので、リーダーはラクトに少年を下がらせるように促した。
「大丈夫よ」
そう答えたのは、ラクトと行動を共にしていた金髪の女性司祭である。
彼女は、リーダーの心配を他所に、少年と会話を始めた。
距離があるのに会話が通じているのは、魔法を使っているのだろうか。
「こんな所に勇者がいるなんてね」
「全くだ。潰しても潰しても何処からか湧いてきやがる」
「目障りだから、さっさと潰しちゃって。高温で燃やし尽くせば弱体化するんでしょ?」
「うん。じゃあ、面倒だけどやるか。【レーヴァテイン】」
少年が一言そう唱えると、並んで立っていた内の、右側にいた勇者があっという間に燃え上がった。
唖然として見ている一行の前で、黒い棺が空を飛んで行く。勇者が倒された証拠だ。
わざわざ現代魔法を使ったのは、パーティメンバーやカリムの為であろうか。
「嘘だろ・・・?」
商隊の魔法使いが呆然と呟いた。
圧倒的な戦闘力を誇る勇者が、何も出来ない内に一人倒されたのだ。
それも、発表されたばかりの新しい魔法で。
「二匹とも狙ったのに、一匹には躱されたか。随分と勘が良いんだな?」
「貴様・・・」
残った勇者も無事ではなかった。人ひとり燃やし尽くす程の高温に晒され、あちこち火傷をしている。
だが、立ち止まったままだと魔法の餌食になる為、痛みを堪えてカズキの周りを移動していた。
そして、不意にその姿が消える。
次に姿を現した時は、カズキの背後から剣を振り下ろしていた。
「「「危ない!」」」
商隊の人間から悲鳴が上がる。
いくら少年が凄腕の魔法使いでも、接近戦では勇者には敵わないからだ。
だが、予想は大きく裏切られる。
いつの間にか抜いていた剣で、あっさりと勇者の斬撃を受け止めていたからだ。
「「「「なっ!」」」」
勇者と商隊の面子から驚きの声が上がった。
それも無理はない。勇者とまともに戦えるのは、『剣帝』と呼ばれるクリストファー位だと思われているからだ。
「・・・お前、今ナンシーを狙ったな?」
突然、妙な事を言い出した少年の強烈な殺気に中てられ、勇者は飛び退った。
彼にとっての不幸は、振り下ろした剣の軌道上に偶々ナンシーがいた(周囲の空気を読むこともなく、大あくびをしていた)事であったが、カズキには関係ない。
「・・・死ね」
そう言って勇者にも反応出来ない速度で動いたカズキは、縦横無尽に剣を振るい、勇者をバラバラに切り刻む。
止めに、今度は古代魔法の【レーヴァテイン】を使い、勇者を消滅させた。そして、再び飛んで行く棺。
残っていた賊は、カズキへの恐怖から投降し、短くも激しい(一方的な)戦闘は終わりを告げた。
次元屋の従業員に、畏怖を植え付けた事に気付かぬまま・・・。
「へえ、実戦で【ブリューナク】を使ったのか」
「うん。退路を塞がれてたから仕方なくね」
今は、ジャイアント・アントの襲撃に遭った時の話になっている。
「凄い威力でしたよ? 視界一杯全てがジャイアント・アントに埋め尽くされていたのに、【ブリューナク】の一撃で全滅しましたからね。あんな威力のある魔法は、お兄様かカズキさん位にしか使えないと思っていましたもの」
「その代わり、一撃でフラフラになったんだけどね。でも、その後は襲ってこなかったから、結果的には良かったのかな?」
「はい。お陰で、グリフォンの巣に辿り着くまでは、戦闘が一度もありませんでした」
目を輝かせて話に聞き入っていたカリムが、手を挙げて質問の意思を示す。
「なあなあ、じゃいあんと・あんと? って強いのか?」
「そうですね、一匹だけなら然程強くありません。ゴブリンよりは弱いでしょう。ですが、ジャイアント・アントは群れで行動します。最低でも百匹以上の群れを作り、一斉に襲い掛かって来るのです」
答えたのはマイネだった。
「最低で百匹!? そんなのと戦って、三人で勝っちゃうのか。流石、にーちゃんとパーティを組んでる人達は違うなぁ。恰好いいなぁ」
子供ならではの純粋な賞賛の声に、悪い気はしない三人である。
「それで、その後はぐりふぉん? と戦ったんだよな? やっぱり強いんだろ?」
「はい。ヒッポグリフはさっき見ましたよね? グリフォンは、下半身が馬ではなく、ライオンなのです。討伐するには、Bランク以上実力を持つ冒険者が必要と言われているのですが・・・」
フローネはそこまで言って、カズキを見た。
「カズキさんに教わった方法で、わりと簡単に倒す事が出来ました。ジャイアント・アントの方が厄介だったかもしれませんね」
「そういえば、どうやって倒したのかは聞いてなかったな」
「それはですね・・・」
マイネは、カズキに伝授された合体魔法を使って、グリフォンを倒した事を説明する。
「アレか。よくグリフォン相手に決められたな。空を飛ぶ相手には厳しいと思っていたが」
「そこはラクトさんの機転のお陰ですね。【フラッシュ】でグリフォンが混乱しましたから」
「成程なぁ。考えたもんだ。やっぱりラクトには指揮官の才能があるんだろうな」
「そう思います。次元屋の跡取りでなかったら、公爵家にスカウトしたい位ですよ」
「宮廷魔術師もありですね。アレクサンダーの後継者候補として如何でしょう?」
「・・・光栄です」
二人が本気で言っているのかどうか判断が付かなかったラクトは、それだけを答えた。
一瞬『それもいいかな』と思ってしまったのは内緒である。
「モテモテだな、ラクト」
カズキにはバレていたのか、そんな事を言われてしまったが。
「なあなあ、にーちゃん。アレってなんだ?」
ラクトの将来に興味を持たないカリムは、カズキの袖を引いて疑問を口にする。
「三人で連携して使う魔法の事だ。ラクト達が使ったのは・・・」
そう言って説明するカズキであったが、不意に言葉を止めて前方を注視した。
「どうしたの? にーちゃん」
「賊が現れたようだ。商隊の馬車が襲われているな」
カズキの言葉にラクトが反応した。
「助けないと!」
そう言って駆けだすラクトの後を、全員が追いかける。
現場に着くと、商隊と賊の戦いは、商隊が有利に進めていた。
「急ぐ必要はなかったみたいですね」
マイネが商隊のロゴを見て呟く。
「はい。どうやら次元屋さんの商隊だったようですね」
次元屋はラクトの実家の商店である。
行商に出る従業員は皆、冒険者の資格を持っている事でも有名で、中には学院の卒業生も含まれていた。
普通の野盗なら簡単に撃退する戦力を誇っているので、彼らを襲うのは次元屋を知らない賊か、勇者が率いる賊だけであった。
その為、加勢に入ったラクトを含む次元屋のメンバーは、不覚を取らないように慎重に戦っていた。
「そうでもないぞ? どうやら勇者が二匹いるみたいだ」
賊の後方で偉そうに指示をしている人間を見て、カズキがそう言った。
途端、商隊のメンバーに緊張が走る。
「チッ、やっぱりか! 総員! 荷物を捨てて退却するぞ!」
リーダーの決断は早かった。
勇者と遭遇した時のマニュアルに従って、即座に退却の指示を飛ばす。
魔法使いたちが指示に従って、牽制用の魔法を詠唱し始めた。
他のメンバーは馬車から馬を切り離し、荷物を置いて逃げる為に馬に跨る。
勇者の目的は馬車の積み荷なので、荷物を置いていけば、追いかけてまで襲ってこないからだ。
「坊ちゃんも早く!」
魔法で賊を蹂躙しているラクトの成長には驚いたが、勇者に勝てる程ではない。
その為、引き際を間違えないようにとラクトにも声を掛けた。
素直に下がるラクトに安堵の息を吐くが、そんなリーダーの目に信じられない光景が映る。
肩に二匹の猫を乗せた学院生と思しき少年だけは、全く動いていなかったのだ。
「坊ちゃん! 彼を下がらせないと!」
見殺しにする訳にもいかないので、リーダーはラクトに少年を下がらせるように促した。
「大丈夫よ」
そう答えたのは、ラクトと行動を共にしていた金髪の女性司祭である。
彼女は、リーダーの心配を他所に、少年と会話を始めた。
距離があるのに会話が通じているのは、魔法を使っているのだろうか。
「こんな所に勇者がいるなんてね」
「全くだ。潰しても潰しても何処からか湧いてきやがる」
「目障りだから、さっさと潰しちゃって。高温で燃やし尽くせば弱体化するんでしょ?」
「うん。じゃあ、面倒だけどやるか。【レーヴァテイン】」
少年が一言そう唱えると、並んで立っていた内の、右側にいた勇者があっという間に燃え上がった。
唖然として見ている一行の前で、黒い棺が空を飛んで行く。勇者が倒された証拠だ。
わざわざ現代魔法を使ったのは、パーティメンバーやカリムの為であろうか。
「嘘だろ・・・?」
商隊の魔法使いが呆然と呟いた。
圧倒的な戦闘力を誇る勇者が、何も出来ない内に一人倒されたのだ。
それも、発表されたばかりの新しい魔法で。
「二匹とも狙ったのに、一匹には躱されたか。随分と勘が良いんだな?」
「貴様・・・」
残った勇者も無事ではなかった。人ひとり燃やし尽くす程の高温に晒され、あちこち火傷をしている。
だが、立ち止まったままだと魔法の餌食になる為、痛みを堪えてカズキの周りを移動していた。
そして、不意にその姿が消える。
次に姿を現した時は、カズキの背後から剣を振り下ろしていた。
「「「危ない!」」」
商隊の人間から悲鳴が上がる。
いくら少年が凄腕の魔法使いでも、接近戦では勇者には敵わないからだ。
だが、予想は大きく裏切られる。
いつの間にか抜いていた剣で、あっさりと勇者の斬撃を受け止めていたからだ。
「「「「なっ!」」」」
勇者と商隊の面子から驚きの声が上がった。
それも無理はない。勇者とまともに戦えるのは、『剣帝』と呼ばれるクリストファー位だと思われているからだ。
「・・・お前、今ナンシーを狙ったな?」
突然、妙な事を言い出した少年の強烈な殺気に中てられ、勇者は飛び退った。
彼にとっての不幸は、振り下ろした剣の軌道上に偶々ナンシーがいた(周囲の空気を読むこともなく、大あくびをしていた)事であったが、カズキには関係ない。
「・・・死ね」
そう言って勇者にも反応出来ない速度で動いたカズキは、縦横無尽に剣を振るい、勇者をバラバラに切り刻む。
止めに、今度は古代魔法の【レーヴァテイン】を使い、勇者を消滅させた。そして、再び飛んで行く棺。
残っていた賊は、カズキへの恐怖から投降し、短くも激しい(一方的な)戦闘は終わりを告げた。
次元屋の従業員に、畏怖を植え付けた事に気付かぬまま・・・。
10
お気に入りに追加
334
あなたにおすすめの小説
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
全てを奪われ追放されたけど、実は地獄のようだった家から逃げられてほっとしている。もう絶対に戻らないからよろしく!
蒼衣翼
ファンタジー
俺は誰もが羨む地位を持ち、美男美女揃いの家族に囲まれて生活をしている。
家や家族目当てに近づく奴や、妬んで陰口を叩く奴は数しれず、友人という名のハイエナ共に付きまとわれる生活だ。
何よりも、外からは最高に見える家庭環境も、俺からすれば地獄のようなもの。
やるべきこと、やってはならないことを細かく決められ、家族のなかで一人平凡顔の俺は、みんなから疎ましがられていた。
そんなある日、家にやって来た一人の少年が、鮮やかな手並みで俺の地位を奪い、とうとう俺を家から放逐させてしまう。
やった! 準備をしつつも諦めていた自由な人生が始まる!
俺はもう戻らないから、後は頼んだぞ!
異世界を満喫します~愛し子は最強の幼女
かなかな
ファンタジー
異世界に突然やって来たんだけど…私これからどうなるの〜〜!?
もふもふに妖精に…神まで!?
しかも、愛し子‼︎
これは異世界に突然やってきた幼女の話
ゆっくりやってきますー
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる