英雄に食べられました

まちゃまま

文字の大きさ
上 下
20 / 27

エピローグ

しおりを挟む
まさか、匂いでバレバレとは思わなかったよね!
何だよ獣人のマーキングって…!

特殊隊は半数以上が辺境の山岳の民で、そのほとんどは獣人だった。彼らは、基本的には私たち人間と変わらない習性だけど。匂いに敏感で、匂いだけでも相手の情報をある程度把握できるとか、性的な接触も感知できるとか…!それを逆手にとって、オレのモノに手を出すなって牽制に使うとか…!
知りませんよっ!そんなの!
どおりであの日、生暖かい視線を感じたはずだよ!

というか。思い出で終わらせるつもりだったのに。
任務の後はあれ程娼館に通っていたくせにすっぱりやめて。たくさん口説かれて。あの時抱き潰されたのがウソみたいに、私が許さない限り一線を越えることなく、そのかわりというようにぎゅうぎゅうに抱き締められて。

このままの関係でも、良かったんだけどね。
はっきり言って、一晩中女として抱かれたことで余計に抱かれることに対する恐怖のようなものがあってね。
ただ、隊長が。
私にはナンかオトコクサイな、位にしかかんじないんだけど。周りには恐怖を振り撒く大魔王(笑)のように感じるらしく。任務の後がより顕著なようで。

周りから拝み倒されて、結局もう一度関係を持ちました。
まあ、ね。隊長があまりにもツラそうで。
実際、「理性なくして襲われんのと、受け入れて大人しく抱かれるの、どちらを選ぶ?」なんて、マジなトーンで凄まれては。受け入れざるをえませんでした。
やっぱり抱き潰されて。まさか、あれ以上があったとは。
「小出しにしねえとヤバイからな?」
ハイ。身をもって覚えました。

それでも。悩んでたら。

なんと、妊娠が発覚しました。
しかも、最初の時にデキてたらしく。
この前抱かれなければお腹の赤ちゃんの魔力不足で母子共に生命の危険があったらしい。 
妊娠中は赤ちゃんの魔力供給に抱き合うことを推奨って…マジですか。

そんな訳で。
この度、結婚しました。

英雄に食べられましたが、私は幸せです。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

死線を潜り抜けた悪役令嬢

お好み焼き
ファンタジー
犠牲や身代わりを得て破滅フラグを回避していた転生悪役令嬢。全体的に暗いお話ですが、婚約者には愛されております。

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

婚約破棄された令嬢の恋人

菜花
ファンタジー
裏切られても一途に王子を愛していたイリーナ。その気持ちに妖精達がこたえて奇跡を起こす。カクヨムでも投稿しています。

【完結】それはダメなやつと笑われましたが、どうやら最高級だったみたいです。

まりぃべる
ファンタジー
「あなたの石、屑石じゃないの!?魔力、入ってらっしゃるの?」 ええよく言われますわ…。 でもこんな見た目でも、よく働いてくれるのですわよ。 この国では、13歳になると学校へ入学する。 そして1年生は聖なる山へ登り、石場で自分にだけ煌めいたように見える石を一つ選ぶ。その石に魔力を使ってもらって生活に役立てるのだ。 ☆この国での世界観です。

全部忘れて、元の世界に戻って

菜花
ファンタジー
多くの人間を不幸にしてきた怪物は、今まさに一人の少女をも不幸にしようとしていた。前作異世界から帰れないの続編になります。カクヨムにも同じ話があります。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

処理中です...