英雄に食べられました

まちゃまま

文字の大きさ
上 下
7 / 27

諸悪の根源は

しおりを挟む
「なんだあ?部屋んなか寒いぞ?

あっ。」

「ふふふ…お帰りなさいませ?
今までどちらに?」

「あ、あー・・・」

隊長は目をキョロキョロさせて、味方を探しているようですが。誰も目を合わせません。同じ穴の狢、ですからね。

「こちらの書類。昨日までに提出しないと予算が下りない、と何度か上申いたしましたよね?
何故、ここにあるんです?

事務方から催促する連絡はなかったのですか?

・・・まさか、とは思いますが。
連絡がつかない場所にいらした、なんてことはないでしょうね?」

「いや、まあ、その・・・な?
あんな任務の後だろ?
お前も男なら溜まる辛さも・・・

(ヒッ)いや、何でもないです。」

私は微笑んだだけですのに、失礼な。

周りが(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル)なんて、ミエマセンが、何か?
「私は、仕事をこなしてからヌイてますから、ご心配なく。あなたは?まさか、義務を残してアソビになんてイキませんよね?
大人として、当然でしょう?」

「うっ・・・」

まったく。仕方ありません。遅れてしまいましたが、頭を下げて受理していただかなくては。今回は特に消耗品を使いましたからね。補充しないと。
おやつだって過酷な任務をこなす我が隊の大事な癒しです。皆さんも楽しみになさっているようですしね。事務方にも、休憩のおともは必要です。作業効率が違います。普段から迷惑をかけているのですから、労って差し上げなくては。

…まあ、すでに手は打ってあるのですが。
大いに反省していただかなくては、ね?
たまにはご自分で動いてもらいましょう。

…けっして、嫉妬などではありませんよ?
元男ですから分かります。女体の柔らかさを求めるのも無理はありません。
先の任務は胸くそ悪いもので、それなりの被害もあって。単純に、戦いに血が滾ってどうしようもないのかもしれません。それらを発散するのも必要なことでしょう。以降の任務に差し支えますから。

ただ、仕事を投げ出すのは言語道断!反省あるのみ、です。後ろめたそうな情けない表情に、ちょっといい気味、なんて、少ししか思ってません。

「はあ。
悪いと思うならすぐにご確認を。
よろしければサインして、ご自分でお持ちください。
ああ、こちらの手土産もご一緒に。

くれぐれも、よろしくお願いしますね?」

にこやかに(ただし目が笑ってない)お見送りしてやりました。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

死線を潜り抜けた悪役令嬢

お好み焼き
ファンタジー
犠牲や身代わりを得て破滅フラグを回避していた転生悪役令嬢。全体的に暗いお話ですが、婚約者には愛されております。

【完結】独り飲み中の聖女サマ、異世界に召喚される〜だが断る

るんた
ファンタジー
とある世界の魔導大国  王都の中央に聳え立つ『祈りの塔』。一際高い塔の先端には小さな蒼い魔水晶が填められている。  薄暗い塔の内部には12名の上級魔導士が魔方陣を囲んで立ち並び、少し離れた壇上にはこの国の王族と要職に就く貴族が座しており、静かにその時を待っている。  これから『召喚の儀』が始まる。  楽しく?独り飲み中に聖女として異世界召喚された主人公が、結局何だか楽しくなっちゃうお話です。さくっと終わります。 ゆるゆる設定何卒ご容赦ください。

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

婚約破棄された令嬢の恋人

菜花
ファンタジー
裏切られても一途に王子を愛していたイリーナ。その気持ちに妖精達がこたえて奇跡を起こす。カクヨムでも投稿しています。

全部忘れて、元の世界に戻って

菜花
ファンタジー
多くの人間を不幸にしてきた怪物は、今まさに一人の少女をも不幸にしようとしていた。前作異世界から帰れないの続編になります。カクヨムにも同じ話があります。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

処理中です...