英雄に食べられました

まちゃまま

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プロローグ

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救国の英雄は、およそ5年ぶりに姿を見せていた。彼は参加者たちの英雄を一目見たい、あわよくば近づきたいという思惑に辟易し、客室に避難していた。
明かりもつけず、ベッドに横になっていたとき、部屋に侵入したものがいた。

「何者だ」
豪奢なドレス姿の若い女性だった。
-美人局か?

「かくまってください」 

女性がベッドに隠れてすぐ、バタバタと足音が聞こえ、ドアを乱暴に開けて男性が入ってきた。
「逃げても無駄ですよ…あれ?」
「何の用だ」
「すみません、英雄殿でしたか。
いえ、婚約者を追いかけてきたのですが…」
「知らんな。」
「そちらの方は…?」
「お前に関係あるか?今からいいところなんだが?」
「っ。失礼しました」

「行ったようだぞ」
「ありがとうございます」
「婚約者と言っていたが…?」
「まさか。彼には言い寄られて迷惑していたのです。無理に触れようとなさるので逃げていたのですわ」
「なるほど?なら、今は独り身というわけだな。」

「ベッドの上で無防備過ぎるんじゃないのか?」
「な、に…っ」
英雄にキスされ押し倒された女性は、抵抗しようとしたときにふと、嗅ぎなれた匂いを感じた。
-隊長・・・? 
驚きに力が抜けてしまい。気付いた時にはドレスを脱がされ生まれたままの姿をさらしていた。

「 いきなり過ぎでしょう…!」
「先ほど薬を盛られたようでな。おさまりがつかん。逃げなかったのはお前だ。あきらめろ。」

そうして、美味しくいただかれてしまいました。


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