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第一章 わたしと変身能力者(シェイプシフター)
09 しばしの別れ
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その後も三人で談笑していたのだけれど、途中で賢一さんに仕事の電話が入った。通話はすぐには終わりそうになく、何だか割と深刻そうだと察したわたしとレイジは、一旦探偵事務所を出た。
「落ち着かなくて悪いな」
「ううん。お兄さん、大変そうだったわね」
「そうだな……ひょっとしたら、結構大きな仕事が入るかも」
「じゃあ、レイジも忙しくなる?」
「仕事内容次第だが、まあ、兄貴が忙しくなれば俺も必然的に。弟だからって大目に見ちゃくれないのよ、うちのお兄ちゃまは」
わざとしかめっ面をするレイジ。……うん、可愛い。
「大きな仕事って、どんな感じなの? 通常は人探しとか浮気調査とかよね」
「まあ、だいたいはそうだな」
「稀に、悪の組織と対峙しちゃったりとか? ミステリアスな謎の女性から妙な依頼を引き受けたせいで、とんでもない陰謀に巻き込まれて……なんて」
「……それはないって」
まあ、そうだよね。わたしだって勿論、本気で言ったわけじゃない。そういう話は、漫画とか小説とか、要はフィクションの中だけに決まってるもの。
でもレイジ、今答える前に、ちょっとした間がなかった?
「さて、この後はどうしよっか」レイジが改めて話を切り出した。「まさか当初の予定が、こんなに狂っちまうとは思わなかった」
「そうね……」
レイジの言う通りだ。本来なら、お店で昼食を取り終えて、戦艦三笠を見学するか、ドブ板通りを歩いていたんだろうな。今からまた戻るのも何かなあ。またまたあの三人組に遭遇しちゃっても困るし。
「うーん……ちょっと早いけど、今日は解散、とか?」
まだまだ空は明るいから勿体ない気もするけれど、横須賀を代表する観光地が選択肢から除外されてしまっては、他にいい案が思い付きそうになかった。ああ、横須賀市民としては、何かちょっと悲しいぞ。
「そっか……そうだな。今日はそれがいいかもしれない」レイジは真顔で頷いたけれど、すぐに笑みを浮かべた。「今度、リベンジするって約束したもんな」
「うん、そうだね」私も笑顔で言った。「一般的なレトルトカレーも悪くないけど、やっぱり次は海軍カレーね」
レイジは、堀ノ内駅の改札前まで見送りに来てくれた。
「今日は本当に有難うな、ミトカ。それと、慌ただしくなってごめん」
「こちらこそ有難う、レイジ。ちょっと大変だったけど、楽しかったわ」
「俺もだよ」
「お兄さんにもよろしくね。最後、ちゃんと挨拶出来なかったから」
「ああ、言っとくよ」
猿島まで船で行って、歩いて回って。レイジが白い猿に変身したら、女の子に見られちゃって。
本土ではまさかの三人組との遭遇。レイジってば、あんなに笑って。その後は久し振りの全力疾走!
レイジのお兄さんの賢一さんも、気さくないい人だった。また今度会えないかな。
「次はいつ頃がいいのかしら」
「そうなんだよな……うーん……」
レイジは考え込んでしまった。さっき言っていた〝結構大きな仕事〟って、すぐには終わらないのかな。
「じゃあ、予定がはっきりわかったら、レイジから連絡ちょうだい。いつでも待ってるから」
「わかった。悪いな」レイジは小さく頭を下げた。「必ず連絡するよ」
そうこうしているうちに、そろそろ電車が来る時間になった。
「じゃあ、そろそろ行くね」
「ああ、気を付けてな……」
わたしとレイジは数秒間無言で見つめ合った。そして、どちらからともなく名残惜しむようなキス──なんて事はなく、互いに照れ臭さを誤魔化すように笑い合った。
「そ、それじゃ!」
「お、おう!」
改札を入り、ホームまでの階段の手前まで来たところで振り返る。その直前の一瞬、ひょっとしたらレイジはもういなくなっているかも、なんて考えが頭を過ぎったのだけれど、お調子者のシェイプシフターさんは、まだ同じ場所にいてくれた。
「またなー!」
笑顔で手を振るレイジに、わたしも負けじと笑顔で振り返す。
「うん、またねー!」
ああ、次のデートも楽しみ!
階段を上るわたしの足取りは、とっても軽い。軽過ぎて、風船みたいに浮いちゃうんじゃないかってくらい。
……うん? デート……なんだよね? 今日も次に会う時も。だって、レイジもああ言ってたし。
〝何だよ、せっかくのデートだってのに〟
うひゃあ……!
改めて気付いたけれど、人生初デートだったじゃないのっ! 一生経験出来ないと思ってたのにっっ!
うひゃあ……うひゃあ~っっ!
わたしは嬉しいやら恥ずかしいやらで思わず叫び出したくなるのを堪え、丁度やって来た電車に乗り込んだのだった。
次の日。
「あ、桐島さん……おはよう」
出社後、更衣室で着替えてから自分の席に着くなり、待ちかねたとばかりに木村さんが声を掛けてきた。
「おはようございます……」
何? また何かあったの?
「あのさ、この間はごめんな」
……ん?
「ほら、先週の発注ミスの件。桐島さんのせいじゃなかったのに、怒鳴っちゃってさ。ちゃんと謝ってなかったから」
「ああ……」
あら意外! まさかちゃんと謝罪してもらえるなんて。全然期待してなかったからビックリ。
「あー、まだ怒ってる? でも当然だよな。本当、申し訳ない」
木村さんは神妙な面持ちで、丁寧に頭を下げた。……仕方ない。水に流すか。
「いえ、もう平気ですから」
「今後も気を付けるからさ。これからもサポートよろしく」
「こちらこそ」
木村さんが席に戻ると、池川さんが雑談を振り、二人で盛り上がり始めた。わたしも何事もなかったかのように、仕事の準備に取り掛かる。
しかしまあ、急にどうしたんだろうか。月曜日までは、悪びれる様子なんてこれっぽっちも見せなかったっていうのに。
ま、いいか。
それから一週間後、会社からの帰宅途中。
レイジと初めて出会った、自宅付近の小さな駐車場の前を通り掛かったところで、わたしはまたまた視界の端に場違いな物を捉え、足を止めた。
「ちょっ……ええっ?」
駐車場の奥の隅まで移動する。そこにポツンとあったのは……遮光器土偶!
「ちょっとちょっと、レイジ! どうしたの?」
ぼわん! と白い煙、そしてご本人登場。
「よう。お仕事お疲れ様」
「うん、有難う。で、どうしてここに? まさか、今後の予定をわざわざ教えに来てくれたっていうの?」
「ああ。直接会って、自分の口から伝えたくってさ」
レイジは微笑んでそう答えたけれど……あれ、何となく様子がおかしいような。
「レイジ……どうしたの?」
「実はさ……当分会えなくなりそうなんだ。その間、まともに連絡を取れるかどうかも怪しい」レイジは一呼吸置いてから続けた。「だからごめんな、次のデートもいつになるかは全然……」
「え、っと……」
「大きな仕事が入りそう、って話はしたろ? それがさ、俺が思っていた以上に、その……忙しいみたいで。明日からしばらく事務所を空けて横須賀を離れるし、いつ戻って来られるかわからない」
一瞬、冗談かなと思ったのだけれど、レイジの表情も声色も真剣そのものだ。
「そ、そんなに? そんなに大変な仕事なの?」
「今回はちょっと特殊だな──悪いけど、内容は言えない。守秘義務ってやつ」
うっ、先回りされてしまった。
「初めて会った時から、何か色々と自分勝手でごめんな」
「ううん、そんな。仕方ないよ」
仕事とわたし(とのデート)、どっちが大切なの!? なんて言うつもりはないし、思ってもいない。
わたしが気にしているのは、そこじゃない。
「レイジ……その仕事、大丈夫なの? 無茶しないでよ?」
今までのレイジの口振り、そしてわたし自身の勘が、不入斗兄弟の次の仕事は単に忙しいだけじゃないって事を告げていた。
「大丈夫だよ、兄貴もいるんだし。こう見えて俺たち兄弟は結構有能なんだぞ。それに、協力者だっているし」
「……そう?」
「心配しないでくれよ。きっちり片付けて、必ず戻るって約束する。そしたら俺と二回目のデートをしてほしい。それまで、待っててくれないか?」
な、何かその台詞、逆に不安になってくるんだけど!? フラグ立てちゃってませんかレイジさん!!
「あー……やっぱこれも勝手過ぎる、かな」
気まずそうな顔をして頭をポリポリと掻くレイジを見ていると、何かちょっと意地悪したくなっちゃったかも。冷たい言葉を浴びせたり、泣きついて困らせたりしたら、ちょっとスッキリするかな。
……そんな悪魔の誘惑みたいな衝動に打ち勝ち、わたしは素直に答える。
「わかった。待ってるわ。でも、約束通りに戻って来なきゃ、絶対許さないからね!」
レイジはホッと息を吐き、ふわりと笑みを浮かべた。「有難う、ミトカ」
こうして、レイジとはしばしのお別れとなった。二回目のデートはお預け、わたしは再びフリー。
……いや、フリーも何も、別に正式に付き合っていたわけじゃない。変わった出逢いがきっかけで、一回デートをしたってだけだ。
でもやっぱり、寂しいな。
レイジ……早く戻って来てね。じゃないと、他にいい男が現れたら気移りしちゃうかもしれないぞっ。
なーんてね……。
「落ち着かなくて悪いな」
「ううん。お兄さん、大変そうだったわね」
「そうだな……ひょっとしたら、結構大きな仕事が入るかも」
「じゃあ、レイジも忙しくなる?」
「仕事内容次第だが、まあ、兄貴が忙しくなれば俺も必然的に。弟だからって大目に見ちゃくれないのよ、うちのお兄ちゃまは」
わざとしかめっ面をするレイジ。……うん、可愛い。
「大きな仕事って、どんな感じなの? 通常は人探しとか浮気調査とかよね」
「まあ、だいたいはそうだな」
「稀に、悪の組織と対峙しちゃったりとか? ミステリアスな謎の女性から妙な依頼を引き受けたせいで、とんでもない陰謀に巻き込まれて……なんて」
「……それはないって」
まあ、そうだよね。わたしだって勿論、本気で言ったわけじゃない。そういう話は、漫画とか小説とか、要はフィクションの中だけに決まってるもの。
でもレイジ、今答える前に、ちょっとした間がなかった?
「さて、この後はどうしよっか」レイジが改めて話を切り出した。「まさか当初の予定が、こんなに狂っちまうとは思わなかった」
「そうね……」
レイジの言う通りだ。本来なら、お店で昼食を取り終えて、戦艦三笠を見学するか、ドブ板通りを歩いていたんだろうな。今からまた戻るのも何かなあ。またまたあの三人組に遭遇しちゃっても困るし。
「うーん……ちょっと早いけど、今日は解散、とか?」
まだまだ空は明るいから勿体ない気もするけれど、横須賀を代表する観光地が選択肢から除外されてしまっては、他にいい案が思い付きそうになかった。ああ、横須賀市民としては、何かちょっと悲しいぞ。
「そっか……そうだな。今日はそれがいいかもしれない」レイジは真顔で頷いたけれど、すぐに笑みを浮かべた。「今度、リベンジするって約束したもんな」
「うん、そうだね」私も笑顔で言った。「一般的なレトルトカレーも悪くないけど、やっぱり次は海軍カレーね」
レイジは、堀ノ内駅の改札前まで見送りに来てくれた。
「今日は本当に有難うな、ミトカ。それと、慌ただしくなってごめん」
「こちらこそ有難う、レイジ。ちょっと大変だったけど、楽しかったわ」
「俺もだよ」
「お兄さんにもよろしくね。最後、ちゃんと挨拶出来なかったから」
「ああ、言っとくよ」
猿島まで船で行って、歩いて回って。レイジが白い猿に変身したら、女の子に見られちゃって。
本土ではまさかの三人組との遭遇。レイジってば、あんなに笑って。その後は久し振りの全力疾走!
レイジのお兄さんの賢一さんも、気さくないい人だった。また今度会えないかな。
「次はいつ頃がいいのかしら」
「そうなんだよな……うーん……」
レイジは考え込んでしまった。さっき言っていた〝結構大きな仕事〟って、すぐには終わらないのかな。
「じゃあ、予定がはっきりわかったら、レイジから連絡ちょうだい。いつでも待ってるから」
「わかった。悪いな」レイジは小さく頭を下げた。「必ず連絡するよ」
そうこうしているうちに、そろそろ電車が来る時間になった。
「じゃあ、そろそろ行くね」
「ああ、気を付けてな……」
わたしとレイジは数秒間無言で見つめ合った。そして、どちらからともなく名残惜しむようなキス──なんて事はなく、互いに照れ臭さを誤魔化すように笑い合った。
「そ、それじゃ!」
「お、おう!」
改札を入り、ホームまでの階段の手前まで来たところで振り返る。その直前の一瞬、ひょっとしたらレイジはもういなくなっているかも、なんて考えが頭を過ぎったのだけれど、お調子者のシェイプシフターさんは、まだ同じ場所にいてくれた。
「またなー!」
笑顔で手を振るレイジに、わたしも負けじと笑顔で振り返す。
「うん、またねー!」
ああ、次のデートも楽しみ!
階段を上るわたしの足取りは、とっても軽い。軽過ぎて、風船みたいに浮いちゃうんじゃないかってくらい。
……うん? デート……なんだよね? 今日も次に会う時も。だって、レイジもああ言ってたし。
〝何だよ、せっかくのデートだってのに〟
うひゃあ……!
改めて気付いたけれど、人生初デートだったじゃないのっ! 一生経験出来ないと思ってたのにっっ!
うひゃあ……うひゃあ~っっ!
わたしは嬉しいやら恥ずかしいやらで思わず叫び出したくなるのを堪え、丁度やって来た電車に乗り込んだのだった。
次の日。
「あ、桐島さん……おはよう」
出社後、更衣室で着替えてから自分の席に着くなり、待ちかねたとばかりに木村さんが声を掛けてきた。
「おはようございます……」
何? また何かあったの?
「あのさ、この間はごめんな」
……ん?
「ほら、先週の発注ミスの件。桐島さんのせいじゃなかったのに、怒鳴っちゃってさ。ちゃんと謝ってなかったから」
「ああ……」
あら意外! まさかちゃんと謝罪してもらえるなんて。全然期待してなかったからビックリ。
「あー、まだ怒ってる? でも当然だよな。本当、申し訳ない」
木村さんは神妙な面持ちで、丁寧に頭を下げた。……仕方ない。水に流すか。
「いえ、もう平気ですから」
「今後も気を付けるからさ。これからもサポートよろしく」
「こちらこそ」
木村さんが席に戻ると、池川さんが雑談を振り、二人で盛り上がり始めた。わたしも何事もなかったかのように、仕事の準備に取り掛かる。
しかしまあ、急にどうしたんだろうか。月曜日までは、悪びれる様子なんてこれっぽっちも見せなかったっていうのに。
ま、いいか。
それから一週間後、会社からの帰宅途中。
レイジと初めて出会った、自宅付近の小さな駐車場の前を通り掛かったところで、わたしはまたまた視界の端に場違いな物を捉え、足を止めた。
「ちょっ……ええっ?」
駐車場の奥の隅まで移動する。そこにポツンとあったのは……遮光器土偶!
「ちょっとちょっと、レイジ! どうしたの?」
ぼわん! と白い煙、そしてご本人登場。
「よう。お仕事お疲れ様」
「うん、有難う。で、どうしてここに? まさか、今後の予定をわざわざ教えに来てくれたっていうの?」
「ああ。直接会って、自分の口から伝えたくってさ」
レイジは微笑んでそう答えたけれど……あれ、何となく様子がおかしいような。
「レイジ……どうしたの?」
「実はさ……当分会えなくなりそうなんだ。その間、まともに連絡を取れるかどうかも怪しい」レイジは一呼吸置いてから続けた。「だからごめんな、次のデートもいつになるかは全然……」
「え、っと……」
「大きな仕事が入りそう、って話はしたろ? それがさ、俺が思っていた以上に、その……忙しいみたいで。明日からしばらく事務所を空けて横須賀を離れるし、いつ戻って来られるかわからない」
一瞬、冗談かなと思ったのだけれど、レイジの表情も声色も真剣そのものだ。
「そ、そんなに? そんなに大変な仕事なの?」
「今回はちょっと特殊だな──悪いけど、内容は言えない。守秘義務ってやつ」
うっ、先回りされてしまった。
「初めて会った時から、何か色々と自分勝手でごめんな」
「ううん、そんな。仕方ないよ」
仕事とわたし(とのデート)、どっちが大切なの!? なんて言うつもりはないし、思ってもいない。
わたしが気にしているのは、そこじゃない。
「レイジ……その仕事、大丈夫なの? 無茶しないでよ?」
今までのレイジの口振り、そしてわたし自身の勘が、不入斗兄弟の次の仕事は単に忙しいだけじゃないって事を告げていた。
「大丈夫だよ、兄貴もいるんだし。こう見えて俺たち兄弟は結構有能なんだぞ。それに、協力者だっているし」
「……そう?」
「心配しないでくれよ。きっちり片付けて、必ず戻るって約束する。そしたら俺と二回目のデートをしてほしい。それまで、待っててくれないか?」
な、何かその台詞、逆に不安になってくるんだけど!? フラグ立てちゃってませんかレイジさん!!
「あー……やっぱこれも勝手過ぎる、かな」
気まずそうな顔をして頭をポリポリと掻くレイジを見ていると、何かちょっと意地悪したくなっちゃったかも。冷たい言葉を浴びせたり、泣きついて困らせたりしたら、ちょっとスッキリするかな。
……そんな悪魔の誘惑みたいな衝動に打ち勝ち、わたしは素直に答える。
「わかった。待ってるわ。でも、約束通りに戻って来なきゃ、絶対許さないからね!」
レイジはホッと息を吐き、ふわりと笑みを浮かべた。「有難う、ミトカ」
こうして、レイジとはしばしのお別れとなった。二回目のデートはお預け、わたしは再びフリー。
……いや、フリーも何も、別に正式に付き合っていたわけじゃない。変わった出逢いがきっかけで、一回デートをしたってだけだ。
でもやっぱり、寂しいな。
レイジ……早く戻って来てね。じゃないと、他にいい男が現れたら気移りしちゃうかもしれないぞっ。
なーんてね……。
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