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第二章 ライバルと放火魔と
#21 暴力沙汰
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一一月一〇日。
四時間目の数学の授業が終わり、クラスの各々が昼食の準備に取り掛かっている時だった。
「ねえちょっと聞いた!?」五組の女子生徒の松野が、走ってやって来るなり叫ぶように言った。「沢田先生、一年の生徒ぶん殴ったんだって!」
「え、マジ!? 何でよ?」
「殴ったって、え、拳で?」
ドアの近くにいた男子生徒たちが真っ先に反応した。
「あたしも詳しくは全然知らないんだけどさー、隣のクラスで授業やってた先生が取り押さえたとか、泣き出しちゃった女子生徒もいたとかって話だよー」松野はどこか楽しんでいる様子で答えた。
「うわあマジか……でもまあ、そんな意外でもないか」
「最近何か変だったもんね~っ」
「精神病んでたっぽいよね」
「むしろクスリでもやってんじゃね?」
千穂実は黄色いバンダナで包んだ弁当箱を手にし、好き勝手言い合うクラスメートたちの間を通って里沙の前の席に座った。
「何があったんだろうね、直前まで」花柄の巾着ポーチから弁当箱を取り出しながら、里沙が疑問を口にした。「何の理由もなく殴らないよね、多分」
「ん……そうだね」
「あれ、チホミンはあんまり興味ない感じ?」
「え? いや、そんな事はないけど……」
千穂実は沢田の暴力沙汰よりも、別件の方がずっと気になっていた。
──あれは何だったんだろう。
夜空を飛行し、千穂実の部屋までやって来たエメラルド色の小さな光の球。幽霊なのか地球外生命体なのか。人面が浮かび上がったかと思えば、よくわからない事を言い残して去って行った。
〝また会えるといいわネ、光の心を持つお嬢さン〟
──また現れるって事……?
「チホミン、今日は美術部出る?」
「……え? あ、うん、行こっかな」
「何か考え事してた? ああ、〝彼〟の事?」
〝彼〟とはシルバーブレットの事だ。
「ううん、また別件」早く弁当箱を開けろと言わんばかりに、千穂実の腹が音を立てた。「後で話すよ」
放課後。
千穂実と里沙が美術室に向かうと、詩音を含めた一年生の部員四人が、沢田の騒動を口にし始めていたところだった。
「あの人どうなるんだろうね。他の学校に飛ばされるのかなあ」
「殴られたのは詩音の隣の席の男子なんだよね。ビックリしたでしょ」
「うん……あ、先輩たちお疲れ様です!」
二人に気付いた詩音が挨拶すると、他の部員たちも続いた。
「ねえ、今チラッと話が聞こえたんだけど、沢田先生は一体どうして殴っちゃったの?」
里沙は詩音の正面の椅子に腰を下ろし、興味津々といった様子で尋ねた。千穂実も何だかんだで気になったので、一年生の部員で唯一の男子生徒・千葉の隣に座り、詩音の方に向き直った。
「うわ、一斉に見られて何か緊張するんだけど!」
そう言いながらも詩音は、淀みなく話し始めた。
きっかけは、殴られた生徒とは別の男子生徒が、ある古文の読み方を間違えた事だ。その間違え方が面白かったため、クラス中で大きな笑いが起こり、間違えた本人でさえ噴き出していた。
事件はそれから数分で起こった。
沢田が解説をしている最中、詩音の右隣に座る男子生徒の向井が、短く笑い声を上げた。ほとんどの生徒が、向井は先程の出来事を思い出し笑いしているのだと察したようで、一部の生徒たちもつられて笑った。
しかしその和やかな空気は、沢田が無感情で発した「何がおかしいんだ」という言葉で一変した。
「教室内、一瞬で静まり返っちゃって。向井君が黙っていたら、沢田先生が向井君の所まで来て、もう一回同じ質問して。それで向井君が『思い出し笑いです』って答えたら、先生が豹変して『嘘を吐くな! 俺を馬鹿にしたんだろ!』って、それはもう凄い剣幕で……」
捲し立てる沢田に、向井は何度も「違います」と冷静に否定し続けた。しかしとうとう頭にきたらしく、一度だけ乱暴な言い方をしたところ、沢田に顔面を拳で殴られたのだった。
「ドア近くに座っていた子が、隣のクラスから小柴先生を連れて来て止めてもらったの。それまでの間、他の男子生徒たち数人で沢田先生を押さえ付けてたけど、暴れて暴れて……」
詩音は一通り話し終えると、小さく息を吐いた。
「えーっ、何それ!?」
「え、マジヤバくない?」
「流石にやり過ぎだ……」
一年生の部員たちは驚きを隠せない様子だ。
「そうだったんだ……それは大事だね。詩音ちゃんは巻き込まれて怪我とかしなかった?」
「ええ、わたしは大丈夫です。緑川先輩優しーい!」詩音は身を乗り出し、里沙に抱き付いた。
千穂実は、浜波駅構内や駒鳥神社での出来事、そしてシルバーブレットの話を思い出した。
──もしかして、沢田先生もシャドウウォーカーの影響で……?
一九時三二分、神崎家。
夕食中、千穂実は沢田の暴力沙汰の顛末を両親に話して聞かせた。
千穂実の母は眉をひそめ、
「それでその古典の先生、どうなるの」
「それはまだわかんないけど」
「殴っちまったんなら、何のお咎めもなしって事はまずないだろうな」焼き魚を箸でほぐしながら、千穂実の父は言った。「今の時代、生徒の方に非があろうが、怒鳴っただけでも問題視されるんだから」
「ちょっと精神的な問題でも抱えているのかしらね……」
千穂実の母は味噌汁の器を手に取ろうとしたが、ふと思い付いたように続けた。
「まさか、この間の学校の小火騒ぎ、その先生の仕業じゃないでしょうね。むしゃくしゃしてやった、みたいな」
「こらこら」千穂実の父がやんわりたしなめる。「根拠もなくそんな事言うもんじゃないぞ」
「そ、そうね。千穂実、今のは学校の友達に話しちゃ駄目よ」
「大丈夫、わかってるよ」
「友達といえば、里沙ちゃんによろしくね。里沙ちゃんだって、うちに泊まりに来ていいんだからね」
「毎週泊まりに行くなんて、仲がいいとはいえ、家の人に迷惑にならないのか?」
「千穂実が里沙ちゃんに勉強を教えるんですって」
千穂実は手にしたマグカップを危うく落としそうになった。
「だから迷惑どころか有難いって、里沙ちゃんのお母さんが言ってくれたのよ。ねえ千穂実」
──そういう理由になってたんだ……。
「へえ、お前が勉強を? 理数系壊滅的なのに大丈夫なのか?」
「ち、ちょっと大袈裟っていうか。わたしが文系を教えて、里沙が理数系を教えてくれるんだ。うん。お互い協力し合って、テストも大学受験も頑張ろうと」
「お前もついにやる気を出したか」
父が笑うと、千穂実も出来る限り自然に笑ってみせ、マグカップに残っている緑茶を一気飲みした。
「そちらは頼んだ」
「任せて!」
仮面のヒーロー・シルバーブレットと共に夜の街中を走り回り、蔓延るヴィランたちを倒して倒して倒しまくる新米ヒーロー・キャンディスター。
「邪魔!」
四つ目の気色悪い男をぶん殴り、ナイフを持った男を蹴り飛ばす。
「……まだいるわけ?」
いくら倒しても、二人に群がる凶暴で不細工なヴィラン共の数は一向に減る気配はなく、人数が五〇を超えたところでカウントは止めた。
「ああもう、しつこい!」
頭部に二本の角の生えた、まるでミノタウロスのような大男の一撃をかわし、太い腕を捕らえて投げ飛ばす。
「つ、疲れた……」
「どうしたキャンディスター。もうへたばったのか」
「当ったり前でしょ! さっきからひっきりなしなんだから!」
涼しい顔──と言っても仮面だが──をしてこちらを見やるシルバーブレットに、キャンディスターは苛立ちを隠し切れなかった。
キャンディスターは、心を落ち着かせるように深呼吸すると、周囲の様子を慎重に窺った。新手の敵は途切れたようだ。地面に伸びている無数のアホたちに起き上がる様子もない。
「ねえ、今のうちにここから離れて、ちょっと休憩しましょうよ。……聞いてる?」
キャンディスターが振り返ると、つい先程までいたはずの無愛想な相棒は忽然と姿を消していた。
「え、ちょっと!?」
異様なまでの静寂さ。街灯の光もまばらな、知っているようで知らない場所に一人残されたのだと気付いた途端、キャンディスターは不安と恐怖を覚えた。
「やだもう……何処行ったのよ!」
その時、遠くから微かにサイレンが聞こえてきた。
「……消防車?」
四時間目の数学の授業が終わり、クラスの各々が昼食の準備に取り掛かっている時だった。
「ねえちょっと聞いた!?」五組の女子生徒の松野が、走ってやって来るなり叫ぶように言った。「沢田先生、一年の生徒ぶん殴ったんだって!」
「え、マジ!? 何でよ?」
「殴ったって、え、拳で?」
ドアの近くにいた男子生徒たちが真っ先に反応した。
「あたしも詳しくは全然知らないんだけどさー、隣のクラスで授業やってた先生が取り押さえたとか、泣き出しちゃった女子生徒もいたとかって話だよー」松野はどこか楽しんでいる様子で答えた。
「うわあマジか……でもまあ、そんな意外でもないか」
「最近何か変だったもんね~っ」
「精神病んでたっぽいよね」
「むしろクスリでもやってんじゃね?」
千穂実は黄色いバンダナで包んだ弁当箱を手にし、好き勝手言い合うクラスメートたちの間を通って里沙の前の席に座った。
「何があったんだろうね、直前まで」花柄の巾着ポーチから弁当箱を取り出しながら、里沙が疑問を口にした。「何の理由もなく殴らないよね、多分」
「ん……そうだね」
「あれ、チホミンはあんまり興味ない感じ?」
「え? いや、そんな事はないけど……」
千穂実は沢田の暴力沙汰よりも、別件の方がずっと気になっていた。
──あれは何だったんだろう。
夜空を飛行し、千穂実の部屋までやって来たエメラルド色の小さな光の球。幽霊なのか地球外生命体なのか。人面が浮かび上がったかと思えば、よくわからない事を言い残して去って行った。
〝また会えるといいわネ、光の心を持つお嬢さン〟
──また現れるって事……?
「チホミン、今日は美術部出る?」
「……え? あ、うん、行こっかな」
「何か考え事してた? ああ、〝彼〟の事?」
〝彼〟とはシルバーブレットの事だ。
「ううん、また別件」早く弁当箱を開けろと言わんばかりに、千穂実の腹が音を立てた。「後で話すよ」
放課後。
千穂実と里沙が美術室に向かうと、詩音を含めた一年生の部員四人が、沢田の騒動を口にし始めていたところだった。
「あの人どうなるんだろうね。他の学校に飛ばされるのかなあ」
「殴られたのは詩音の隣の席の男子なんだよね。ビックリしたでしょ」
「うん……あ、先輩たちお疲れ様です!」
二人に気付いた詩音が挨拶すると、他の部員たちも続いた。
「ねえ、今チラッと話が聞こえたんだけど、沢田先生は一体どうして殴っちゃったの?」
里沙は詩音の正面の椅子に腰を下ろし、興味津々といった様子で尋ねた。千穂実も何だかんだで気になったので、一年生の部員で唯一の男子生徒・千葉の隣に座り、詩音の方に向き直った。
「うわ、一斉に見られて何か緊張するんだけど!」
そう言いながらも詩音は、淀みなく話し始めた。
きっかけは、殴られた生徒とは別の男子生徒が、ある古文の読み方を間違えた事だ。その間違え方が面白かったため、クラス中で大きな笑いが起こり、間違えた本人でさえ噴き出していた。
事件はそれから数分で起こった。
沢田が解説をしている最中、詩音の右隣に座る男子生徒の向井が、短く笑い声を上げた。ほとんどの生徒が、向井は先程の出来事を思い出し笑いしているのだと察したようで、一部の生徒たちもつられて笑った。
しかしその和やかな空気は、沢田が無感情で発した「何がおかしいんだ」という言葉で一変した。
「教室内、一瞬で静まり返っちゃって。向井君が黙っていたら、沢田先生が向井君の所まで来て、もう一回同じ質問して。それで向井君が『思い出し笑いです』って答えたら、先生が豹変して『嘘を吐くな! 俺を馬鹿にしたんだろ!』って、それはもう凄い剣幕で……」
捲し立てる沢田に、向井は何度も「違います」と冷静に否定し続けた。しかしとうとう頭にきたらしく、一度だけ乱暴な言い方をしたところ、沢田に顔面を拳で殴られたのだった。
「ドア近くに座っていた子が、隣のクラスから小柴先生を連れて来て止めてもらったの。それまでの間、他の男子生徒たち数人で沢田先生を押さえ付けてたけど、暴れて暴れて……」
詩音は一通り話し終えると、小さく息を吐いた。
「えーっ、何それ!?」
「え、マジヤバくない?」
「流石にやり過ぎだ……」
一年生の部員たちは驚きを隠せない様子だ。
「そうだったんだ……それは大事だね。詩音ちゃんは巻き込まれて怪我とかしなかった?」
「ええ、わたしは大丈夫です。緑川先輩優しーい!」詩音は身を乗り出し、里沙に抱き付いた。
千穂実は、浜波駅構内や駒鳥神社での出来事、そしてシルバーブレットの話を思い出した。
──もしかして、沢田先生もシャドウウォーカーの影響で……?
一九時三二分、神崎家。
夕食中、千穂実は沢田の暴力沙汰の顛末を両親に話して聞かせた。
千穂実の母は眉をひそめ、
「それでその古典の先生、どうなるの」
「それはまだわかんないけど」
「殴っちまったんなら、何のお咎めもなしって事はまずないだろうな」焼き魚を箸でほぐしながら、千穂実の父は言った。「今の時代、生徒の方に非があろうが、怒鳴っただけでも問題視されるんだから」
「ちょっと精神的な問題でも抱えているのかしらね……」
千穂実の母は味噌汁の器を手に取ろうとしたが、ふと思い付いたように続けた。
「まさか、この間の学校の小火騒ぎ、その先生の仕業じゃないでしょうね。むしゃくしゃしてやった、みたいな」
「こらこら」千穂実の父がやんわりたしなめる。「根拠もなくそんな事言うもんじゃないぞ」
「そ、そうね。千穂実、今のは学校の友達に話しちゃ駄目よ」
「大丈夫、わかってるよ」
「友達といえば、里沙ちゃんによろしくね。里沙ちゃんだって、うちに泊まりに来ていいんだからね」
「毎週泊まりに行くなんて、仲がいいとはいえ、家の人に迷惑にならないのか?」
「千穂実が里沙ちゃんに勉強を教えるんですって」
千穂実は手にしたマグカップを危うく落としそうになった。
「だから迷惑どころか有難いって、里沙ちゃんのお母さんが言ってくれたのよ。ねえ千穂実」
──そういう理由になってたんだ……。
「へえ、お前が勉強を? 理数系壊滅的なのに大丈夫なのか?」
「ち、ちょっと大袈裟っていうか。わたしが文系を教えて、里沙が理数系を教えてくれるんだ。うん。お互い協力し合って、テストも大学受験も頑張ろうと」
「お前もついにやる気を出したか」
父が笑うと、千穂実も出来る限り自然に笑ってみせ、マグカップに残っている緑茶を一気飲みした。
「そちらは頼んだ」
「任せて!」
仮面のヒーロー・シルバーブレットと共に夜の街中を走り回り、蔓延るヴィランたちを倒して倒して倒しまくる新米ヒーロー・キャンディスター。
「邪魔!」
四つ目の気色悪い男をぶん殴り、ナイフを持った男を蹴り飛ばす。
「……まだいるわけ?」
いくら倒しても、二人に群がる凶暴で不細工なヴィラン共の数は一向に減る気配はなく、人数が五〇を超えたところでカウントは止めた。
「ああもう、しつこい!」
頭部に二本の角の生えた、まるでミノタウロスのような大男の一撃をかわし、太い腕を捕らえて投げ飛ばす。
「つ、疲れた……」
「どうしたキャンディスター。もうへたばったのか」
「当ったり前でしょ! さっきからひっきりなしなんだから!」
涼しい顔──と言っても仮面だが──をしてこちらを見やるシルバーブレットに、キャンディスターは苛立ちを隠し切れなかった。
キャンディスターは、心を落ち着かせるように深呼吸すると、周囲の様子を慎重に窺った。新手の敵は途切れたようだ。地面に伸びている無数のアホたちに起き上がる様子もない。
「ねえ、今のうちにここから離れて、ちょっと休憩しましょうよ。……聞いてる?」
キャンディスターが振り返ると、つい先程までいたはずの無愛想な相棒は忽然と姿を消していた。
「え、ちょっと!?」
異様なまでの静寂さ。街灯の光もまばらな、知っているようで知らない場所に一人残されたのだと気付いた途端、キャンディスターは不安と恐怖を覚えた。
「やだもう……何処行ったのよ!」
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