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第二章
20XX年8月X日
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「もうあなたのお父さんとは暮らせないわ。うんざりなの。ごめんなさい」
茹だるような暑さの中、お母さんが家を出て行った。
僕が付いて行きたいと言うと、金銭面の不安や僕の将来云々を理由に拒否されてしまった。悲しんでいるような口調だったけれど、この時のお母さんの表情──冗談じゃないわ、勘弁してよ──を、僕は一生忘れないだろう。
お父さんは荒れた。毎晩お酒を大量に呑み、独り言を呟いていたかと思えば突然怒鳴り出したり、僕へ八つ当たりするようになった。ここ数日は呑んでいないようだけれど、独り言は酷くなっているように感じる。とても学校でのいじめを打ち明けられるような状況じゃない。
あと数日で新学期が、地獄のような日々が始まってしまう。もっとも、今のこの家だって似たようなものだけれども。
学校に行きたくない。でもそんな事許されるわけがない。……いや、一、二週間に一日くらいなら、何とかなるかもしれない。そう思うと、ほんの少しだけ気分が楽になったような気がした。
茹だるような暑さの中、お母さんが家を出て行った。
僕が付いて行きたいと言うと、金銭面の不安や僕の将来云々を理由に拒否されてしまった。悲しんでいるような口調だったけれど、この時のお母さんの表情──冗談じゃないわ、勘弁してよ──を、僕は一生忘れないだろう。
お父さんは荒れた。毎晩お酒を大量に呑み、独り言を呟いていたかと思えば突然怒鳴り出したり、僕へ八つ当たりするようになった。ここ数日は呑んでいないようだけれど、独り言は酷くなっているように感じる。とても学校でのいじめを打ち明けられるような状況じゃない。
あと数日で新学期が、地獄のような日々が始まってしまう。もっとも、今のこの家だって似たようなものだけれども。
学校に行きたくない。でもそんな事許されるわけがない。……いや、一、二週間に一日くらいなら、何とかなるかもしれない。そう思うと、ほんの少しだけ気分が楽になったような気がした。
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