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第二章
03 夢
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普段と何かが違う道を歩き、普段と何かが違う電車に乗り、吊り革に掴まる。
「おはよう麻宮」
「ん、はよ」
隣に立った知らない友人に挨拶し、いつまでも発車しない電車に苛立って一旦降りると、次の瞬間には教室にいて、知らない教師の英語の授業を受けていた。
「ごく普通の大学生、須佐野俊が超能力に目覚め、悪と戦うバトルサイキッカーとなった事は、君たちも既に知っていると思う」
黒板に意味不明な英単語を書きながら、バーコード頭の教師は濁声で喋り続ける。
「しかし、正直あれは全く期待出来ん。今はまだ何とかなっているが、いずれは調子に乗って敵わない相手に挑み、嬲り殺されるだろうよ」
「おいおい、ちょっと待て」九斗は思わず声を上げた。「それは聞き捨てならねーな。俊を舐めんなよ、おっさん」
「ほう……」
教師はニヤリと笑うと、首と手首をポキポキと鳴らした。そして突如として奇妙な赤い光に包まれたかと思うと、次の瞬間には、第三話の終盤に出て来た化け物に変身していた。
「テメェ、人間じゃなかったのか!」
「ヒェッヒェッヒェッ! その通りだ麻宮九斗。私はこの街を破壊するために教師になりすましていたのさ。手始めにこの学校からだ!」
「そうはさせねえ!」九斗は勢い良く立ち上がった。「テメェは今ここでオレが倒す!」
「ヒェッヒェッヒェッ! 能力者でもない貴様がか?」
「確かにオレに超能力はねえ。でも、この拳がある!」
九斗が拳を強く握り締めると、クラス中が沸いた。
「私も戦うわ、九斗」
隣の席の凛子も立ち上がった。ウェーブの掛かったセミロングの茶髪に半袖のブラウス、ジーンズ、パンプスという姿だが、その顔立ちと低い声は、どう見ても聞いても冷司だ。
「気を付けて、九斗。アイツは今までの奴らと違う」
「へっ、そういうアンタの方が心配だぜ。オレみてーに鍛えてねーんだし。てかアンタ、冷司だよな?」
「フン、余計なお世話よ強面脳筋ゴリラボーイ」
「の、のうき……何だよスゲー貶すじゃんか!?」
「お喋りはそこまでだ!!」化け物が両手を教卓に叩き付けた。「掛かって来い、麻宮九斗! 槙屋冷司!」
「あ、やっぱ冷司だよな?」
「いいからいくわよ!」
「お、おうよ! 覚悟しやがれバーコードマン!!」
九斗は走り、一気に化け物との距離を詰めると拳を振り上げた──……。
拳が空を切ると同時に目を覚ました九斗は、ゆっくり右腕を下ろした。
「……そりゃあそうだよな」
部屋の電気は消えているが、真っ暗ではない。中学校入学後に母親に買ってもらったデジタル目覚まし時計に目をやると、五時を過ぎたばかりだった。
二度寝しようと、頭の向きを変えて目を閉じてはみたが、睡魔は一向に気配を見せない。
──……起きるか。
今日は特にこれといった予定もない。また眠くなったらその時眠ればいい。
別室の母親を起こさないよう、そっとリビングに移動する。朝食を取ろうかと考えたが、まだそこまで空腹でもない。
──天気はどうだ……?
バルコニーに出ると、外の空気は予想以上にひんやりしていた。太陽はまだ遠慮がちだが、一日中雨の心配はないだろう。
──冷司はまだ寝てるよな。
恋人の自宅がある方に目を向けながら、つい先程まで見ていた夢の内容を思い出して小さく笑う。あれは間違いなく『バトルサイキッカー俊』第三話の影響だ。
──あいつはどんな夢見てんだろ。
中学時代のいつ頃だっただろうか、悪夢や〝気疲れする夢〟をよく見る、と冷司がぼやいていた事があった。
九斗自身は、あまり悪夢を見ない。例外は父親が亡くなってからしばらくの間だったが、少しずつ立ち直るにつれて回数は減っていった。
恋人が悪夢にうなされていない事を祈りつつ、何気なく視線を下の方にやると、アパートから誰かが出て来た。
──おっ。
地味な色合いのパーカーとハーフパンツ姿のその人物は、東堂だった。共用出入口から少し歩くと、開けた場所でストレッチを始める。
──朝ランか。やっぱ鍛えてるんだろうな、あの人。
しばらく東堂を見やっていた九斗だったが、そろそろリビングに戻ろうと身を翻しかけた。その瞬間、ムズムズとする感覚が彼の鼻を襲ったのは、冷たい外気のせいか、急に自己主張を始めた太陽の強い光のせいか。
「──ぶえっくしょい!!」
アパート中に響き渡っていてもおかしくないくしゃみは、東堂を気付かせるのに充分だった。目が合うと、どちらからともなく笑顔で手を上げる。九斗は何か声を掛けようかとも思ったが、余計に近所迷惑になりそうなのでやめた。
「九斗?」リビングから母親の声がした。「何してるの」
「ああ……」
九斗は開けっぱなしだった掃き出し窓から中を覗き、寝ぼけ眼の母親に答えた。
「ちょっと早く目が覚めちまって。起こしちまったか?」
「ううん。私、トイレ行ったらまた寝るから。お腹減ったら好きに食べといていいわよ」
「おう」
九斗は再び外を見やった。ドラッグストア方面へと走り去る東堂の姿が小さく見えた。
九斗が東堂と無言で挨拶を交わしていた頃。
──参ったなこりゃ。
知っているようで全く知らない街中で、冷司は『バトルサイキッカー俊』に登場する複数の敵に囲まれていた。逃げ道を目で探すものの、一瞬の隙を突かれ、指先が鋭い刃物になっている女の魔物に壁際まで追い詰められてしまった。
──くっ……マズいぞ。
女が腕を振り上げたその時だった。
「とうっ!!」
冷司の最愛の男が、横から女に飛び蹴りを喰らわせた。
「大丈夫か冷司!」
「あ、ああ……助かったぜ、九斗」戸惑いながらも、冷司は礼の言葉と疑問を口にした。「でもお前、何で全裸なんだ」
「だってよぉ、最近暑いじゃねーか」
「だ、だからってなあ……下ぐらい履いた方が……」
耐え切れず、冷司は目を逸らした。ただの高校生とは思えない、鍛え上げられた肉体美。恋心を自覚してからは直視するのが気恥ずかしくて、着替えの最中でもまともに見られた試しがなかった。
「そんな事よりも、オレがこの化け物たち全員倒してやっから、お前はちょっと下がってな」
「あ、ああ。頼んだぞ」
縦横無尽に走り回り、素手素足で敵をバタバタと倒しまくる九斗を眺めているうちに、冷司はこれが夢だと気付いた。
──そりゃあそうだよな。
でもせっかくだから、久し振りの悪くない夢──自分の下心が反映されているようで罪悪感もあるが──を、もう少し楽しんでいたい。
「どりゃああああっっっ!!」
九斗が自分よりも大柄な敵にバックドロップを決めると、冷司は拍手喝采した。
「おはよう麻宮」
「ん、はよ」
隣に立った知らない友人に挨拶し、いつまでも発車しない電車に苛立って一旦降りると、次の瞬間には教室にいて、知らない教師の英語の授業を受けていた。
「ごく普通の大学生、須佐野俊が超能力に目覚め、悪と戦うバトルサイキッカーとなった事は、君たちも既に知っていると思う」
黒板に意味不明な英単語を書きながら、バーコード頭の教師は濁声で喋り続ける。
「しかし、正直あれは全く期待出来ん。今はまだ何とかなっているが、いずれは調子に乗って敵わない相手に挑み、嬲り殺されるだろうよ」
「おいおい、ちょっと待て」九斗は思わず声を上げた。「それは聞き捨てならねーな。俊を舐めんなよ、おっさん」
「ほう……」
教師はニヤリと笑うと、首と手首をポキポキと鳴らした。そして突如として奇妙な赤い光に包まれたかと思うと、次の瞬間には、第三話の終盤に出て来た化け物に変身していた。
「テメェ、人間じゃなかったのか!」
「ヒェッヒェッヒェッ! その通りだ麻宮九斗。私はこの街を破壊するために教師になりすましていたのさ。手始めにこの学校からだ!」
「そうはさせねえ!」九斗は勢い良く立ち上がった。「テメェは今ここでオレが倒す!」
「ヒェッヒェッヒェッ! 能力者でもない貴様がか?」
「確かにオレに超能力はねえ。でも、この拳がある!」
九斗が拳を強く握り締めると、クラス中が沸いた。
「私も戦うわ、九斗」
隣の席の凛子も立ち上がった。ウェーブの掛かったセミロングの茶髪に半袖のブラウス、ジーンズ、パンプスという姿だが、その顔立ちと低い声は、どう見ても聞いても冷司だ。
「気を付けて、九斗。アイツは今までの奴らと違う」
「へっ、そういうアンタの方が心配だぜ。オレみてーに鍛えてねーんだし。てかアンタ、冷司だよな?」
「フン、余計なお世話よ強面脳筋ゴリラボーイ」
「の、のうき……何だよスゲー貶すじゃんか!?」
「お喋りはそこまでだ!!」化け物が両手を教卓に叩き付けた。「掛かって来い、麻宮九斗! 槙屋冷司!」
「あ、やっぱ冷司だよな?」
「いいからいくわよ!」
「お、おうよ! 覚悟しやがれバーコードマン!!」
九斗は走り、一気に化け物との距離を詰めると拳を振り上げた──……。
拳が空を切ると同時に目を覚ました九斗は、ゆっくり右腕を下ろした。
「……そりゃあそうだよな」
部屋の電気は消えているが、真っ暗ではない。中学校入学後に母親に買ってもらったデジタル目覚まし時計に目をやると、五時を過ぎたばかりだった。
二度寝しようと、頭の向きを変えて目を閉じてはみたが、睡魔は一向に気配を見せない。
──……起きるか。
今日は特にこれといった予定もない。また眠くなったらその時眠ればいい。
別室の母親を起こさないよう、そっとリビングに移動する。朝食を取ろうかと考えたが、まだそこまで空腹でもない。
──天気はどうだ……?
バルコニーに出ると、外の空気は予想以上にひんやりしていた。太陽はまだ遠慮がちだが、一日中雨の心配はないだろう。
──冷司はまだ寝てるよな。
恋人の自宅がある方に目を向けながら、つい先程まで見ていた夢の内容を思い出して小さく笑う。あれは間違いなく『バトルサイキッカー俊』第三話の影響だ。
──あいつはどんな夢見てんだろ。
中学時代のいつ頃だっただろうか、悪夢や〝気疲れする夢〟をよく見る、と冷司がぼやいていた事があった。
九斗自身は、あまり悪夢を見ない。例外は父親が亡くなってからしばらくの間だったが、少しずつ立ち直るにつれて回数は減っていった。
恋人が悪夢にうなされていない事を祈りつつ、何気なく視線を下の方にやると、アパートから誰かが出て来た。
──おっ。
地味な色合いのパーカーとハーフパンツ姿のその人物は、東堂だった。共用出入口から少し歩くと、開けた場所でストレッチを始める。
──朝ランか。やっぱ鍛えてるんだろうな、あの人。
しばらく東堂を見やっていた九斗だったが、そろそろリビングに戻ろうと身を翻しかけた。その瞬間、ムズムズとする感覚が彼の鼻を襲ったのは、冷たい外気のせいか、急に自己主張を始めた太陽の強い光のせいか。
「──ぶえっくしょい!!」
アパート中に響き渡っていてもおかしくないくしゃみは、東堂を気付かせるのに充分だった。目が合うと、どちらからともなく笑顔で手を上げる。九斗は何か声を掛けようかとも思ったが、余計に近所迷惑になりそうなのでやめた。
「九斗?」リビングから母親の声がした。「何してるの」
「ああ……」
九斗は開けっぱなしだった掃き出し窓から中を覗き、寝ぼけ眼の母親に答えた。
「ちょっと早く目が覚めちまって。起こしちまったか?」
「ううん。私、トイレ行ったらまた寝るから。お腹減ったら好きに食べといていいわよ」
「おう」
九斗は再び外を見やった。ドラッグストア方面へと走り去る東堂の姿が小さく見えた。
九斗が東堂と無言で挨拶を交わしていた頃。
──参ったなこりゃ。
知っているようで全く知らない街中で、冷司は『バトルサイキッカー俊』に登場する複数の敵に囲まれていた。逃げ道を目で探すものの、一瞬の隙を突かれ、指先が鋭い刃物になっている女の魔物に壁際まで追い詰められてしまった。
──くっ……マズいぞ。
女が腕を振り上げたその時だった。
「とうっ!!」
冷司の最愛の男が、横から女に飛び蹴りを喰らわせた。
「大丈夫か冷司!」
「あ、ああ……助かったぜ、九斗」戸惑いながらも、冷司は礼の言葉と疑問を口にした。「でもお前、何で全裸なんだ」
「だってよぉ、最近暑いじゃねーか」
「だ、だからってなあ……下ぐらい履いた方が……」
耐え切れず、冷司は目を逸らした。ただの高校生とは思えない、鍛え上げられた肉体美。恋心を自覚してからは直視するのが気恥ずかしくて、着替えの最中でもまともに見られた試しがなかった。
「そんな事よりも、オレがこの化け物たち全員倒してやっから、お前はちょっと下がってな」
「あ、ああ。頼んだぞ」
縦横無尽に走り回り、素手素足で敵をバタバタと倒しまくる九斗を眺めているうちに、冷司はこれが夢だと気付いた。
──そりゃあそうだよな。
でもせっかくだから、久し振りの悪くない夢──自分の下心が反映されているようで罪悪感もあるが──を、もう少し楽しんでいたい。
「どりゃああああっっっ!!」
九斗が自分よりも大柄な敵にバックドロップを決めると、冷司は拍手喝采した。
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