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プロローグ
つい、うっかり
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四月最後の日曜日、神奈川県横浜市西区の繁華街。
老若男女様々な人々の往来の中に、特に目立つ若い男が一人。ライトグレー単色のパーカーに色褪せたジーンズ、履き潰したスニーカーと、服装自体は至ってシンプルだが、何よりそれらを纏っている本人が存在感を放っている。
約一九〇センチの長身に、鍛えられた逞しい体付き。黒髪は坊主に近い短さで、鋭い印象を与える目付きに、大き過ぎず小さくもない鼻、そしてバランス良く厚みのある唇。少々強面な顔立ちはしかし、よく見ればまだまだあどけない。
「ちぇっ、明日からまた学校か……」
若い男── 麻宮九斗は、唇を尖らせてぼやいた。
「何かスゲー早いよな、休日が終わるのって。もうそろそろ四時になるし。さっきまで昼だったってのによ」
「ああ、あっと言う間だな。楽しいと尚更だ」
九斗の隣を歩く、髪を赤茶色に染めた若い男が答えた。175センチあるが、九斗と並んでいると小柄に見える。
「でも何日か我慢すりゃあ、GWが待ってるぞ」
「お、確かにそうだな! GWも一緒に遊ぼーぜ。それともバイトでもやるつもりか?」
「いや、特に考えてないよ。他に予定もない」
「ほんとか? 良かった!」
九斗が無邪気な笑顔を見せると、赤茶色の髪の若い男──槙屋冷司は穏やかに微笑んだ。
「あ、そういや国語の宿題まだやってねえ!」
「大丈夫だ、すぐ終わるよ」
「そぉか? それは冷司だからじゃねーの?」
「わかんなかったら、いつもみたいに連絡しなよ。教えてやるから」
「頼んだ槙屋センセー! にゃははは!」
この春、横浜市内の同じ公立高校に入学した九斗と冷司は、中学時代からの親友同士だ。学力に差があるため、本来ならば異なる高校に進学していたはずだが、冷司の「お前と離れるとつまんないな」の一言に奮起した九斗が、死に物狂いの猛勉強で奇跡を起こしたのだった。
頑張った九斗に神様が褒美を寄越したのか、二人は同じクラスになった。更には入学から一週間そこそこで担任の気まぐれにより席替えが行われた結果、現在は席が隣同士だ。
「なあ、帰る前に何か食べるもん探してもいいか? 母ちゃんに土産でも買ってこっかなって」
九斗は少々照れ臭そうに言った。小学生の時に父親を病気で亡くして以来、母親と二人で暮らしており、繁華街に遊びに出掛けると、必ず自分の小遣いから何かしらを買って帰っている。
「ああ、いいぞ。だったらもうこのまま横浜駅まで戻って、地下で探すか?」
「ん、そうする」
「お母さん、何が好きなんだ? 和菓子派か洋菓子派か……」
「いやもう何でも好きだぞ。『こんなに食べ過ぎて太っちゃうわ~』なんて口ばっかりでさ。そういやこの間なんてよぉ──……」
母親とのエピソードを話す間、親友から向けられる眼差しに特別な感情が込められていた事に、九斗は全く気付かなかった。
横浜駅から電車で約一五分。
横浜市郊外の小さな駅で降りると、九斗と冷司は住宅街方面へと進んだ。
「んで、清水と淵上が何回やっても引けなかったその凄いレアを、及川はたった一回で引いちまったんだと!」
「そういやあいつ、中学ん時からクジ運強かったよな。席替えや係決めなんかでも──……」
分かれ道に差し掛かると、二人はその中間にある公園の前で、どちらからともなく足を止めた。小学三、四年生くらいであろう子供たちが無邪気にはしゃぐ声が聞こえてくる。
「じゃ、今日は有難うな」
「おう、オレの方こそ。冷司が選んだ土産、母ちゃん喜ぶと思う」
「宿題わかんなかったら連絡するんだぞ」
「おう……いや待て、いい事考えた!」九斗は目を輝かせた。「何だったら最初から答え全部教えてくれ!」
「ははは、そんな事だろうと思った。流石にそれは駄目だろ~」
「何っ? おい冷司、お前いつからそんな真面目になったんだよこのっ!」
「うおっ!」
九斗は冷司の首に腕を回すと、ヘッドロックの真似事をした。力加減はしているが、同年代の男子と比べて圧倒的に筋肉質でがっちりしているため、圧迫感がある。
「あーわかったわかった、ギブギブ!」
解放された冷司は、一瞬九斗と目が合うと、不自然にそっぽを向いてしまった。
「む……すまん、痛かったか?」九斗は恐る恐る声を掛けた。
「ん? いや大丈夫だ」冷司はゆっくり振り向いた。
「……冷司、怒ったか?」
「ええ? 全然。どうしてさ」
「いや何かさ……今そう見えたからよ。ヘッドロックがまずかったかなって」
「怒ってねえし、痛くもなかったよ」
「ほんとか?」
「ほんと」
「ほんとにほんとか?」
「ほんとにほんとだ」
冷司は不安そうに自分を見下ろす九斗に笑いかけ、肩をぽんと叩いた。
「ほんとに愛してるって。あっ」
「えっ」
どちらも目が点になり、中途半端に口を開いたまま固まった。唯一異なるのは、冷司の顔から血の気が引いたかと思えば、今度は見る見るうちに真っ赤になってゆくところだ。
「ア、アイシテル?」先に沈黙を破ったのは九斗の方だった。「え、冷司お前今、愛してる、って言ったのか?」
「……あー、しまった……」冷司は両手で顔を覆った。「つい、うっかり……はははは」
「ついうっかりって、え、冗談じゃなくてか?」
「忘れてくれ! じゃ!」
言うや否や、冷司は自宅方向へと一目散に走り出した。
「ちょ、おい! 待てええええいっ!!」
九斗は慌てて冷司を追い掛け、ものの数秒であっさりと捕まえた。
「逃げんなよ冷司! まだ話は終わってねーって!」
「そ、そういやお前、五〇メートル走六秒だったな……流石だ……」
「んなこたぁどーでもいいっつーの! それよりもだ」
九斗は冷司の両肩をがっしり掴み、自分に向き直させた。
「それよりもお前、オレの事……あ、愛してる、のか?」
「……ああ……そうだよ」冷司は観念したように力を抜き、大きく息を吐いた。
「え……いつからだよ」
「いつからだろうな……はっきり覚えちゃいないが、中坊の頃には既に」
「そ、そーかよ」
──今年最大、いや人生最大のビックリ仰天だぞおい。
とてつもなく気まずそうな親友をぼんやり見やりながら、九斗はある事実に気付いた。
──あれ、何か……嬉しいな。
「引いただろ。気持ち悪いよな」冷司は自嘲するように笑った。
「え、あ──」
「ごめんな。改めて頼む、忘れてくれ」
「いや、その──」
「それと、許されるならこれからも友達でいてほし──」
「話聞けっての!」
ヘッドロックの時とは異なり一切の加減がない九斗のチョップが、冷司の脳天に炸裂した。
「ぐ……ば、馬鹿力……」
「ビックリしたけどよ、引いてもねーし、気持ち悪くもねーよ」
「……え?」頭をさすりながら、冷司は顔を上げた。
「むしろオレ、嬉しいぞ」
「いや……え、嬉しいって、俺は男だぞ?」
「おう、わかってら。多分、お前だからだ。他の男だったらそんな風には思わねーだろうよ」
冷司は目をぱちくりさせている。
──お、珍しい顔。
九斗が思わず頬を緩めると、冷司は疑うように眉をひそめ、
「ほんとか?」
「ほんとだ」
「ほんとにほんとか?」
「ほんとにほんとだ」
前方からやって来るランニング中の男性が去るまで待つと、冷司は一つ咳払いした。
「あー、だったら……周りには内緒で、とりあえず試しに付き合ってみないか? 嫌になったらすぐ言ってくれればいいからさ。ど、どうだ?」
「おう、やってみるか!」
「いいのかよ!?」
「いいから言ってんだろ!」
そんなこんなで、麻宮九斗と槙屋冷司の、恋人同士としての日常が始まった。
老若男女様々な人々の往来の中に、特に目立つ若い男が一人。ライトグレー単色のパーカーに色褪せたジーンズ、履き潰したスニーカーと、服装自体は至ってシンプルだが、何よりそれらを纏っている本人が存在感を放っている。
約一九〇センチの長身に、鍛えられた逞しい体付き。黒髪は坊主に近い短さで、鋭い印象を与える目付きに、大き過ぎず小さくもない鼻、そしてバランス良く厚みのある唇。少々強面な顔立ちはしかし、よく見ればまだまだあどけない。
「ちぇっ、明日からまた学校か……」
若い男── 麻宮九斗は、唇を尖らせてぼやいた。
「何かスゲー早いよな、休日が終わるのって。もうそろそろ四時になるし。さっきまで昼だったってのによ」
「ああ、あっと言う間だな。楽しいと尚更だ」
九斗の隣を歩く、髪を赤茶色に染めた若い男が答えた。175センチあるが、九斗と並んでいると小柄に見える。
「でも何日か我慢すりゃあ、GWが待ってるぞ」
「お、確かにそうだな! GWも一緒に遊ぼーぜ。それともバイトでもやるつもりか?」
「いや、特に考えてないよ。他に予定もない」
「ほんとか? 良かった!」
九斗が無邪気な笑顔を見せると、赤茶色の髪の若い男──槙屋冷司は穏やかに微笑んだ。
「あ、そういや国語の宿題まだやってねえ!」
「大丈夫だ、すぐ終わるよ」
「そぉか? それは冷司だからじゃねーの?」
「わかんなかったら、いつもみたいに連絡しなよ。教えてやるから」
「頼んだ槙屋センセー! にゃははは!」
この春、横浜市内の同じ公立高校に入学した九斗と冷司は、中学時代からの親友同士だ。学力に差があるため、本来ならば異なる高校に進学していたはずだが、冷司の「お前と離れるとつまんないな」の一言に奮起した九斗が、死に物狂いの猛勉強で奇跡を起こしたのだった。
頑張った九斗に神様が褒美を寄越したのか、二人は同じクラスになった。更には入学から一週間そこそこで担任の気まぐれにより席替えが行われた結果、現在は席が隣同士だ。
「なあ、帰る前に何か食べるもん探してもいいか? 母ちゃんに土産でも買ってこっかなって」
九斗は少々照れ臭そうに言った。小学生の時に父親を病気で亡くして以来、母親と二人で暮らしており、繁華街に遊びに出掛けると、必ず自分の小遣いから何かしらを買って帰っている。
「ああ、いいぞ。だったらもうこのまま横浜駅まで戻って、地下で探すか?」
「ん、そうする」
「お母さん、何が好きなんだ? 和菓子派か洋菓子派か……」
「いやもう何でも好きだぞ。『こんなに食べ過ぎて太っちゃうわ~』なんて口ばっかりでさ。そういやこの間なんてよぉ──……」
母親とのエピソードを話す間、親友から向けられる眼差しに特別な感情が込められていた事に、九斗は全く気付かなかった。
横浜駅から電車で約一五分。
横浜市郊外の小さな駅で降りると、九斗と冷司は住宅街方面へと進んだ。
「んで、清水と淵上が何回やっても引けなかったその凄いレアを、及川はたった一回で引いちまったんだと!」
「そういやあいつ、中学ん時からクジ運強かったよな。席替えや係決めなんかでも──……」
分かれ道に差し掛かると、二人はその中間にある公園の前で、どちらからともなく足を止めた。小学三、四年生くらいであろう子供たちが無邪気にはしゃぐ声が聞こえてくる。
「じゃ、今日は有難うな」
「おう、オレの方こそ。冷司が選んだ土産、母ちゃん喜ぶと思う」
「宿題わかんなかったら連絡するんだぞ」
「おう……いや待て、いい事考えた!」九斗は目を輝かせた。「何だったら最初から答え全部教えてくれ!」
「ははは、そんな事だろうと思った。流石にそれは駄目だろ~」
「何っ? おい冷司、お前いつからそんな真面目になったんだよこのっ!」
「うおっ!」
九斗は冷司の首に腕を回すと、ヘッドロックの真似事をした。力加減はしているが、同年代の男子と比べて圧倒的に筋肉質でがっちりしているため、圧迫感がある。
「あーわかったわかった、ギブギブ!」
解放された冷司は、一瞬九斗と目が合うと、不自然にそっぽを向いてしまった。
「む……すまん、痛かったか?」九斗は恐る恐る声を掛けた。
「ん? いや大丈夫だ」冷司はゆっくり振り向いた。
「……冷司、怒ったか?」
「ええ? 全然。どうしてさ」
「いや何かさ……今そう見えたからよ。ヘッドロックがまずかったかなって」
「怒ってねえし、痛くもなかったよ」
「ほんとか?」
「ほんと」
「ほんとにほんとか?」
「ほんとにほんとだ」
冷司は不安そうに自分を見下ろす九斗に笑いかけ、肩をぽんと叩いた。
「ほんとに愛してるって。あっ」
「えっ」
どちらも目が点になり、中途半端に口を開いたまま固まった。唯一異なるのは、冷司の顔から血の気が引いたかと思えば、今度は見る見るうちに真っ赤になってゆくところだ。
「ア、アイシテル?」先に沈黙を破ったのは九斗の方だった。「え、冷司お前今、愛してる、って言ったのか?」
「……あー、しまった……」冷司は両手で顔を覆った。「つい、うっかり……はははは」
「ついうっかりって、え、冗談じゃなくてか?」
「忘れてくれ! じゃ!」
言うや否や、冷司は自宅方向へと一目散に走り出した。
「ちょ、おい! 待てええええいっ!!」
九斗は慌てて冷司を追い掛け、ものの数秒であっさりと捕まえた。
「逃げんなよ冷司! まだ話は終わってねーって!」
「そ、そういやお前、五〇メートル走六秒だったな……流石だ……」
「んなこたぁどーでもいいっつーの! それよりもだ」
九斗は冷司の両肩をがっしり掴み、自分に向き直させた。
「それよりもお前、オレの事……あ、愛してる、のか?」
「……ああ……そうだよ」冷司は観念したように力を抜き、大きく息を吐いた。
「え……いつからだよ」
「いつからだろうな……はっきり覚えちゃいないが、中坊の頃には既に」
「そ、そーかよ」
──今年最大、いや人生最大のビックリ仰天だぞおい。
とてつもなく気まずそうな親友をぼんやり見やりながら、九斗はある事実に気付いた。
──あれ、何か……嬉しいな。
「引いただろ。気持ち悪いよな」冷司は自嘲するように笑った。
「え、あ──」
「ごめんな。改めて頼む、忘れてくれ」
「いや、その──」
「それと、許されるならこれからも友達でいてほし──」
「話聞けっての!」
ヘッドロックの時とは異なり一切の加減がない九斗のチョップが、冷司の脳天に炸裂した。
「ぐ……ば、馬鹿力……」
「ビックリしたけどよ、引いてもねーし、気持ち悪くもねーよ」
「……え?」頭をさすりながら、冷司は顔を上げた。
「むしろオレ、嬉しいぞ」
「いや……え、嬉しいって、俺は男だぞ?」
「おう、わかってら。多分、お前だからだ。他の男だったらそんな風には思わねーだろうよ」
冷司は目をぱちくりさせている。
──お、珍しい顔。
九斗が思わず頬を緩めると、冷司は疑うように眉をひそめ、
「ほんとか?」
「ほんとだ」
「ほんとにほんとか?」
「ほんとにほんとだ」
前方からやって来るランニング中の男性が去るまで待つと、冷司は一つ咳払いした。
「あー、だったら……周りには内緒で、とりあえず試しに付き合ってみないか? 嫌になったらすぐ言ってくれればいいからさ。ど、どうだ?」
「おう、やってみるか!」
「いいのかよ!?」
「いいから言ってんだろ!」
そんなこんなで、麻宮九斗と槙屋冷司の、恋人同士としての日常が始まった。
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