料理人がいく!

八神

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番外編『魔法使いがいく!』

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…二日後。


王都に比較的近い村に兵士や魔術師達が着いたようなので、その連絡を受けた彼はソコへと移動する。


「…なんだ、これっぽっちか?」


村の入り口で整列している兵士達を見て到着したばかりの彼が問う。


「捕虜の数が数ですので、割ける人数は今のところ我々が精一杯だと聞きました!」

「そうか…まあ、魔術師の数はそれなりにいるようだし…問題はあるまい」


整列した兵士達の前に立っている『准将』と表示されている男の返事に、彼は近くにいる魔術師達を見ながら頷く。


「それじゃあ作戦を開始するか」

「ち、ちょっとお待ち下さい!本当にこの人数で大丈夫なのですか!?」


協力してくれている魔術師達を含めても150名ほどですよ!?と男が不安そうに尋ねた。


「ありがたい事に何故かあっちは王都の前に大規模な陣営を敷いている、この人数でもなんとかなるハズだ」

「しかし…」

「なんだ?嫌なのか?」


彼の説明に納得がいかないように食い下がる男に聞き返す。


「嫌ならこの作戦から外れてもいいぞ、代わりならあの中から選ぶだけだ」

「…いえ、失礼しました…無礼な態度をお許し下さい」


畳み掛けるような彼の言葉に男は頭を下げて謝る。


「いいか!俺の指示は絶対だ!破るとどうなるか…分かっているよな?」

「「「サー!イエッサー!!」」」


念のため…と他の兵士達に釘を刺すように号令をかけると、声を揃えて敬礼しながら返事をした。


「では、これより作戦を開始する」


サー、イエッサー!という兵士達の号令を聞く前に彼は王都前に敷かれた敵の大陣営へ向かって歩く。

「…召喚スキル『インドラ』目標、敵全体…攻撃だ」

 「ウオォォォ!!」


彼がスキルを発動させると上空に展開された魔方陣から召喚獣が出現し…


手に持っていた剣を空に向かって突くと、眩い閃光が辺りを包む。


「…よし、ちゃんと生きているな」


敵の大陣営に乗り込むと倒れている兵士達の状態を確認して閃光弾を空に向かって打ち出す。


「!合図だ!全軍、進め!」

「「サー、イエッサー!!」」


合図を見た『准将』と表示されている男は兵士達に指示を出した。
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