料理人がいく!

八神

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番外編『魔法使いがいく!』

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「…行動を起こすのは明日にして今日は寝るか…『ダウン』」


夜になったので彼は考える事を一旦放棄してスキルを使って街に降りる。


「召喚スキル『ストック』…さて、宿は…」


上空の召喚獣をしまうと彼は宿屋を探すために歩き出す。


「…どこもかしこも閉まってるな…」


外に展開してる軍の影響があるのか、街には少数の兵士が歩いてるだけで店はどこも閉まっていた。


「誰だ!おい!貴様、どこから入って来た!」


彼が空いてる宿を探して歩き回っていると『兵士 Lv5』と表示されている男が近づいて来る。


「俺は魔導協会から派遣されて来た者だ」


男の質問に答えるように彼は魔導協会所属の証であるペンダントを見せた。


「!コレは失礼しました!援軍、感謝します!」


すると男は直ぐに敬礼しながら謝ってお礼の言葉を告げる。


「それで宿を探しているんだが…どこかに空いている所は無いか?」

「分かりました、案内します」


こちらです。と男は彼を先導するかのように歩き出す。


「ちなみに…今回は魔導協会からどのくらいの人数が援軍として送られて来てるんでしょうか?」

「俺一人だ」

「一人…!たった…!?…やっぱり、もう…ダメなのか…」


彼が道中の質問に答えると男は驚いた後に絶望したかのような呟きを漏らす。


その後に会話は無く、5分ほど歩いた場所にある宿屋を開けてもらい彼はソコに宿泊する事に。


「では、失礼します」

「ちょっと待ってくれ」


男が頭を下げて宿屋から出て行こうとするのを、彼はチェックインの書類を書きながら止めた。


「まだ何か?」

「一応政府要人達に挨拶しておきたい、どこに居るか分かるか?」

「魔導協会の支部の地下室に匿われてると聞きましたが…」

「…協会不文律が最後の砦というワケか…ありがとう」


彼は男に礼を言うとチェックインを済まして部屋を確認し、支部の建物へと出向く。


「…ココに政府要人が匿われている、と聞いたが」

「…あなたは?」


建物の中に入るや否や彼がそう尋ねると受付嬢が不審者を見るような目で問う。


「俺は派遣されて来た。話は通ってるハズだ」

「派遣…?…!では、あなたが…!あの魔導召喚師様ですか!?」

「…いや、今は…」


受付嬢の言葉に彼は軽く否定して自分の表示を出して反転し、確認する。


するとこの前までは『魔導召喚師』となっていた部分が、地位を得た事により『枢機卿』へと変わっていた。
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