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「ふーんふふーん♪…ん?」
とある山奥の小屋で一人の男が鼻歌混じりに料理をしていた。
「どこだ!」
「ここにはいない!」
「!?こんな所に家が…?」
するとなぜか急に外が騒がしくなり…なにやら人の足音が。
「…人…?」
「こんな所で何をしている!」
「ココは戦場指定区域だぞ!」
いきなりドアを蹴破られたかと思えば『兵士 Lv8』と上に表示された人達が無断で入って来る。
「おたくら誰?人を招いた覚えは無いんだけど?」
彼…いや彼女は急な来訪者に鬱陶しそうな目を向けた。
「…民間人、か…?」
「なぜこんな所に…?」
兵士達は彼女のエプロン姿を見て不思議そうに首を傾げる。
「なぜって…ココに住んでるからに決まってるじゃん」
「だが、この山に人が住んでいるという情報は…」
彼女の言葉を聞いて兵士が無線機を取り出した。
「こちら第一小隊A、応答願います」
無線機に向かって話しかけてる兵士を無視して彼女は料理を皿に移す。
「…分かりました、そのように…」
「「どうした?」」
「騎士が来るから、謝罪とお詫びをして撤退だと」
「なっ…!騎士だと!?」
なにやら内輪でごちゃごちゃ話し合ってる兵士達を彼女は気にも留めない。
「ドアを壊してしまい、申し訳ありません…代金や邪魔したお詫びはココに置いて行きます」
兵士の一人が頭を下げると金貨を一枚玄関に置いていなくなる。
兵士達がいなくなって2時間後。
「…くっ…うっ、はぁ…!ぐ…!」
明日の食事用の山菜を取りに外に出ると、歩いて少しした場所の先で鎧を着けた人が倒れていた。
「!?おい!大丈夫か!?」
彼女は驚きながらも急いで血まみれの男に近づく。
「…民間、人…だと…?…ココは、危ない…早く、避難…しろ…」
かなりの出血量にも関わらず青年は彼女に指示して立ち上がろうとする。
「ぐっ…!」
「…待ってろ、今…」
ドシャ…と倒れた青年を見て、彼女は袋からフライパンを取り出す。
「スキル『料理』」
彼女が何かを唱えると火も無いのにフライパンが熱された。
「バターをひいて…包丁スキル『皮剥き』『千切り』フライパンスキル『瞬間加熱』」
袋から取り出した食材を鮮やかな手つきで空中で切り刻み、フライパンで受け止めて炒める。
「ほら…簡単な山菜炒めだが、食べれば体力…HPが回復する」
袋から皿とフォークを取り出して料理を移すと青年に手渡した。
「…なに…?」
「良いから食え!そのままじゃ死ぬぞ!?」
「わ、分かった…」
彼女の言葉が信じられずに青年は怪訝そうな顔をするも剣幕に負けて一口食べた。
「こ、コレは…!美味い!ソレに…怪我も…!」
料理を全て食べ終わると青年は緑色の光に包まれてHPのゲージが回復し、赤色から緑色になる。
とある山奥の小屋で一人の男が鼻歌混じりに料理をしていた。
「どこだ!」
「ここにはいない!」
「!?こんな所に家が…?」
するとなぜか急に外が騒がしくなり…なにやら人の足音が。
「…人…?」
「こんな所で何をしている!」
「ココは戦場指定区域だぞ!」
いきなりドアを蹴破られたかと思えば『兵士 Lv8』と上に表示された人達が無断で入って来る。
「おたくら誰?人を招いた覚えは無いんだけど?」
彼…いや彼女は急な来訪者に鬱陶しそうな目を向けた。
「…民間人、か…?」
「なぜこんな所に…?」
兵士達は彼女のエプロン姿を見て不思議そうに首を傾げる。
「なぜって…ココに住んでるからに決まってるじゃん」
「だが、この山に人が住んでいるという情報は…」
彼女の言葉を聞いて兵士が無線機を取り出した。
「こちら第一小隊A、応答願います」
無線機に向かって話しかけてる兵士を無視して彼女は料理を皿に移す。
「…分かりました、そのように…」
「「どうした?」」
「騎士が来るから、謝罪とお詫びをして撤退だと」
「なっ…!騎士だと!?」
なにやら内輪でごちゃごちゃ話し合ってる兵士達を彼女は気にも留めない。
「ドアを壊してしまい、申し訳ありません…代金や邪魔したお詫びはココに置いて行きます」
兵士の一人が頭を下げると金貨を一枚玄関に置いていなくなる。
兵士達がいなくなって2時間後。
「…くっ…うっ、はぁ…!ぐ…!」
明日の食事用の山菜を取りに外に出ると、歩いて少しした場所の先で鎧を着けた人が倒れていた。
「!?おい!大丈夫か!?」
彼女は驚きながらも急いで血まみれの男に近づく。
「…民間、人…だと…?…ココは、危ない…早く、避難…しろ…」
かなりの出血量にも関わらず青年は彼女に指示して立ち上がろうとする。
「ぐっ…!」
「…待ってろ、今…」
ドシャ…と倒れた青年を見て、彼女は袋からフライパンを取り出す。
「スキル『料理』」
彼女が何かを唱えると火も無いのにフライパンが熱された。
「バターをひいて…包丁スキル『皮剥き』『千切り』フライパンスキル『瞬間加熱』」
袋から取り出した食材を鮮やかな手つきで空中で切り刻み、フライパンで受け止めて炒める。
「ほら…簡単な山菜炒めだが、食べれば体力…HPが回復する」
袋から皿とフォークを取り出して料理を移すと青年に手渡した。
「…なに…?」
「良いから食え!そのままじゃ死ぬぞ!?」
「わ、分かった…」
彼女の言葉が信じられずに青年は怪訝そうな顔をするも剣幕に負けて一口食べた。
「こ、コレは…!美味い!ソレに…怪我も…!」
料理を全て食べ終わると青年は緑色の光に包まれてHPのゲージが回復し、赤色から緑色になる。
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