商人でいこう！

外伝『用心棒転生』(更新不定期)

6

…翌日。


「さて、最低限の備えは出来た。後は情報収集か」


少年は朝早くから起きると日課の鍛錬を済ませると風呂に入って制服を着ながら呟く。


「あの女が来る前に接触しなければならんが…アレの居場所が分からない事には、な…」


考えるように独り言を言うと少年はカバンを持って学校へと向かう。


「…ねぇ、アレって…」

「…うん…あ…」



学校へと近づくと生徒の何人かが少年を見ると何かを囁きながら視線を逸らす。


「ゴールを決めた時の…あ」

「あ？…あ」


少年がガラッ…と、教室のドアを開けて中に入ろうとすると急に雰囲気が凍りついたように静かになった。


「おっ！自殺未遂の構ってちゃんじゃないか！俺らから取った金で豪遊でもして元気になったか？」

「元気になったんなら金、返せよな。お前のせいで親にすっげー怒られたんだけど？」


少年の後から入って来た制服を着崩した生徒が少年を見るや否や周りを囲むようにして脅すように話しかける。


「おい、なんとか言えよ」

「後遺症で喋れなくなったとか？」

「マジで？可哀想にな～」


少年が無視してると生徒達は少年の肩に肘を置いて更に絡んできた。


「お前ら今保護観察中なんだろ？あんまり派手にやると今度こそ少年院に入れられるぞ」

「大丈夫大丈夫。ネンショーに入ったって一年ぐらいだし、余裕っしょ」


他の生徒が止めるように言ってくるが不良の生徒は聞く耳を持たない様子でピースしながら笑う。


「ま、明日からまたよろしくな！」


不良の生徒は少年の肩を軽く叩いて笑うと自分の席へと戻っていく。


その後に教師が教室の中に入ってきて普通にホームルームが始まった。


…そして特に何も無いまま昼休みの時間へと差し掛かる。


「おう、ちょっといいか？」

「…なんだ？」

「ココじゃなんだし…ちょっとついて来い」

「ココでも不都合はあるまい。そのまま話せ」


少年は不良の生徒の誘いに応じずに話をするよう促した。


「あ？いいから来いっての」

「ふぅ…分かった分かった」


腕を掴んで引っ張られ、少年は仕方ない…といった様子で立ち上がり不良の生徒の後をついて行く。