商人でいこう！

おまけ

6

～元の世界へと戻って来た当日～



キーンコーンカーンコーン…


「やっと帰れるぜ、この後ゲーセンいかね？」
「あー、バイトだりー」
「このあとマック行かね？」


学校の授業に懐かしさを感じているとあっという間に放課後になった。


…あの異世界での出来事が本当に全て夢だったんじゃないか？と、思いながら校舎を出たら正門のところに珍しく他の学校の制服を着た女子の姿が。


「あ！おっつー、やっぱパセリも帰って来てたんだ！」

「お嬢？なんでココに…？」


同級生の…現在は落ちぶれた、売れない『女子高生アイドル』である幼馴染が俺を見ると待っていたかのように駆け寄って話しかけてくる。


「なんで、って…そりゃあ決まってるっしょ？あんたも異世界から戻って来てるのかを確かめに！」

「…あー、はいはい。続きは他のところでね」


こんな同級生、下級生、上級生…更には教師までいるところでそんな話を聞かれてはイタイ誤解を招きかねないので場所を移して話す事に。


「で？どうなの？」

「なにが？」

「報酬。女神が言ってたじゃん、所持品は全て持ち帰れるって」


パセリは何を持って帰ったの？と、お嬢は歩いている最中にわざわざ前の方に出て顔を覗き込むように聞いてくる。


「あー、アレどうなの？マジなやつ？」

「うん。ほら私があっちで使ってたヤツ」


俺が半笑いで聞くとお嬢はどこからともなく剣を取り出して見せて来た。


「ちょっ…！！」

「ちゃんと防具もあったし、アクセとかもあった」

「マジで？…なんで俺には何も無いの…？」


普通に周りに人がいるのに剣を持つので俺が焦っていると直ぐにどこかに仕舞い、確認した結果を教えてくれるのでカバンの中身を確認しながら呟く。


「モノは家に送られてたよ。通帳にはあっちでの所持金と同じ金額が入ってたし」

「マジか。じゃあ俺のも家に？」

「何があるか見に行こう！」

「…そだな。どこまで送られて来てるんだろうな」


女神はこの世界のルールの範囲内で、って言ってたし…と最後の話を思い出しながら俺の家へと向かう。