商人でいこう！

おまけ

5

「あっ！お久しぶりですわ、ご主人様！」

「…あ、うん。久しぶり」


お姉さんが誰かを手招きすると…あの女の子が小走りでやってきて、大通りだと言うのにスカートの端を持ち上げて頭を下げて挨拶し始める。


「お、おい…今、ご主人様って…！？」

「あの人、ココの領主じゃ…！」

「この依頼出した？」


急な依頼人の登場に二人の男が驚くので俺は依頼書を見せて確認した。


「…知りません。今初めて見ました」

「最近領主の名を騙る詐欺師がいると聞くが…どこでコレを？」


女の子が紙を見て首を横に振ると銀髪の青年が鋭い目つきで俺に聞く。


「…そこの建物だって。だよね？」

「あ、ああ…受付の人から貰ったが…」

「お嬢様の名を騙る不届き者が…！楽に死ねると思うなよ」


俺の問いに男が頷くと銀髪の青年は物騒な事を言って建物の中に入って行った。


すると5分もしないで銀髪の青年が出てくる。


…ロープでぐるぐる巻きにされた男達を三名ほど引き摺って。


「お嬢様。どうやらこいつらが犯人だったみたいですね」

「犯人って…え！？詐欺！？」

「…騙される前で良かったね」


銀髪の青年の言葉に男はようやく騙されていた事を悟ったのか驚愕するので、俺は慰めの言葉をかける。


「…おい、まさか…」

「あ、ああ…どうやらアイツが正しかったみたいだな…」


男二人はなぜか冷や汗をかきながら目配せをした。


「…どうする？」

「どうするもこうするも…謝るしかないだろう」

「…だな。今ならまだ間に合うか？」

「あ！待てよ！」


男達は二人で話し合ったと思えばどこかに走って行く。


「ご主人様、これからお時間はありますか？」

「…え？なんで？」

「その…視察を一緒にどうか、と思いまして…」

「いいんじゃない？ どうせこれからクレープ食べに行くところだったし」


…何故か俺の代わりにお姉さんが了承して女の子と一緒に街のスイーツショップを巡る事になってしまった。











…つ づ く…？