178 / 208
おまけ
3
しおりを挟む
「…そういえば、あの女の子に『パセリ』と呼ばれていたが…」
村での売買を済ませての移動中に車の中でおじさんが思い出したかのように話題を切り出す。
「ああ…アレはあだ名みたいなもの。パシリじゃ印象が悪いから、ちょっとモジってパセリ」
「パシリ…?あの女の子にイジメられていたのか?」
俺が名前の由来を話すとおじさんが険しい顔になって聞いてくる。
「違う違う、イジメられては無いよ…多分。…話せばちょっと長くなるからなぁ…」
まあ、時間潰しにはちょうどいいか。と、俺はおじさんが何か言う前に話す事に。
「アイツ、可愛かったでしょ?小さい頃からそりゃもう可愛くて子役として活躍してたんだけど…」
「こやく?」
「あー…えーっと、アイドルの子供時代?でいいのか…?」
「…なるほど」
…この世界で芸能界の話をしても絶対に通じないのでおじさんにも分かるような言葉に変えて話す。
「子供ながらに給料貰ってるから欲しい物を服から靴からバッグから…とにかく大量に買うヤツでさ」
その荷物持ちをさせられてたワケ。と、俺は遠回しにパシられている経緯を告げる。
「…他には居ないのか?あの見た目だ。同年代にはモテそうなものだが…」
「俺の同い年はみんな脱落した。歳下や歳上も…買い物に時間かかる上に大量に持たせてくるからね」
いくら顔が良くてもワガママでそんなんじゃ嫌気も差すでしょ?と、俺は笑いながら返す。
「…みんな脱落したというのなら、なぜお前さんは付き合っている?」
「みんなにお願いされて、押し付けられた。結局は誰かがやらないと悪い大人が寄ってくるかもしれないから」
アレでも昔から俺らのアイドルだったからね。と、おじさんの疑問に苦笑しながら答えた。
「…そんなに慕われてるのか?そうは見えなかったが…」
「色々あってね。一応荷物持ちをしたら夕飯とか昼飯とか美味いモン奢ってくれてたし…ワガママな女王様にも良いところはあるんだよ」
話が長くなってしまったので俺は最後に良い話風に纏めて締める。
村での売買を済ませての移動中に車の中でおじさんが思い出したかのように話題を切り出す。
「ああ…アレはあだ名みたいなもの。パシリじゃ印象が悪いから、ちょっとモジってパセリ」
「パシリ…?あの女の子にイジメられていたのか?」
俺が名前の由来を話すとおじさんが険しい顔になって聞いてくる。
「違う違う、イジメられては無いよ…多分。…話せばちょっと長くなるからなぁ…」
まあ、時間潰しにはちょうどいいか。と、俺はおじさんが何か言う前に話す事に。
「アイツ、可愛かったでしょ?小さい頃からそりゃもう可愛くて子役として活躍してたんだけど…」
「こやく?」
「あー…えーっと、アイドルの子供時代?でいいのか…?」
「…なるほど」
…この世界で芸能界の話をしても絶対に通じないのでおじさんにも分かるような言葉に変えて話す。
「子供ながらに給料貰ってるから欲しい物を服から靴からバッグから…とにかく大量に買うヤツでさ」
その荷物持ちをさせられてたワケ。と、俺は遠回しにパシられている経緯を告げる。
「…他には居ないのか?あの見た目だ。同年代にはモテそうなものだが…」
「俺の同い年はみんな脱落した。歳下や歳上も…買い物に時間かかる上に大量に持たせてくるからね」
いくら顔が良くてもワガママでそんなんじゃ嫌気も差すでしょ?と、俺は笑いながら返す。
「…みんな脱落したというのなら、なぜお前さんは付き合っている?」
「みんなにお願いされて、押し付けられた。結局は誰かがやらないと悪い大人が寄ってくるかもしれないから」
アレでも昔から俺らのアイドルだったからね。と、おじさんの疑問に苦笑しながら答えた。
「…そんなに慕われてるのか?そうは見えなかったが…」
「色々あってね。一応荷物持ちをしたら夕飯とか昼飯とか美味いモン奢ってくれてたし…ワガママな女王様にも良いところはあるんだよ」
話が長くなってしまったので俺は最後に良い話風に纏めて締める。
0
お気に入りに追加
420
あなたにおすすめの小説

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる