商人でいこう!

八神

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…翌日。


朝食が終わって少しした後に情報屋の男がやって来たので4人の子供を連れて街へと向かう。


…スキルの売買自体は俺の時と同じで直ぐに終わったが一人あたり1800万円は流石に痛い。


4人で7200万円だし、それにプラスでコンテナや車部分に特注のハーネス…


楽するためとはいえ俺の代わりを用意するのに約1億円近くもかかるのは中々にキツい感じがする。


…まあ所持金が今や500億円ぐらいあるから懐的には全然ダメージは無いけど…


やっぱりこうも微妙に現実的だと精神的なダメージが、ね。


…そんな事はさておき。


帰宅した後にお姉さんに教えて貰って原種のドラゴンを子供達に貸し出し、世話の仕方を教えた。


…世話と言ってもご飯とかおやつとかご褒美をちゃんとあげる事と…


ドラゴンを働かせ過ぎずに適度に休ませたりあまり無茶をさせない、って当たり前の事を伝えただけなんだけど。


とりあえず車やコンテナが揃うまでは何も出来ないのでドラゴンを貸したものの実際の活動は来週辺りになる気がする。


そして午後。


やる事は終わったのでお姉さんのお願いを聞いてあの国へと向かった。


「…おお、鉱山の中でドラゴンが飛行してるなんて不思議な気分」

「…速度はいつもより大分遅い…いや、十分過ぎるほどに速いがこんな狭い場所でどこにもぶつからないとは…凄い精密な動作だな」


車内で窓から見る景色に俺が驚いたように言うとおじさんも違った意味で驚いている。


「機材を運ぶために大きく掘ってくれていて助かった。このドラゴンが入らなかったらあのドラグーンに削ってもらおうと思ったのに」

「…あ、行き止まり」


お姉さんが10mを軽く超える巨体のドラゴンでもスイスイ飛行出来る広さに掘っていた兵士達に感謝したような事を言うと行き止まりに差し掛かった。


「…もうちょっと離した方が…そう、そこで」


車とコンテナが壁に近過ぎたのか位置を動かすよう言われたので、ドラゴンにお願いして距離を取る。


「…こんな所で何をするの?」

「採掘作業よ。ドラゴンの火炎弾だと人力や機材よりも簡単に壁とか崩せるし」

「…大丈夫なの?落盤とか…」

「大丈夫大丈夫。本気出さない限り事故は起きないって」


…ドラゴンが本気を出せば落盤の危険があるのか…と、俺は心配になりつつもドラゴンにお願いしてみた。


「…うわっ!」


ドラゴンが火炎弾を放って壁に当てると爆発して辺りに細かい石が飛び散る。


「やっぱり。良い感じね」

「…これにオリハルコンが含まれてるのか?」


ガラガラ…と崩れて小さい山のようになった石をお姉さんが選別しながら拾って喜ぶとおじさんも手伝いながら拳大の石を見て呟く。


「ココはミスリル鉱山だから無いと思う…断言は出来ないけど」

「…そうか。ならばミスリルが含まれてるのか?」

「ココは浅いからごく微量には含まれるかも」


おじさんとお姉さんは話をしながら拾った石をコンテナに入れて行った。


「…これぐらいあれば多分足りるかも…」


選別した石を集め終わったのかお姉さんはどこからか杖と本を取り出して両手に持つとブツブツと何かを呟き始める。


「…何してるの?」

「…分からん。魔法を使おうとしてるようだが…」


コンテナに積まれた石の下に魔方陣が浮かび上がるとピカーと微妙な明るさの光を放った。


すると魔法陣が大きく広がったかと思えば消えて見えなくなる。


「…探知魔法か!そんな技まで使えるとは…!」


おじさんは目の前の光景を見ながら顎に手を当てて少し考えると思い当たる節があったのか声に出して驚く。


「…探知魔法?」

「…俺もあまり詳しくは知らないが、地質学の研究者や学者が使うと聞いた事がある」


鉱石や化石などを探す際に使われるらしいが…と、おじさんはザックリとした説明をする。


「おじさまは物知りね。正確にはソレらに含まれる魔力の波長を解析して場所を探るんだけど…」

「…ダウジングとかソナーの陸上版?」

「…ホントは疲れるからやりたくはなかったんだけど…そうでもしないと結晶を見つける事は出来ないから」


お姉さんは疲れたように、ふぅ…とため息を吐くと理由を話す。
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