160 / 208
159
しおりを挟む
…翌日。
朝食が終わって少しした後に情報屋の男がやって来たので4人の子供を連れて街へと向かう。
…スキルの売買自体は俺の時と同じで直ぐに終わったが一人あたり1800万円は流石に痛い。
4人で7200万円だし、それにプラスでコンテナや車部分に特注のハーネス…
楽するためとはいえ俺の代わりを用意するのに約1億円近くもかかるのは中々にキツい感じがする。
…まあ所持金が今や500億円ぐらいあるから懐的には全然ダメージは無いけど…
やっぱりこうも微妙に現実的だと精神的なダメージが、ね。
…そんな事はさておき。
帰宅した後にお姉さんに教えて貰って原種のドラゴンを子供達に貸し出し、世話の仕方を教えた。
…世話と言ってもご飯とかおやつとかご褒美をちゃんとあげる事と…
ドラゴンを働かせ過ぎずに適度に休ませたりあまり無茶をさせない、って当たり前の事を伝えただけなんだけど。
とりあえず車やコンテナが揃うまでは何も出来ないのでドラゴンを貸したものの実際の活動は来週辺りになる気がする。
そして午後。
やる事は終わったのでお姉さんのお願いを聞いてあの国へと向かった。
「…おお、鉱山の中でドラゴンが飛行してるなんて不思議な気分」
「…速度はいつもより大分遅い…いや、十分過ぎるほどに速いがこんな狭い場所でどこにもぶつからないとは…凄い精密な動作だな」
車内で窓から見る景色に俺が驚いたように言うとおじさんも違った意味で驚いている。
「機材を運ぶために大きく掘ってくれていて助かった。このドラゴンが入らなかったらあのドラグーンに削ってもらおうと思ったのに」
「…あ、行き止まり」
お姉さんが10mを軽く超える巨体のドラゴンでもスイスイ飛行出来る広さに掘っていた兵士達に感謝したような事を言うと行き止まりに差し掛かった。
「…もうちょっと離した方が…そう、そこで」
車とコンテナが壁に近過ぎたのか位置を動かすよう言われたので、ドラゴンにお願いして距離を取る。
「…こんな所で何をするの?」
「採掘作業よ。ドラゴンの火炎弾だと人力や機材よりも簡単に壁とか崩せるし」
「…大丈夫なの?落盤とか…」
「大丈夫大丈夫。本気出さない限り事故は起きないって」
…ドラゴンが本気を出せば落盤の危険があるのか…と、俺は心配になりつつもドラゴンにお願いしてみた。
「…うわっ!」
ドラゴンが火炎弾を放って壁に当てると爆発して辺りに細かい石が飛び散る。
「やっぱり。良い感じね」
「…これにオリハルコンが含まれてるのか?」
ガラガラ…と崩れて小さい山のようになった石をお姉さんが選別しながら拾って喜ぶとおじさんも手伝いながら拳大の石を見て呟く。
「ココはミスリル鉱山だから無いと思う…断言は出来ないけど」
「…そうか。ならばミスリルが含まれてるのか?」
「ココは浅いからごく微量には含まれるかも」
おじさんとお姉さんは話をしながら拾った石をコンテナに入れて行った。
「…これぐらいあれば多分足りるかも…」
選別した石を集め終わったのかお姉さんはどこからか杖と本を取り出して両手に持つとブツブツと何かを呟き始める。
「…何してるの?」
「…分からん。魔法を使おうとしてるようだが…」
コンテナに積まれた石の下に魔方陣が浮かび上がるとピカーと微妙な明るさの光を放った。
すると魔法陣が大きく広がったかと思えば消えて見えなくなる。
「…探知魔法か!そんな技まで使えるとは…!」
おじさんは目の前の光景を見ながら顎に手を当てて少し考えると思い当たる節があったのか声に出して驚く。
「…探知魔法?」
「…俺もあまり詳しくは知らないが、地質学の研究者や学者が使うと聞いた事がある」
鉱石や化石などを探す際に使われるらしいが…と、おじさんはザックリとした説明をする。
「おじさまは物知りね。正確にはソレらに含まれる魔力の波長を解析して場所を探るんだけど…」
「…ダウジングとかソナーの陸上版?」
「…ホントは疲れるからやりたくはなかったんだけど…そうでもしないと結晶を見つける事は出来ないから」
お姉さんは疲れたように、ふぅ…とため息を吐くと理由を話す。
朝食が終わって少しした後に情報屋の男がやって来たので4人の子供を連れて街へと向かう。
…スキルの売買自体は俺の時と同じで直ぐに終わったが一人あたり1800万円は流石に痛い。
4人で7200万円だし、それにプラスでコンテナや車部分に特注のハーネス…
楽するためとはいえ俺の代わりを用意するのに約1億円近くもかかるのは中々にキツい感じがする。
…まあ所持金が今や500億円ぐらいあるから懐的には全然ダメージは無いけど…
やっぱりこうも微妙に現実的だと精神的なダメージが、ね。
…そんな事はさておき。
帰宅した後にお姉さんに教えて貰って原種のドラゴンを子供達に貸し出し、世話の仕方を教えた。
…世話と言ってもご飯とかおやつとかご褒美をちゃんとあげる事と…
ドラゴンを働かせ過ぎずに適度に休ませたりあまり無茶をさせない、って当たり前の事を伝えただけなんだけど。
とりあえず車やコンテナが揃うまでは何も出来ないのでドラゴンを貸したものの実際の活動は来週辺りになる気がする。
そして午後。
やる事は終わったのでお姉さんのお願いを聞いてあの国へと向かった。
「…おお、鉱山の中でドラゴンが飛行してるなんて不思議な気分」
「…速度はいつもより大分遅い…いや、十分過ぎるほどに速いがこんな狭い場所でどこにもぶつからないとは…凄い精密な動作だな」
車内で窓から見る景色に俺が驚いたように言うとおじさんも違った意味で驚いている。
「機材を運ぶために大きく掘ってくれていて助かった。このドラゴンが入らなかったらあのドラグーンに削ってもらおうと思ったのに」
「…あ、行き止まり」
お姉さんが10mを軽く超える巨体のドラゴンでもスイスイ飛行出来る広さに掘っていた兵士達に感謝したような事を言うと行き止まりに差し掛かった。
「…もうちょっと離した方が…そう、そこで」
車とコンテナが壁に近過ぎたのか位置を動かすよう言われたので、ドラゴンにお願いして距離を取る。
「…こんな所で何をするの?」
「採掘作業よ。ドラゴンの火炎弾だと人力や機材よりも簡単に壁とか崩せるし」
「…大丈夫なの?落盤とか…」
「大丈夫大丈夫。本気出さない限り事故は起きないって」
…ドラゴンが本気を出せば落盤の危険があるのか…と、俺は心配になりつつもドラゴンにお願いしてみた。
「…うわっ!」
ドラゴンが火炎弾を放って壁に当てると爆発して辺りに細かい石が飛び散る。
「やっぱり。良い感じね」
「…これにオリハルコンが含まれてるのか?」
ガラガラ…と崩れて小さい山のようになった石をお姉さんが選別しながら拾って喜ぶとおじさんも手伝いながら拳大の石を見て呟く。
「ココはミスリル鉱山だから無いと思う…断言は出来ないけど」
「…そうか。ならばミスリルが含まれてるのか?」
「ココは浅いからごく微量には含まれるかも」
おじさんとお姉さんは話をしながら拾った石をコンテナに入れて行った。
「…これぐらいあれば多分足りるかも…」
選別した石を集め終わったのかお姉さんはどこからか杖と本を取り出して両手に持つとブツブツと何かを呟き始める。
「…何してるの?」
「…分からん。魔法を使おうとしてるようだが…」
コンテナに積まれた石の下に魔方陣が浮かび上がるとピカーと微妙な明るさの光を放った。
すると魔法陣が大きく広がったかと思えば消えて見えなくなる。
「…探知魔法か!そんな技まで使えるとは…!」
おじさんは目の前の光景を見ながら顎に手を当てて少し考えると思い当たる節があったのか声に出して驚く。
「…探知魔法?」
「…俺もあまり詳しくは知らないが、地質学の研究者や学者が使うと聞いた事がある」
鉱石や化石などを探す際に使われるらしいが…と、おじさんはザックリとした説明をする。
「おじさまは物知りね。正確にはソレらに含まれる魔力の波長を解析して場所を探るんだけど…」
「…ダウジングとかソナーの陸上版?」
「…ホントは疲れるからやりたくはなかったんだけど…そうでもしないと結晶を見つける事は出来ないから」
お姉さんは疲れたように、ふぅ…とため息を吐くと理由を話す。
0
お気に入りに追加
412
あなたにおすすめの小説
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~
剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。
【完結】底辺冒険者の相続 〜昔、助けたお爺さんが、実はS級冒険者で、その遺言で七つの伝説級最強アイテムを相続しました〜
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
試験雇用中の冒険者パーティー【ブレイブソード】のリーダーに呼び出されたウィルは、クビを宣言されてしまう。その理由は同じ三ヶ月の試験雇用を受けていたコナーを雇うと決めたからだった。
ウィルは冒険者になって一年と一ヶ月、対してコナーは冒険者になって一ヶ月のド新人である。納得の出来ないウィルはコナーと一対一の決闘を申し込む。
その後、なんやかんやとあって、ウィルはシェフィールドの町を出て、実家の農家を継ぐ為に乗り合い馬車に乗ることになった。道中、魔物と遭遇するも、なんやかんやとあって、無事に生まれ故郷のサークス村に到着した。
無事に到着した村で農家として、再出発しようと考えるウィルの前に、両親は半年前にウィル宛てに届いた一通の手紙を渡してきた。
手紙内容は数年前にウィルが落とし物を探すのを手伝った、お爺さんが亡くなったことを知らせるものだった。そして、そのお爺さんの遺言でウィルに渡したい物があるから屋敷があるアポンタインの町に来て欲しいというものだった。
屋敷に到着したウィルだったが、彼はそこでお爺さんがS級冒険者だったことを知らされる。そんな驚く彼の前に、伝説級最強アイテムが次々と並べられていく。
【聖龍剣・死喰】【邪龍剣・命喰】【無限収納袋】【透明マント】【神速ブーツ】【賢者の壺】【神眼の指輪】
だが、ウィルはもう冒険者を辞めるつもりでいた。そんな彼の前に、お爺さんの孫娘であり、S級冒険者であるアシュリーが現れ、遺産の相続を放棄するように要求してきた。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!
KeyBow
ファンタジー
日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】
変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。
【アホが見ーる馬のけーつ♪
スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】
はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。
出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!
行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。
悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!
一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
妾の子だった転生勇者~魔力ゼロだと冷遇され悪役貴族の兄弟から虐められたので前世の知識を活かして努力していたら、回復魔術がぶっ壊れ性能になった
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
◆2024/05/31 HOTランキングで2位 ファンタジーランキング4位になりました! 第四回ファンタジーカップで21位になりました。皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!!
『公爵の子供なのに魔力なし』
『正妻や兄弟姉妹からも虐められる出来損ない』
『公爵になれない無能』
公爵と平民の間に生まれた主人公は、魔力がゼロだからという理由で無能と呼ばれ冷遇される。
だが実は子供の中身は転生者それもこの世界を救った勇者であり、自分と母親の身を守るために、主人公は魔法と剣術を極めることに。
『魔力ゼロのハズなのになぜ魔法を!?』
『ただの剣で魔法を斬っただと!?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ……?』
『あいつを無能と呼んだ奴の目は節穴か?』
やがて周囲を畏怖させるほどの貴公子として成長していく……元勇者の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる