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…昼食後。
仕事に行くついでに女の子を隣国へと送り届ける…
前に新しく増えた領土をみんなで下見する事に。
「…あらー、思った以上に結構爪痕が残ってるのね」
「そんなに広範囲に展開していたわけではないと思うが…」
「…奴らはただ一直線に進んでいた。町や村を破壊するわけでもなく、逃げる人々を追いかける事もせずに、だ」
空からの景色を見ながら呟くお姉さんとおじさんに暴れ熊とか呼ばれてる男が当時の状況を説明した。
「…へー…じゃあなんで戦場になった場所以外の村とかに被害が?」
「おそらく賊や魔物の仕業だろう…魔王軍がどう動くか分からん以上ほとんどの領民は関所まで避難する筈だ」
一時期的に空いた時間に荒らされたんだろうよ。と、銀髪の青年がソファに寝っ転がって目を瞑りながら予想を話す。
「…山賊って魔王軍が怖くないの?」
「…他の村や町への被害は奴らを野放しにしていた俺の責任だ。賊ごときいつでも始末出来ると放置していたのが仇になってしまった」
「…過ぎた事は仕方ありません。大事なのはこれからどうするか、です」
「お嬢…そうだな。領民の安全のために奴らを根絶やしにせねば…!」
俺の疑問を無視して男と女の子がなんか和解して仲良くなってますよーみたいな雰囲気を出した。
「今は山賊達を捜索しているんでしょう?」
「ああ。生き残った俺の部隊にこのあたりの領土の巡回を任せている」
異常があれば直ぐに報せが届くだろう。と、男がお姉さんの疑問に答える。
「…ふ。上からだと山賊の隠れ家は直ぐに見つかるものだ」
「…なんだと?」
おじさんが窓から景色を見ながら呟くと銀髪の青年が上半身を起こした。
「ちょっと停まってくれる…?…どこ?」
俺は興味本意でドラゴンにホバリングさせて山賊の隠れ家とやらを見てみる事にした。
「…あそこだ」
「…どこ?」
「…あっちって、森のところ…?木しか見えないけど…」
おじさんの指差す方を見たけど俺もお姉さんも女の子も…やっぱり森しか見えない。
「…どこだ?」
「…本当に見えたのか?適当言ったんじゃないのか?」
「おじさまは目が良いから…うーん……あ、見つけた」
…いや、この距離であんな木に隠れた僅かな隙間から気づくなんておかしくない…?と、お姉さんは魔法を使った後に引きつったように笑ってヒいたような感じで呟く。
「…どうする?」
「治安のためには捕まえた方が良いとは思うが…この人数では難しいだろうな」
「…方法はあるけど…決定権は私には無いし…」
「…どゆこと?」
俺の問いにおじさんが否定的なのにお姉さんは一応アイディアはある…みたいな事を言う。
「…捕縛した賊をコンテナの中に入れて運ぶ…だろう?」
「さすが。でも私達はあくまで護衛で同伴者だから…」
「…ご主人様…」
「…また俺の判断待ち?」
おじさんとお姉さん、女の子が何かを言いたげな目で俺を見るのでちょっと気まずい気持ちになりながら聞く。
「…俺は危ない目に遭いたくないからなぁ…でもまあ、判断は任せるよ」
「…!ありがとうございます!では早速アジトに向かいましょう!」
俺が頭を掻きながら選択肢を女の子に委ねると明るい笑顔でお礼を言い指示を出す。
「…捕縛するのは私がやるけど…無力化の手伝いは出来ないからね?」
「俺もだ。敵の数が多い場合には雇い主を守る事を優先せねば」
「大丈夫です。賊の相手なら私達三人だけでも」
お姉さんとおじさんが俺の護衛を優先する…と告げるも女の子はそれでいいと頷く。
仕事に行くついでに女の子を隣国へと送り届ける…
前に新しく増えた領土をみんなで下見する事に。
「…あらー、思った以上に結構爪痕が残ってるのね」
「そんなに広範囲に展開していたわけではないと思うが…」
「…奴らはただ一直線に進んでいた。町や村を破壊するわけでもなく、逃げる人々を追いかける事もせずに、だ」
空からの景色を見ながら呟くお姉さんとおじさんに暴れ熊とか呼ばれてる男が当時の状況を説明した。
「…へー…じゃあなんで戦場になった場所以外の村とかに被害が?」
「おそらく賊や魔物の仕業だろう…魔王軍がどう動くか分からん以上ほとんどの領民は関所まで避難する筈だ」
一時期的に空いた時間に荒らされたんだろうよ。と、銀髪の青年がソファに寝っ転がって目を瞑りながら予想を話す。
「…山賊って魔王軍が怖くないの?」
「…他の村や町への被害は奴らを野放しにしていた俺の責任だ。賊ごときいつでも始末出来ると放置していたのが仇になってしまった」
「…過ぎた事は仕方ありません。大事なのはこれからどうするか、です」
「お嬢…そうだな。領民の安全のために奴らを根絶やしにせねば…!」
俺の疑問を無視して男と女の子がなんか和解して仲良くなってますよーみたいな雰囲気を出した。
「今は山賊達を捜索しているんでしょう?」
「ああ。生き残った俺の部隊にこのあたりの領土の巡回を任せている」
異常があれば直ぐに報せが届くだろう。と、男がお姉さんの疑問に答える。
「…ふ。上からだと山賊の隠れ家は直ぐに見つかるものだ」
「…なんだと?」
おじさんが窓から景色を見ながら呟くと銀髪の青年が上半身を起こした。
「ちょっと停まってくれる…?…どこ?」
俺は興味本意でドラゴンにホバリングさせて山賊の隠れ家とやらを見てみる事にした。
「…あそこだ」
「…どこ?」
「…あっちって、森のところ…?木しか見えないけど…」
おじさんの指差す方を見たけど俺もお姉さんも女の子も…やっぱり森しか見えない。
「…どこだ?」
「…本当に見えたのか?適当言ったんじゃないのか?」
「おじさまは目が良いから…うーん……あ、見つけた」
…いや、この距離であんな木に隠れた僅かな隙間から気づくなんておかしくない…?と、お姉さんは魔法を使った後に引きつったように笑ってヒいたような感じで呟く。
「…どうする?」
「治安のためには捕まえた方が良いとは思うが…この人数では難しいだろうな」
「…方法はあるけど…決定権は私には無いし…」
「…どゆこと?」
俺の問いにおじさんが否定的なのにお姉さんは一応アイディアはある…みたいな事を言う。
「…捕縛した賊をコンテナの中に入れて運ぶ…だろう?」
「さすが。でも私達はあくまで護衛で同伴者だから…」
「…ご主人様…」
「…また俺の判断待ち?」
おじさんとお姉さん、女の子が何かを言いたげな目で俺を見るのでちょっと気まずい気持ちになりながら聞く。
「…俺は危ない目に遭いたくないからなぁ…でもまあ、判断は任せるよ」
「…!ありがとうございます!では早速アジトに向かいましょう!」
俺が頭を掻きながら選択肢を女の子に委ねると明るい笑顔でお礼を言い指示を出す。
「…捕縛するのは私がやるけど…無力化の手伝いは出来ないからね?」
「俺もだ。敵の数が多い場合には雇い主を守る事を優先せねば」
「大丈夫です。賊の相手なら私達三人だけでも」
お姉さんとおじさんが俺の護衛を優先する…と告げるも女の子はそれでいいと頷く。
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