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…そんなこんな話してるうちに家についたので、俺の称号がどうとかの話は自然に消えた。
「はい。お土産」
「あ、ありがとうございます」
「あの有名なローレンスのチョコレートよ。やっぱり本場は値段が安い」
「え!あのローレンスの!?凄い…!都市部でも直ぐに売り切れるからずっと品薄状態だったのに…!」
お土産を渡すとメイド達とお姉さんがチョコレートの話題で盛り上がってるので俺は一足先に部屋に戻る。
…明日はどこに行こうかな…?流石に朝におじさんに釘を刺されたばっかだからここらへんでの商売は諦めた方がいいのか…?
…うーん…でもそろそろイモイモターンの量産が出来てる時期だと思うし…
あの田舎にでも……ふあ……
ベッドの上で寝っ転がって考えてると眠くなって来たので着替えを持って風呂場へと向かう。
「…ふう…」
「…なんだ、入っていたのか」
風呂用の椅子に座って洗剤で髪を洗いお湯で流し終えて一息つくとおじさんが腰にタオルを巻いて入ってきた。
…うーむ…見るたびに思うけど…
とても4、50代とは思えないほどの引き締まった厚みのある身体だな。
俺の方から肩をぶつけても逆に弾き返されそうだ…
「…やはり風呂場でタオルを巻く、というのは未だに慣れんな」
違和感が拭えん…と、おじさんは風呂用の椅子に座った後になんとも言えない顔で呟く。
「そう?まあ、銭湯とか温泉でも気にせずすっぽんぽんの奴とかいたけど…」
「…あれ?やっぱりこの時間に入ってたんだ」
身体を洗い終わって湯船に浸かりながら返すと今度はお姉さんがタオルを持って最低限の隠し方をしながら入って来る。
「…他に人が入ってる時はタオルを巻く決まりだろう」
「別にいいじゃない…最低限は隠してるんだから。ねえ?」
そんなお姉さんを見ておじさんが呆れたように指摘するが気にしてないかのように俺に振った。
「…俺としては目のやり場に困るからちゃんと巻いて欲しい」
「うふふ、可愛い反応」
恥ずかしくてお姉さんの方を見れないので入口に背を向けて返すとからかうように笑う。
「…あの年頃の男をそんな風にからかうと後でどうなっても知らんぞ」
「あら、おじさまは慎みのある女がタイプかしら?」
「俺個人の好みの問題では無い。もっと自衛する事を意識したらどうだ?」
「自衛も何も…この家には好みの範疇しかいないから大丈夫だって」
もしもも歓迎、ウェルカム。と、お姉さんはおじさんの忠告をからかい混じりで受け流すかのように言うと身体を洗って俺の隣に入って来る。
「…なんで隣に?」
「向かい側でもいいの?」
「……やっぱり隣で」
こんな広い浴場のような湯船でわざわざ隣に座ってくるのを疑問に思って聞いたらお姉さんがザバーっと立ち上がる。
そこで俺はお姉さんなりの気遣いだったんだな…と気付いて前言撤回した。
…隣なら逆の方に視線を逸らせばなんとかなるけど向かい側だと目を瞑らないといけないからな…
…本当は見たいのに、恥ずかしくて見きれないこのジレンマ…!
色んな意味でのドキドキしたお風呂タイムを終え部屋に戻って一息つく。
そしてそのまま寝っ転がっていると睡魔が襲って来たので素直に眠りについた。
…翌朝。
朝食を食べた後にバーゼルに車とコンテナを運ばせていつもの田舎へ。
「やっほー、久しぶり!」
市場で商品をチェックしてると後ろから声をかけられた。
…こんな風にフレンドリーに話しかけてくる女の子はあのお姉さんを除いたら一人しかいないのでもはや振り向かずとも誰か分かる。
「はい。お土産」
「あ、ありがとうございます」
「あの有名なローレンスのチョコレートよ。やっぱり本場は値段が安い」
「え!あのローレンスの!?凄い…!都市部でも直ぐに売り切れるからずっと品薄状態だったのに…!」
お土産を渡すとメイド達とお姉さんがチョコレートの話題で盛り上がってるので俺は一足先に部屋に戻る。
…明日はどこに行こうかな…?流石に朝におじさんに釘を刺されたばっかだからここらへんでの商売は諦めた方がいいのか…?
…うーん…でもそろそろイモイモターンの量産が出来てる時期だと思うし…
あの田舎にでも……ふあ……
ベッドの上で寝っ転がって考えてると眠くなって来たので着替えを持って風呂場へと向かう。
「…ふう…」
「…なんだ、入っていたのか」
風呂用の椅子に座って洗剤で髪を洗いお湯で流し終えて一息つくとおじさんが腰にタオルを巻いて入ってきた。
…うーむ…見るたびに思うけど…
とても4、50代とは思えないほどの引き締まった厚みのある身体だな。
俺の方から肩をぶつけても逆に弾き返されそうだ…
「…やはり風呂場でタオルを巻く、というのは未だに慣れんな」
違和感が拭えん…と、おじさんは風呂用の椅子に座った後になんとも言えない顔で呟く。
「そう?まあ、銭湯とか温泉でも気にせずすっぽんぽんの奴とかいたけど…」
「…あれ?やっぱりこの時間に入ってたんだ」
身体を洗い終わって湯船に浸かりながら返すと今度はお姉さんがタオルを持って最低限の隠し方をしながら入って来る。
「…他に人が入ってる時はタオルを巻く決まりだろう」
「別にいいじゃない…最低限は隠してるんだから。ねえ?」
そんなお姉さんを見ておじさんが呆れたように指摘するが気にしてないかのように俺に振った。
「…俺としては目のやり場に困るからちゃんと巻いて欲しい」
「うふふ、可愛い反応」
恥ずかしくてお姉さんの方を見れないので入口に背を向けて返すとからかうように笑う。
「…あの年頃の男をそんな風にからかうと後でどうなっても知らんぞ」
「あら、おじさまは慎みのある女がタイプかしら?」
「俺個人の好みの問題では無い。もっと自衛する事を意識したらどうだ?」
「自衛も何も…この家には好みの範疇しかいないから大丈夫だって」
もしもも歓迎、ウェルカム。と、お姉さんはおじさんの忠告をからかい混じりで受け流すかのように言うと身体を洗って俺の隣に入って来る。
「…なんで隣に?」
「向かい側でもいいの?」
「……やっぱり隣で」
こんな広い浴場のような湯船でわざわざ隣に座ってくるのを疑問に思って聞いたらお姉さんがザバーっと立ち上がる。
そこで俺はお姉さんなりの気遣いだったんだな…と気付いて前言撤回した。
…隣なら逆の方に視線を逸らせばなんとかなるけど向かい側だと目を瞑らないといけないからな…
…本当は見たいのに、恥ずかしくて見きれないこのジレンマ…!
色んな意味でのドキドキしたお風呂タイムを終え部屋に戻って一息つく。
そしてそのまま寝っ転がっていると睡魔が襲って来たので素直に眠りについた。
…翌朝。
朝食を食べた後にバーゼルに車とコンテナを運ばせていつもの田舎へ。
「やっほー、久しぶり!」
市場で商品をチェックしてると後ろから声をかけられた。
…こんな風にフレンドリーに話しかけてくる女の子はあのお姉さんを除いたら一人しかいないのでもはや振り向かずとも誰か分かる。
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