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しおりを挟む「…あ。そういえばどこの領主だっけ?住んでるところとか知ってる?」
コンテナと車の掃除も終わり、いざ出発!ってなった時に俺はふと思い出して聞く。
「…えーっと…ほら、あの山沿いのところじゃなかった?」
「…ソレは別のところだ。ちょっと地図を見せてくれないか?」
「…はい」
用心棒のおじさんが場所を知ってるらしいので車に常備品として置いてあるいくつかの中から一冊と一枚を渡す。
「…いや、世界地図じゃなくてだな……あった。確かココだ」
折りたたまれた一枚の世界地図は返され、本の方を開くと隣国のページを探して場所を指差す。
「へー…この枠内が領土?」
「今も変わってなければ」
「結構広いのね…」
点線で囲まれた場所を見て俺がそう聞くとお姉さんも意外そうに呟く。
「ほんと、この地域一帯の何倍ぐらい?4倍?」
「…それぐらいはあるだろうな」
「そんな広い領土をあの歳で治めるなんて…ほんとに大丈夫?」
「…さあ?でも情報屋は有能な大人達がサポートするって言ってたし……え?あ、お願い」
お姉さん達と喋ってたらドラゴンが飛行の確認を取ってきたので目的地を伝えてお願いする。
「…うーん…コンテナとか必要だったかな?」
「荷物にならなければ無いよりはあった方がマシだろう」
「…なんか、この移動方法に慣れてくるともっと快適な車が欲しくならない?」
長時間の移動だと楽に足が伸ばせるベッドとか…と、お姉さんはテーブルの上に足を伸ばして置きながら提案してきた。
「…流石にこれ以上を望むのは強欲過ぎないか?」
「そう?…そう、かも…ダメね。人間、一度楽を覚えると…あとは堕ちる一方だもの…」
おじさんの言葉にお姉さんは少し考えたあとに足をテーブルからどけて、反省したかのように姿勢を正して呟く。
「…でも、言うことは一理あるかも…コレはドラゴンを捕まえる前に買ったやつだし…」
今ならどっかの国でオーダーメイドで作って貰えるんじゃない?と、俺はお姉さんの発言に賛同するようにおじさんに聞く。
「…むう、雇い主にそう言われたら俺からはなんとも…」
「でしょ!君もそう思うよね!?」
おじさんが目を瞑って考えるように否定出来ない…ような感じで言うので…
お姉さんはコレ幸い。とテーブルに手を着いて身を乗り出しながら同意を求めてきた。
「…帰りに寄ってみる?」
「賛成!あっちにも情報屋はいるでしょうし…車を作ってる最大手の会社の情報を聞いてこないと…!」
「…いや、そんな飯屋に寄る。みたいな感覚で国と国を移動するのか…?」
新しい車が欲しいのは俺も一緒なので提案するとお姉さんがテンション高めに手を上げる。
そんな俺らの会話を聞いておじさんはちょっと呆れたような様子でツッコむように呟く。
「…ドラゴンでの移動が楽になると、ホント居なくなったら…と思うと怖いね」
「…もはやテイムされて強化されたこのドラゴンに勝てる奴は人類ではあるまい。その心配は杞憂に過ぎないと思うぞ」
俺が何気なくポツリと呟くとおじさんはありえん。と速攻で反論した。
…そんなこんなで雑談してると目的地である町に到着する。
「…あー、ココかぁ」
「来た事あるの?」
ごく最近仕事で立ち寄った事があったので俺が場所を理解したように呟くとお姉さんが意外そうに聞いてきた。
「うん、二日前ぐらいだっけ?」
「ああ。だがまさかこの地域一帯の領土を治めていたとはな…」
「へー…私は何回か通ったぐらいでしかないんだけど、この領土って国内でも結構栄えてる方よね?」
「…さあ?」
お姉さんが周りを見ながら聞いてきたけど、そんな事を言われても分からないので疑問形で返す。
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