81 / 208
80
しおりを挟む
…『ナインズ』とかいう良く分からない果物をとりあえず100kgほど購入。
そのあとも俺がいた所では見なかった珍しいものを試しに…って事で50kgずつ買っていく。
…あの国で売れるかどうかはまた別だけど…安定して仕入れるんなら相場が生まれるかもしれないし。
一時間もするとめぼしい物もなくなってきたので買い物は終了。
またドラゴンに車とコンテナを運ばせて別の町へと移動した。
「な、なんだあの大きい魔物は…!」
「…コンテナ…?それにあれは…車?」
…流石にもうドラゴンを隠すような事はせずに言いたい奴には言わせていくスタイルで直接町中の市場の近くに下りる。
「…さーて、珍しいもの…珍しいもの…」
所詮俺にとってはゲームの中の世界だ、どうなろうと知ったことか。と開き直って割り切ったおかげで町のみんなの視線も全く気にならなくなった。
「あ、あのー…あの魔物は…?」
やはり市場の人達はドラゴンに驚いて静まり返っていたけども…
俺が我関せずで視察していたら職員みたいな身なりの人が話しかけてくる。
「あ、俺が捕まえたやつだから大丈夫」
「ああ、そうでしたか…すみません。みんな不安そうにしていたもので」
「あ、いえ」
俺の返答を聞いて安心したように息を吐いて謝ったあとに質問の理由を説明した。
「…ほう、これは…」
「…布?」
露店の商品を見て回ってるとおじさんが何かを見つけたみたいなので見てみると…
洋服の生地のような布が折り畳まれて置かれていた。
「これはモールだな。しかもサルドか…」
「…なにそれ?」
おじさんは何かを確かめるように布を触って呟くが言ってる言葉の意味がさっぱり分からない。
「動物の毛から作られた繊維素材だ。サルドールという動物の毛で作られた布は最高級品だと聞く」
「…ふーん」
内容を説明してくれたが、裁縫には興味が無いないのでサラリと流す。
「この布地を使った服は高いぞ」
「…そうなの?」
「すまない、これはいくらぐらいになる?」
基本的に食べ物以外に興味が無いので高く売れる…と言われても本当かどうか疑わしい。
「ん?そこにあるサルドの生地は10mだから2500ゼベルだよ」
「…高くない?」
おじさんの問いに本を読んでいたおばさんがチラリと商品を見て答え、また視線を本へと戻す。
…たかだか10mの布が25万円って…このおばさん強気だな。
「いや、安い方だと思うが」
「…そう?…じゃあココにあるの全部買うから、まとめ買いでどれだけ安く出来る?」
おじさんがそう言うので、どこかでは高く売れるかもしれないな…と思い値段交渉に入った。
…結果、10mの白い布地30個…30枚?を7万ゼベルで購入。
…おばさん相手に交渉は流石に苦しいな…あっちの方が口が上手いから丸め込まれて市場価格で買わされそうになる。
それでもなんとか持ち直してこっちに有利な交渉を出来るようになったけど。
…やっぱりあっちは多少安くしてでも早めに売り捌きたいみたいだ。
じゃないと普通なら値段交渉になんて応じないと思うし…
なにより俺に売らなくても時間をかけて個別に市場価格で売った方が儲かるから。
まとめ買いでの割引きに応じるって事は在庫を残したくない、って考えてると思うんだけどどうかね?
まあ、もし俺が売る側だったら…
やっぱりまとめて全部買ってくれるのなら多少の値引き交渉ぐらいには応じるかな。
ここで売らないでそのまま売れ残り続ける最悪のパターンになったら目も当てられないし。
そのあとも俺がいた所では見なかった珍しいものを試しに…って事で50kgずつ買っていく。
…あの国で売れるかどうかはまた別だけど…安定して仕入れるんなら相場が生まれるかもしれないし。
一時間もするとめぼしい物もなくなってきたので買い物は終了。
またドラゴンに車とコンテナを運ばせて別の町へと移動した。
「な、なんだあの大きい魔物は…!」
「…コンテナ…?それにあれは…車?」
…流石にもうドラゴンを隠すような事はせずに言いたい奴には言わせていくスタイルで直接町中の市場の近くに下りる。
「…さーて、珍しいもの…珍しいもの…」
所詮俺にとってはゲームの中の世界だ、どうなろうと知ったことか。と開き直って割り切ったおかげで町のみんなの視線も全く気にならなくなった。
「あ、あのー…あの魔物は…?」
やはり市場の人達はドラゴンに驚いて静まり返っていたけども…
俺が我関せずで視察していたら職員みたいな身なりの人が話しかけてくる。
「あ、俺が捕まえたやつだから大丈夫」
「ああ、そうでしたか…すみません。みんな不安そうにしていたもので」
「あ、いえ」
俺の返答を聞いて安心したように息を吐いて謝ったあとに質問の理由を説明した。
「…ほう、これは…」
「…布?」
露店の商品を見て回ってるとおじさんが何かを見つけたみたいなので見てみると…
洋服の生地のような布が折り畳まれて置かれていた。
「これはモールだな。しかもサルドか…」
「…なにそれ?」
おじさんは何かを確かめるように布を触って呟くが言ってる言葉の意味がさっぱり分からない。
「動物の毛から作られた繊維素材だ。サルドールという動物の毛で作られた布は最高級品だと聞く」
「…ふーん」
内容を説明してくれたが、裁縫には興味が無いないのでサラリと流す。
「この布地を使った服は高いぞ」
「…そうなの?」
「すまない、これはいくらぐらいになる?」
基本的に食べ物以外に興味が無いので高く売れる…と言われても本当かどうか疑わしい。
「ん?そこにあるサルドの生地は10mだから2500ゼベルだよ」
「…高くない?」
おじさんの問いに本を読んでいたおばさんがチラリと商品を見て答え、また視線を本へと戻す。
…たかだか10mの布が25万円って…このおばさん強気だな。
「いや、安い方だと思うが」
「…そう?…じゃあココにあるの全部買うから、まとめ買いでどれだけ安く出来る?」
おじさんがそう言うので、どこかでは高く売れるかもしれないな…と思い値段交渉に入った。
…結果、10mの白い布地30個…30枚?を7万ゼベルで購入。
…おばさん相手に交渉は流石に苦しいな…あっちの方が口が上手いから丸め込まれて市場価格で買わされそうになる。
それでもなんとか持ち直してこっちに有利な交渉を出来るようになったけど。
…やっぱりあっちは多少安くしてでも早めに売り捌きたいみたいだ。
じゃないと普通なら値段交渉になんて応じないと思うし…
なにより俺に売らなくても時間をかけて個別に市場価格で売った方が儲かるから。
まとめ買いでの割引きに応じるって事は在庫を残したくない、って考えてると思うんだけどどうかね?
まあ、もし俺が売る側だったら…
やっぱりまとめて全部買ってくれるのなら多少の値引き交渉ぐらいには応じるかな。
ここで売らないでそのまま売れ残り続ける最悪のパターンになったら目も当てられないし。
0
お気に入りに追加
420
あなたにおすすめの小説

幽霊が見えるので死霊術を極めます ~幽霊メイドが導く影の支配者への道~
雪窓
ファンタジー
【カクヨムで投稿したものを加筆修正して投稿し直したものです】
生まれつき幽霊が見える少年は物心ついた時からそのことを周囲に秘密にして過ごしてきた。
見えても見えないふりをして生活する日々。
ある日、近所の子供たちと郊外の”お化け屋敷”へ肝試しに行くことになる。
そこで大昔の魔術師の幽霊と出会うことで、少年の人生は激変する。
世間には知られていない希少な魔術である”死霊術”の継承者となり、大好きな魔術を思う存分修業する日々を送っていたのだが、次々に事件に巻き込まれ…
「僕はただ死霊術の修業ができれば満足なんだけどな」
そんな少年がいろんな出来事に巻き込まれていく様子を見守る物語。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

異世界に行けるようになったんだが自宅に令嬢を持ち帰ってしまった件
シュミ
ファンタジー
高二である天音 旬はある日、女神によって異世界と現実世界を行き来できるようになった。
旬が異世界から現実世界に帰る直前に転びそうな少女を助けた結果、旬の自宅にその少女を持ち帰ってしまった。その少女はリーシャ・ミリセントと名乗り、王子に婚約破棄されたと話し───!?

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる