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「…お兄さんは少々世間に疎い所がありますからね…あのドラゴンは世界中から災害認定されています」
それは何百年もの間、誰一人として討伐に成功していないからです。と何故かドラゴンの脅威を語り始めた。
「アレが目覚めるのは数十年に一回と言われていまして、そのたびにどこかの国の山や森…街や村も焼き払われて来た。と聞きます」
「…冬眠?」
「…似たようなものでしょう。お腹が空いては目覚め、満腹になると寝る…その際に襲われた国は仕返しも出来ないからたまったものじゃないですよ」
なんせ世界各国がはるか昔からかけてる懸賞金が未だに有効ですからね。と男は誰にも倒せない…的な事を暗に示す。
「…今までどういう人たちが挑んだの?」
誰も倒せない…と言われても実際に見てないからその強さがどの程度か分からないので、とりあえず疑問に思った事を聞いてみる。
「そりゃあ数えきれないぐらいの人達が挑みましたよ。何万人の軍を率いて即全滅した例もありますし」
「…強い人達は挑まないの?」
「流石に強者達は馬鹿じゃありませんからね…パーティを組んだ程度で倒せたらとっくの昔に倒されてますよ」
…俺は情報屋とのやり取りである事を閃いた。
一人で倒せないなら…4人のパーティで倒せないのなら…
世界中の強者達を集めて20人でも30人でもぶつけてみる作戦。
あの魔物を捕まえた時と同じ。
大量の回復アイテムや罠を用意して挑めば…流石に倒せるのでは?
「…面白い、やってみよう」
「…は?…えーと、私の話…聞いてました?」
俺が無茶難題をふっかけると男は間の抜けた声を出し、自分のこめかみに指を当ててバカにするように確認する。
「…うん、でも…世界中の…勇者や英雄とかを集めたら、勝てるんじゃない?」
「無理ですって!バーゼルの時と同じようにはいきませんよ!」
「…そうかな?」
「そもそも常識的に考えてあのドラゴンと戦う、なんて依頼を受ける人が居るとは思えないですから!」
男は俺の考えを真っ向から否定して止めようとした。
「…100万ゼベルでどうにかならないかな…?」
「…はぁ…分かりました…お金を出されちゃあ…一応やるだけはやってみます。期待はしないでくださいよ」
テーブルの上にお金を出すと情報屋の男は説得を諦めてため息混じりにやけくそみたいな態度でそう告げる。
…それから一週間後。
情報屋の男からなんとかなりそうだ、との経過報告を受けて必要経費として追加で更に200万ゼベルを払った結果…
ドラゴン討伐のために20人のパーティが結成された。
…情報屋の男がいうには『世界中がドラゴン討伐の話題で持ち切り』らしい。
どうやらパーティメンバーには高名な大魔導士や大国の英雄、勇者など世界中で名前が知られているような人達がずらり…
話題にならない方が難しい、とのこと。
パーティメンバーとは現地集合なので俺もドラゴンの住処とされてる国へと向かった。
…が、移動するにも船でまさかの一週間かかった。
陸路は魔車で早く行けたのに海路で予想外に時間がかかってしまう…という計算ミス。
…飛行機とか空から移動する手段が無いなんてこの世界は不便過ぎる…
そんなこんなで、とある国でパーティメンバーと合流していざドラゴン退治へ。
…その道中、色んな話を聞いた。
俺の依頼に参加した理由のほとんどが、あのドラゴンと一度は戦ってみたい…という欲求に負けたから、だそうだ。
中には聖女や聖騎士、貴族の人もいて…
これ以上犠牲者を増やしたくない…という思いで参加したらしい。
色々とみんな考えてるんだなー…と思ってたら意外な話も。
実はみんな、それぞれの国のお偉いさん達にこの依頼に参加するな…と釘を刺されたり、圧力をかけられたりしていたんだと。
裏からかなり手を回されていたらしいけど…各国の情報屋達の働きでココに来れたんだとか。
…俺は丸一日話を聞いてて気づいたけど…誰一人として帰った後の話はしていない。
それは何百年もの間、誰一人として討伐に成功していないからです。と何故かドラゴンの脅威を語り始めた。
「アレが目覚めるのは数十年に一回と言われていまして、そのたびにどこかの国の山や森…街や村も焼き払われて来た。と聞きます」
「…冬眠?」
「…似たようなものでしょう。お腹が空いては目覚め、満腹になると寝る…その際に襲われた国は仕返しも出来ないからたまったものじゃないですよ」
なんせ世界各国がはるか昔からかけてる懸賞金が未だに有効ですからね。と男は誰にも倒せない…的な事を暗に示す。
「…今までどういう人たちが挑んだの?」
誰も倒せない…と言われても実際に見てないからその強さがどの程度か分からないので、とりあえず疑問に思った事を聞いてみる。
「そりゃあ数えきれないぐらいの人達が挑みましたよ。何万人の軍を率いて即全滅した例もありますし」
「…強い人達は挑まないの?」
「流石に強者達は馬鹿じゃありませんからね…パーティを組んだ程度で倒せたらとっくの昔に倒されてますよ」
…俺は情報屋とのやり取りである事を閃いた。
一人で倒せないなら…4人のパーティで倒せないのなら…
世界中の強者達を集めて20人でも30人でもぶつけてみる作戦。
あの魔物を捕まえた時と同じ。
大量の回復アイテムや罠を用意して挑めば…流石に倒せるのでは?
「…面白い、やってみよう」
「…は?…えーと、私の話…聞いてました?」
俺が無茶難題をふっかけると男は間の抜けた声を出し、自分のこめかみに指を当ててバカにするように確認する。
「…うん、でも…世界中の…勇者や英雄とかを集めたら、勝てるんじゃない?」
「無理ですって!バーゼルの時と同じようにはいきませんよ!」
「…そうかな?」
「そもそも常識的に考えてあのドラゴンと戦う、なんて依頼を受ける人が居るとは思えないですから!」
男は俺の考えを真っ向から否定して止めようとした。
「…100万ゼベルでどうにかならないかな…?」
「…はぁ…分かりました…お金を出されちゃあ…一応やるだけはやってみます。期待はしないでくださいよ」
テーブルの上にお金を出すと情報屋の男は説得を諦めてため息混じりにやけくそみたいな態度でそう告げる。
…それから一週間後。
情報屋の男からなんとかなりそうだ、との経過報告を受けて必要経費として追加で更に200万ゼベルを払った結果…
ドラゴン討伐のために20人のパーティが結成された。
…情報屋の男がいうには『世界中がドラゴン討伐の話題で持ち切り』らしい。
どうやらパーティメンバーには高名な大魔導士や大国の英雄、勇者など世界中で名前が知られているような人達がずらり…
話題にならない方が難しい、とのこと。
パーティメンバーとは現地集合なので俺もドラゴンの住処とされてる国へと向かった。
…が、移動するにも船でまさかの一週間かかった。
陸路は魔車で早く行けたのに海路で予想外に時間がかかってしまう…という計算ミス。
…飛行機とか空から移動する手段が無いなんてこの世界は不便過ぎる…
そんなこんなで、とある国でパーティメンバーと合流していざドラゴン退治へ。
…その道中、色んな話を聞いた。
俺の依頼に参加した理由のほとんどが、あのドラゴンと一度は戦ってみたい…という欲求に負けたから、だそうだ。
中には聖女や聖騎士、貴族の人もいて…
これ以上犠牲者を増やしたくない…という思いで参加したらしい。
色々とみんな考えてるんだなー…と思ってたら意外な話も。
実はみんな、それぞれの国のお偉いさん達にこの依頼に参加するな…と釘を刺されたり、圧力をかけられたりしていたんだと。
裏からかなり手を回されていたらしいけど…各国の情報屋達の働きでココに来れたんだとか。
…俺は丸一日話を聞いてて気づいたけど…誰一人として帰った後の話はしていない。
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