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ココからじゃ正反対で結構遠い場所に行かないといけないけど、そこに売りに行くだけで大儲けってかなりボロい商売じゃない?
…まあ、問題は重いから馬の速度が落ちて移動距離が短くなったり…
結構幅を取るから他に仕入れる物の種類や数が減る…ってのがあるんだけど。
あと一応馬の移動速度が落ちると危険度も増すらしい。
前の時から用心棒のおじさんが常に周りを警戒して気を張ってる状態でちょっと大変だな、って思った。
…というわけで鉄塊や純度の高い鉄の棒とその他を買い占めてさっきの村へと戻る事に。
…流石に昼飯は移動時間的に厳しいのでテイクアウトして移動しながらとなった。
「…意外と早く着けたな」
「そうだね、もっと夕暮れギリギリかと思ったけど…」
昼飯食べる時間を減らした分、村には予想よりも早く戻って来れた。
市場もまだ閉まる時間じゃないので売れる物は売り買える物は買う。
そしてちょっと早めの夕飯を食べてから宿屋で一泊する。
…翌朝、いつものように飲食店で朝食を食べてから拠点としてる街へと出発。
用心棒のおじさんのおかげか、何事もなくスムーズに昼過ぎに到着出来た。
「…ただいま」
家で昼食を食べたら直ぐにまた市場や他の村に行かないといけないので、馬はそのままコンテナに繋いで待機させた状態で中に入る。
「あ、お帰りなさいませ!お客様がお見えになられてますよ」
「…客?…いつから?」
「10分ほど前からです」
玄関のところを掃除しているメイドに挨拶の後に用件を伝えられ、俺は不思議に思いながら聞いて応接室へと向かった。
…昨日も来たのか…?いや、なんで今帰って来るって分かったんだろ…?
「…やあ、お邪魔してるよ」
「…この子が?」
「事前に聞いてはいたけど…」
「とてもそんな風には…」
応接室には情報屋のお兄さんと…その後ろにメイド服を来た若い女性が三人ほど立っている。
「…昨日も来たの?」
「いや?俺も情報屋だからね…依頼主の行動ぐらいは軽く把握しておかないと」
「…なるほど…」
俺の疑問にお兄さんは職業柄という返答をしたので納得できた。
「本当はあいつの仕事だったんだが…今は例の件で忙しくてな。こうして俺が代わりに仲介を務める事になったわけだ」
お兄さんはあの男じゃない理由を説明して書類をテーブルの上に広げる。
「じゃあ条件を確認するぞ?『奴隷OK』『ガキの世話も出来る』『家事全般OK』『住み込み』で『給料は月2500ゼベル』…おっと『休みは要相談』」
「…私は問題ない」
「私も提示された給料さえあれば」
「…ちょっと、いいですか?」
情報屋のお兄さんが条件を読み上げて確認すると新人メイドの一人が手を上げた。
「…『家事』って馬の世話とかもですよね?」
「当たり前でしょ、家の管理みたいなものなんだから」
恐る恐る確認したメイドの一人に同じくメイドの一人が答えた。
「…私、昔からあまり動物に好かれないから心配で…」
「まあそこはメイド同士の仕事の割り振りで決める事だから」
「…できれば、休みの相談とかも…俺にじゃなくて、みんなで話し合って…」
あまり家に居ないし…と情報屋のお兄さんの発言に乗っかるようにして自分からは言いづらい事を言う。
「…ご主人がそれで良いなら、私たちの方で勝手にシフトを組みますけど…」
「…子供の世話と、家の管理さえしてくれれば…それで…」
メイドの一人の提案に俺から特に指示する事が無いので呑むように頷く。
「他に質問は?」
「いえ…もう、特には…」
「じゃあ書類にサイン、お願い」
お兄さんの確認にメイドが三人とも頭を横に振るので、話が進んで俺は書類にサインして拇印を押す。
「…契約完了、という事で」
書類を確認したお兄さんは各自に書類を渡すとメイド達を置いてさっさと出て行った。
…まあ、問題は重いから馬の速度が落ちて移動距離が短くなったり…
結構幅を取るから他に仕入れる物の種類や数が減る…ってのがあるんだけど。
あと一応馬の移動速度が落ちると危険度も増すらしい。
前の時から用心棒のおじさんが常に周りを警戒して気を張ってる状態でちょっと大変だな、って思った。
…というわけで鉄塊や純度の高い鉄の棒とその他を買い占めてさっきの村へと戻る事に。
…流石に昼飯は移動時間的に厳しいのでテイクアウトして移動しながらとなった。
「…意外と早く着けたな」
「そうだね、もっと夕暮れギリギリかと思ったけど…」
昼飯食べる時間を減らした分、村には予想よりも早く戻って来れた。
市場もまだ閉まる時間じゃないので売れる物は売り買える物は買う。
そしてちょっと早めの夕飯を食べてから宿屋で一泊する。
…翌朝、いつものように飲食店で朝食を食べてから拠点としてる街へと出発。
用心棒のおじさんのおかげか、何事もなくスムーズに昼過ぎに到着出来た。
「…ただいま」
家で昼食を食べたら直ぐにまた市場や他の村に行かないといけないので、馬はそのままコンテナに繋いで待機させた状態で中に入る。
「あ、お帰りなさいませ!お客様がお見えになられてますよ」
「…客?…いつから?」
「10分ほど前からです」
玄関のところを掃除しているメイドに挨拶の後に用件を伝えられ、俺は不思議に思いながら聞いて応接室へと向かった。
…昨日も来たのか…?いや、なんで今帰って来るって分かったんだろ…?
「…やあ、お邪魔してるよ」
「…この子が?」
「事前に聞いてはいたけど…」
「とてもそんな風には…」
応接室には情報屋のお兄さんと…その後ろにメイド服を来た若い女性が三人ほど立っている。
「…昨日も来たの?」
「いや?俺も情報屋だからね…依頼主の行動ぐらいは軽く把握しておかないと」
「…なるほど…」
俺の疑問にお兄さんは職業柄という返答をしたので納得できた。
「本当はあいつの仕事だったんだが…今は例の件で忙しくてな。こうして俺が代わりに仲介を務める事になったわけだ」
お兄さんはあの男じゃない理由を説明して書類をテーブルの上に広げる。
「じゃあ条件を確認するぞ?『奴隷OK』『ガキの世話も出来る』『家事全般OK』『住み込み』で『給料は月2500ゼベル』…おっと『休みは要相談』」
「…私は問題ない」
「私も提示された給料さえあれば」
「…ちょっと、いいですか?」
情報屋のお兄さんが条件を読み上げて確認すると新人メイドの一人が手を上げた。
「…『家事』って馬の世話とかもですよね?」
「当たり前でしょ、家の管理みたいなものなんだから」
恐る恐る確認したメイドの一人に同じくメイドの一人が答えた。
「…私、昔からあまり動物に好かれないから心配で…」
「まあそこはメイド同士の仕事の割り振りで決める事だから」
「…できれば、休みの相談とかも…俺にじゃなくて、みんなで話し合って…」
あまり家に居ないし…と情報屋のお兄さんの発言に乗っかるようにして自分からは言いづらい事を言う。
「…ご主人がそれで良いなら、私たちの方で勝手にシフトを組みますけど…」
「…子供の世話と、家の管理さえしてくれれば…それで…」
メイドの一人の提案に俺から特に指示する事が無いので呑むように頷く。
「他に質問は?」
「いえ…もう、特には…」
「じゃあ書類にサイン、お願い」
お兄さんの確認にメイドが三人とも頭を横に振るので、話が進んで俺は書類にサインして拇印を押す。
「…契約完了、という事で」
書類を確認したお兄さんは各自に書類を渡すとメイド達を置いてさっさと出て行った。
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