32 / 208
31
しおりを挟む
「…おじさまもどう?一杯」
「好意はありがたいが、生憎と私は仕事中なのでな」
「むー…流石にこの子は未成年っぽいから飲ませるワケにはいかないし…」
お姉さんがグラスを渡すような動作をしながら勧めるもおじさんは律儀に断り、拗ねたように頬を膨らませた。
「じゃあもう私一人で飲んじゃえ」
「…え…!?」
「…流石に、ソレは…」
お姉さんはヤケを起こしたかのようにビンごと持ち上げてラッパ飲みし始める。
…普通にグラスに移して飲むと思ってたので、あまりに予想外の行動に俺とおじさんは唖然とした。
「…ぷはあー!うまい!」
お姉さんは声を上げてビンをテーブルにドン!と音を立てて置く。
「魚の煮付けも美味しいわ~…良いつまみで飲むお酒は最高ね。最高に幸せだわ」
呆気に取られてる俺らを気にしないかのように料理を食べては酒を飲み、酒を飲んでは料理を食べるを繰り返す。
…20分後。
「…あらー?お酒が無くなったわー?」
結構なハイペースで飲んでるので俺とおじさんが料理を食べ終わる頃には当然出来上がっていた。
「お酒追加でー!うふふ、今日は飲みまくるわよ」
「…じゃあ、僕たちはこれで…」
「いーじゃない、もう少し付き合いなさいよ」
料理も食べ終わり、特に話す事も無いので先に会計を済ませようとしたらお姉さんに引き留められた。
…それから閉店までの約二時間の間、俺とおじさんはお姉さんの世間話に付き合わされ…
「…どうする?」
俺の膝枕の上で寝たお姉さんを見ておじさんが聞いてくる。
結局酔い潰れたお姉さんの分も俺が払う事になり、宿屋の部屋代も払う事に。
…朝になっても起きないので、一応明日の朝までの一泊分を払って俺たちは街に戻る事にした。
…まあ今は金を持ってるから奢っても痛くなかったけど…
流石に赤の他人にあんな風に奢るのはどうなんだ?っては思ってしまう。
おじさんも『お人好しが過ぎる』『優しさに付け込まれて騙されるぞ』と忠告してくれたが…
最初の田舎の人達に優しくしてもらっただけにあのお姉さんを邪険にする事が躊躇われた。
騙されたら騙されたで勉強代、って事で人を見る目を養っていけば良いと思うし、もしかしたらこの世界での経験が元の世界でも活きるかもしれない。
…朝早くから街道を通り、昼過ぎには街に戻って来れたので一旦昼飯を食べてから市場に顔を出す。
やっぱりみんなはデカいコンテナを見て驚いていたけど。
そんで居候先に帰ると俺の上司…雇い主?であるおじさんからは『こんなデカい物はおけん。預ける場所を探して来い』と言われ…
しょうがないので次の村に行く前に家か倉庫を探す事に。
「…いらっしゃい。なんのご用件で?」
不動産屋に行く前にとりあえず情報屋に寄るとお兄さんがソファに寝転んでいた。
「えーと、家…を探してるんだけど…」
「家?どんな条件の?」
俺の用件を聞いて少し不思議そうにした後に尋ねてくる。
「えーっと…コンテナが置けるような…大きい家?」
「…ココは不動産屋じゃないんだけどね…まあ、情報料と仲介料が入るから俺はありがたいが」
ちょっと探してくるよ。と言ってお兄さんは奥の部屋へと歩いて行く。
「好意はありがたいが、生憎と私は仕事中なのでな」
「むー…流石にこの子は未成年っぽいから飲ませるワケにはいかないし…」
お姉さんがグラスを渡すような動作をしながら勧めるもおじさんは律儀に断り、拗ねたように頬を膨らませた。
「じゃあもう私一人で飲んじゃえ」
「…え…!?」
「…流石に、ソレは…」
お姉さんはヤケを起こしたかのようにビンごと持ち上げてラッパ飲みし始める。
…普通にグラスに移して飲むと思ってたので、あまりに予想外の行動に俺とおじさんは唖然とした。
「…ぷはあー!うまい!」
お姉さんは声を上げてビンをテーブルにドン!と音を立てて置く。
「魚の煮付けも美味しいわ~…良いつまみで飲むお酒は最高ね。最高に幸せだわ」
呆気に取られてる俺らを気にしないかのように料理を食べては酒を飲み、酒を飲んでは料理を食べるを繰り返す。
…20分後。
「…あらー?お酒が無くなったわー?」
結構なハイペースで飲んでるので俺とおじさんが料理を食べ終わる頃には当然出来上がっていた。
「お酒追加でー!うふふ、今日は飲みまくるわよ」
「…じゃあ、僕たちはこれで…」
「いーじゃない、もう少し付き合いなさいよ」
料理も食べ終わり、特に話す事も無いので先に会計を済ませようとしたらお姉さんに引き留められた。
…それから閉店までの約二時間の間、俺とおじさんはお姉さんの世間話に付き合わされ…
「…どうする?」
俺の膝枕の上で寝たお姉さんを見ておじさんが聞いてくる。
結局酔い潰れたお姉さんの分も俺が払う事になり、宿屋の部屋代も払う事に。
…朝になっても起きないので、一応明日の朝までの一泊分を払って俺たちは街に戻る事にした。
…まあ今は金を持ってるから奢っても痛くなかったけど…
流石に赤の他人にあんな風に奢るのはどうなんだ?っては思ってしまう。
おじさんも『お人好しが過ぎる』『優しさに付け込まれて騙されるぞ』と忠告してくれたが…
最初の田舎の人達に優しくしてもらっただけにあのお姉さんを邪険にする事が躊躇われた。
騙されたら騙されたで勉強代、って事で人を見る目を養っていけば良いと思うし、もしかしたらこの世界での経験が元の世界でも活きるかもしれない。
…朝早くから街道を通り、昼過ぎには街に戻って来れたので一旦昼飯を食べてから市場に顔を出す。
やっぱりみんなはデカいコンテナを見て驚いていたけど。
そんで居候先に帰ると俺の上司…雇い主?であるおじさんからは『こんなデカい物はおけん。預ける場所を探して来い』と言われ…
しょうがないので次の村に行く前に家か倉庫を探す事に。
「…いらっしゃい。なんのご用件で?」
不動産屋に行く前にとりあえず情報屋に寄るとお兄さんがソファに寝転んでいた。
「えーと、家…を探してるんだけど…」
「家?どんな条件の?」
俺の用件を聞いて少し不思議そうにした後に尋ねてくる。
「えーっと…コンテナが置けるような…大きい家?」
「…ココは不動産屋じゃないんだけどね…まあ、情報料と仲介料が入るから俺はありがたいが」
ちょっと探してくるよ。と言ってお兄さんは奥の部屋へと歩いて行く。
1
お気に入りに追加
420
あなたにおすすめの小説

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。


誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる