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「いらっしゃい、 いらっしゃい!良いものが揃ってるよ!」
「そこのお母さん!今日の夕飯にどう?安くしておくよ!」
俺は活気に溢れる市場を歩きながら商品の相場を一通り見て回った。
…なるほど、確かに街で売られているのよりも安い。
けど、街で売っても利益があまり出ないのが多い……ん?
一旦市場から離れ、街の相場が載ってる資料に目を通しながら考えてると…
ある項目に目がとまる。
…キノコ類の相場が……エグいな!
なんと!この市場ではキロ単価2ゼベルのランダケが街ではキロ単価8ゼベルという高値に。
…つまり、4倍…950ゼベル分買って売れば…
9×4、36…5×4、20……3800ゼベルに!?
待てよ、落ち着け…3800って事は…38万円!?
…コレは買い占め決定だな!そうと分かれば急げ!
「へい、らっしゃい!何かお買い求めで?」
「あ、あの…ランダケを…」
「ランダケね!いくら欲しいんだい?」
「…ある分全部買いたいんだけど、まとめ買いだと、安くなる?」
漫画とかの知識でとりあえず緊張しながらも値段交渉してみる事に。
「全部!?全部ってあんた………全部だと900ゼベルだぞ?払えるのか?」
「もう少し、安く…なったりしない?」
驚く店主に俺はドキドキしながらもう一度聞いてみた。
「うーん…全部買うってんなら…じゃあ800ゼベルかな?」
「も、もう一声!」
少し考えて安くしてくれた店主にダメ元で押した。
「もう一声!?…じゃ、じゃあ…700…750……770でどうだい?」
「あ、じゃあそれで!ありがとうございます」
「……初日から一気に450kgも買う人は初めてだよ」
「あ、はは…」
金を取り出して払う時の店主の言葉に俺は引きつったように笑う。
…そ、そうか…よく考えたら450kgのリヤカーを引いて帰らないといけないのか…
「じゃあ乗せるのを手伝ってくれ」
「あ、はい」
不安になりながら店主と一緒にキノコの入った箱をリヤカーに乗せてどんどん積んでいく。
「…あんた、コレ…紐で縛って上からシートを被せた方がいいよ」
「あ…そ、そうですよね」
ただ乗せただけの箱の山を見て店主が見かねたようにアドバイスをくれる。
「…紐は持ってるかい?シートは?」
「あ、今から買おうかと…」
「それならあっちに売ってるよ。帰って来るまで商品は見とくから」
「あ、ありがとうございます」
店主の優しさにお礼を言って教えてもらった店で大きめの耐水シートと、ちょっとお高めのロープを買う。
「…ダメだ、ロープはシートをかけてからが良い。貸して」
「え、あ、はい」
俺の荷物の固定方法が悪いからか、店主がため息を吐いて変わってくれた。
…おお、なるほど…!そういう風に荷物を固定するのか…!
店主の手際の良さを俺は感心しながら見る。
「…はい、終わり。こうやって荷物は固定するんだ」
「ありがとうございます!勉強になりました!お礼といってはなんですが…ご飯でもどうでしょう…?」
俺が奢りますよ!と俺はテンション高めに店主を食事に誘う。
「おう、それならご馳走になろうかな」
「あ…荷物は置いてても?」
「ああ、戻って来るまでの間は構わないよ」
…こんな田舎で泥棒なんてしようものなら…的な感じなので、荷物が盗難にあう心配は無い。
だから置きっぱでも問題無いのだが…何故か近くの店の人達と一緒にみんなで遅めの昼ご飯を食べに行く事に。
「そこのお母さん!今日の夕飯にどう?安くしておくよ!」
俺は活気に溢れる市場を歩きながら商品の相場を一通り見て回った。
…なるほど、確かに街で売られているのよりも安い。
けど、街で売っても利益があまり出ないのが多い……ん?
一旦市場から離れ、街の相場が載ってる資料に目を通しながら考えてると…
ある項目に目がとまる。
…キノコ類の相場が……エグいな!
なんと!この市場ではキロ単価2ゼベルのランダケが街ではキロ単価8ゼベルという高値に。
…つまり、4倍…950ゼベル分買って売れば…
9×4、36…5×4、20……3800ゼベルに!?
待てよ、落ち着け…3800って事は…38万円!?
…コレは買い占め決定だな!そうと分かれば急げ!
「へい、らっしゃい!何かお買い求めで?」
「あ、あの…ランダケを…」
「ランダケね!いくら欲しいんだい?」
「…ある分全部買いたいんだけど、まとめ買いだと、安くなる?」
漫画とかの知識でとりあえず緊張しながらも値段交渉してみる事に。
「全部!?全部ってあんた………全部だと900ゼベルだぞ?払えるのか?」
「もう少し、安く…なったりしない?」
驚く店主に俺はドキドキしながらもう一度聞いてみた。
「うーん…全部買うってんなら…じゃあ800ゼベルかな?」
「も、もう一声!」
少し考えて安くしてくれた店主にダメ元で押した。
「もう一声!?…じゃ、じゃあ…700…750……770でどうだい?」
「あ、じゃあそれで!ありがとうございます」
「……初日から一気に450kgも買う人は初めてだよ」
「あ、はは…」
金を取り出して払う時の店主の言葉に俺は引きつったように笑う。
…そ、そうか…よく考えたら450kgのリヤカーを引いて帰らないといけないのか…
「じゃあ乗せるのを手伝ってくれ」
「あ、はい」
不安になりながら店主と一緒にキノコの入った箱をリヤカーに乗せてどんどん積んでいく。
「…あんた、コレ…紐で縛って上からシートを被せた方がいいよ」
「あ…そ、そうですよね」
ただ乗せただけの箱の山を見て店主が見かねたようにアドバイスをくれる。
「…紐は持ってるかい?シートは?」
「あ、今から買おうかと…」
「それならあっちに売ってるよ。帰って来るまで商品は見とくから」
「あ、ありがとうございます」
店主の優しさにお礼を言って教えてもらった店で大きめの耐水シートと、ちょっとお高めのロープを買う。
「…ダメだ、ロープはシートをかけてからが良い。貸して」
「え、あ、はい」
俺の荷物の固定方法が悪いからか、店主がため息を吐いて変わってくれた。
…おお、なるほど…!そういう風に荷物を固定するのか…!
店主の手際の良さを俺は感心しながら見る。
「…はい、終わり。こうやって荷物は固定するんだ」
「ありがとうございます!勉強になりました!お礼といってはなんですが…ご飯でもどうでしょう…?」
俺が奢りますよ!と俺はテンション高めに店主を食事に誘う。
「おう、それならご馳走になろうかな」
「あ…荷物は置いてても?」
「ああ、戻って来るまでの間は構わないよ」
…こんな田舎で泥棒なんてしようものなら…的な感じなので、荷物が盗難にあう心配は無い。
だから置きっぱでも問題無いのだが…何故か近くの店の人達と一緒にみんなで遅めの昼ご飯を食べに行く事に。
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