商人でいこう!

八神

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それじゃまるっきりゲームの世界じゃん。と思ったが…


この村でNPC的な人間には出会わなかったので、まるっきりでは無く『ゲームに似た世界』って事が分かった。


そして肝心の、何を、どうすべきか?については…


『強制するような事は無い。最終的に魔王を倒せれば何を、どうしようと個人の自由』とか言われた。


『自由』と言われて、ヤッホー!と思った反面、んな無責任な…とこれからの未来の不透明さを嘆くような感情も、そりゃああるよ。


…まあ、とりあえず村の人達が優しいので図書館に入り浸って俺なりにこの世界について勉強してみたが…


人間、本を読むだけではダメだね。


直ぐに眠くなるし、俺が欲しいようなざっくりした大まかな情報が無い。


図書館にあるのは、『政治の成り立ち』とか『人間と魔物の違い』とか『冒険者よ、コミュニティを生かせ!』だの…


ピンポイントで細かい情報が載ってる本が大量にあるせいで、どれが俺に必要なのか? どの本に俺が必要としてる情報があるのか?と探すのが面倒になる。


歴史関連の本を読んでもこの異世界の基礎知識が無いからちんぷんかんぷんだし…


…やっぱり義務教育での基礎知識って大事なんだなぁ…と実感したよ。


日本の歴史の本なら内容を細かく覚える気が無くても流し読みみたいにスラスラ読めるし?


気になった所だけ調べれば良いけど…異世界だとそうもいかんのよ。


だから俺はこの村を出る事にした。


もっと大きい街、都会に行ってハローワーク的な所で色々と話を聞く決意をしたワケだ。


…元の世界と同じで世の中何をするにも金、金、金…


先立つ物は必要になってくるからね。



「それじゃ、ここらで…」

「…ああ、助かりました。ありがとうございます」

「気にせんでええよ。兄ちゃん、元気でな」


行商人の馬車に一緒に乗せてもらい、街の近くまで来たのでお礼を言いながら降りて別れる。


…おお、流石にあの田舎の村とは違って建物が多くて都会的だな。


街道を進んでそのまま街の中に入った俺はキョロキョロと辺りを見渡しながらも、とりあえず図書館を目指す事に。


「うーん…図書館はどこに…あ、すいませーん」

「はい?」


しばらく歩くも街の地理を示す案内板のような物を見つけられないのでそこらの人に聞く事にした。


「ありがとうございます」

「いえ」


図書館の場所を聞き、歩く事約8分。


公立図書館っぽい名前の看板がある建物に到着。


そこで俺はこの街の地図がある場所を真っ先に探した。


…お、あった。


コレは…5年前、コレは10年前、コレは30年…


…あれ?今の最新の地図は無いのか?


棚にある本を手当たり次第に取って表紙を見るも最新の地図が見つからない。


「あ、あった…こんなところに」


建物入口のカウンターに座ってる司書っぽい人に聞きに行こうと思ったら、普通に壁に貼られていた。
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