クラスまるごと異世界転移

八神

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余談

おまけ 4

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…それから三日後。


「…ねえ海原君。ちょっと相談があるんだけど…」

「相談?」

「永江さんの事なんだけど…海原君の家で預かれないかな…?」


登校して来て直ぐに斉藤に話しかけられ、用件を聞くと永江の住む場所の事を相談される。


「なんで?女子がなんとかするんじゃねーの?アッチの世界ならともかくこの世界じゃあな…」

「ぅ…お母さんが『親御さんに心配をかけるから長い間は預かれない』って…」

「ウチも…」

「私の家も…」


俺の問いに斉藤が気まずそうに話すと隣にいた住吉と深山も気まずそうに同じ事を言う。


「永江はこの世界に親なんていねーだろ?…つってもソレを説明できねーか…」

「一応施設出身って話はしたんだけど…そしたら『余計に』って…」

「ウチも…」

「私のとこも…」


俺が疑問を聞きながらも困りながら呟くと女子達も困りながら呟いた。


「…佐藤とか清水とかにお願いして毎日違う家に泊めてもらえば良くね?」

「うん。それも考えたんだけど…やっぱり親に不審がられて警察とかに通報されたりしたら困るし…」

「半年ぐらいはソレでしのげてもその後が…」

「夏休みとかの長い休みなら良いんだけど、平日とかだとやっぱり怪しまれるし…」

「…なるほどねぇ…」


俺の提案に女子達は長期間は出来ない…的な事を言うので俺は納得しながら呟く。


「…うーん…まあいいか。分かった、じゃあ卒業するまでは俺んトコで永江の面倒を見てやる」

「「「ホント!?」」」


『変な噂が立ったら嫌だな…』と、思いつつも他に良いアイディアが無いので…


なんか良い方法が見つかるまでとりあえず居候させる事を了承すると女子達が喜びながら確認してくる。


「ただし、変な噂が立ったら嫌だからそんな事が無いように…広まらないようにしてくれよ」

「うん!分かった!」

「海君ありがとう!」

「海原に相談して良かったー!」

「…はよー。なんかあったのか?」


俺が釘を刺すように注意すると女子達は喜んで了承し、今教室に入って来た柴田が不思議そうに聞いてきた。


「永江を俺の家で預かる事になった」

「…は?永江って女子達が家に泊めんじゃねーの?」

「それがね…」




話の内容を教えると柴田はまたしても不思議そうに女子達を見ながら聞くので斉藤が理由を説明し始める。




「…なるほど…親に怪しまれるのか…確かに言われてみりゃそりゃそうだ」

「でもじゃあ海のトコも一緒じゃね?」


柴田が納得したように呟くと途中から話を聞いていた藤原が俺を見ながら聞く。


「部屋は余ってるから大丈夫大丈夫」

「へー、お前ん家ってコッチでも大きい感じか?もしかして?」

「まさか。ただのアパートよ」


俺の返答に藤原が弄るように言うので俺は否定するように返した。


「アパートなのに部屋余ってんの?」

「もしかして2LDKとかの広い感じ?」

「間取りなんて気にした事はねーけど…他のアパートに比べたら広い方かもしれん」

「へー…海原君の家ってアパートだったんだ。意外かも」

「ね。アッチの世界で大きい家に住んでたからきっと一軒家に住んでると思ってたのに」

「でもアパート暮らしだから大きい家を買ってたのかも」


柴田と藤原の問いに俺が適当な感じで返すと女子達が意外そうに話し合う。


「んじゃ今日海の家に遊びに行こうぜ!」

「おっ!いいね!」

「えー…まあいいけど」


藤原が提案したら柴田も乗っかるので俺は嫌そうに了承する事に。


「私達も行って良い?」

「ああ。永江を連れてくついでに一緒に来てくれ」

「やった!ありがと海原!」

「男子の家に遊びに行くって小学生以来かも…」


斉藤の確認に俺が了承しながら返すと住吉が喜びながらお礼を言い、深山も嬉しそうに呟く。
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