545 / 556
545
しおりを挟む
「…とりあえず永江を連れて教国の神殿にでも行ってみるか」
「教国?ドロウィンでも良くね?」
「アッチの神殿の方がデカくて立派だからな。あと家から近い」
「…まあどこでもいいか」
俺が斉藤に電話をかけながら言うと柴田が不思議そうに聞くので理由を話すと藤原はどうでもよさそうに返す。
「…もしもし?」
「おう斉藤、ちょっと永江を貸してくれ」
「ミアちゃんを?」
「そうそう。ちょっと用が出来てな…多分そんな時間はかからんと思うが」
「うん、分かった。じゃあミアちゃんに帰宅するよう伝えておくね」
「頼む」
斉藤に用件を告げると不思議そうに聞くが俺の話を聞いて了承してくれる。
『ふむ、妾を呼び出すとは珍しいの。して何用じゃ?』
「早かったな。とりあえず俺と一緒に来い…藤」
「あいよ」
電話から5分ぐらいで永江が帰宅したので俺は用件を言った後に藤原に合図を出してスキルの連携で移動した。
『…ほお、大きな建物じゃな』
「まあ『教国』っていうぐらいだからな…他の国よりも神殿には気合入れてんのよ」
家から出て神殿へと行くと入口で永江が意外そうに若干驚いたように言うので俺は適当に軽く説明しながら中へと入る。
『…なんとも…嫌で不快な空間じゃな…』
「まあ魔獣のお前じゃそうかもな」
神殿の奥の方へと進んで行くと永江が気分悪そうな感じで呟くが、特に問題は無さそうなので俺はそのまま祭壇のある奥の大広間へと向かった。
『…うぅむ…こんな所で何を…?一刻も早くこの場から離れたいのじゃが…』
力が抜けていく感覚がする…と、永江は体調悪そうな感じでソワソワしながら尋ねる。
「この祭壇に向かって両手を組んで祈ってくれ」
『…こう、か…?』
階段を上った先にある大きな祭壇の前で指示をする永江が片膝をついて祈りのポーズを取った。
が、全くといっていいほど何も起こらない。
「どうだ?なんか変化はあったか?」
『…何も…しいて言えば疲れのせいで、 今すぐ寝たい気分だ…というぐらいか』
「じゃあ帰るか。確かこの街にはお前の好きな佃煮とか売られてるハズだから好きなだけ買ってやるよ」
『本当か!!では帰ろう!今すぐ帰ろう!さあ!』
「あ」
俺の問いにくたびれたサラリーマンのように力なく返した永江に俺がご褒美を用意すると…
永江は途端に元気になって早足で来た道を戻って行く。
ーーーーー
「おかえりぃ。どうだった?」
神殿の外にあった屋台で虫の佃煮を買い占めて帰宅すると永江は佃煮が大量に入った袋を抱えたまま直ぐに教会へと向かうので、俺が呆れてると藤原が尋ねてくる。
「分からん。永江は疲れたって言ってた」
「まあ、神殿っつったらなぁ…本来なら魔獣が近づけないようになってる場所だし」
「そんなトコに無理やり入ってったらそりゃ疲れるわ」
「でもアイツめっちゃはしゃぎながら出てったぜ?」
俺の返答に柴田が納得しながら返すと藤原も笑いながら賛同し、柴田は帰宅した時の永江の様子を思い出しながら笑う。
「教国?ドロウィンでも良くね?」
「アッチの神殿の方がデカくて立派だからな。あと家から近い」
「…まあどこでもいいか」
俺が斉藤に電話をかけながら言うと柴田が不思議そうに聞くので理由を話すと藤原はどうでもよさそうに返す。
「…もしもし?」
「おう斉藤、ちょっと永江を貸してくれ」
「ミアちゃんを?」
「そうそう。ちょっと用が出来てな…多分そんな時間はかからんと思うが」
「うん、分かった。じゃあミアちゃんに帰宅するよう伝えておくね」
「頼む」
斉藤に用件を告げると不思議そうに聞くが俺の話を聞いて了承してくれる。
『ふむ、妾を呼び出すとは珍しいの。して何用じゃ?』
「早かったな。とりあえず俺と一緒に来い…藤」
「あいよ」
電話から5分ぐらいで永江が帰宅したので俺は用件を言った後に藤原に合図を出してスキルの連携で移動した。
『…ほお、大きな建物じゃな』
「まあ『教国』っていうぐらいだからな…他の国よりも神殿には気合入れてんのよ」
家から出て神殿へと行くと入口で永江が意外そうに若干驚いたように言うので俺は適当に軽く説明しながら中へと入る。
『…なんとも…嫌で不快な空間じゃな…』
「まあ魔獣のお前じゃそうかもな」
神殿の奥の方へと進んで行くと永江が気分悪そうな感じで呟くが、特に問題は無さそうなので俺はそのまま祭壇のある奥の大広間へと向かった。
『…うぅむ…こんな所で何を…?一刻も早くこの場から離れたいのじゃが…』
力が抜けていく感覚がする…と、永江は体調悪そうな感じでソワソワしながら尋ねる。
「この祭壇に向かって両手を組んで祈ってくれ」
『…こう、か…?』
階段を上った先にある大きな祭壇の前で指示をする永江が片膝をついて祈りのポーズを取った。
が、全くといっていいほど何も起こらない。
「どうだ?なんか変化はあったか?」
『…何も…しいて言えば疲れのせいで、 今すぐ寝たい気分だ…というぐらいか』
「じゃあ帰るか。確かこの街にはお前の好きな佃煮とか売られてるハズだから好きなだけ買ってやるよ」
『本当か!!では帰ろう!今すぐ帰ろう!さあ!』
「あ」
俺の問いにくたびれたサラリーマンのように力なく返した永江に俺がご褒美を用意すると…
永江は途端に元気になって早足で来た道を戻って行く。
ーーーーー
「おかえりぃ。どうだった?」
神殿の外にあった屋台で虫の佃煮を買い占めて帰宅すると永江は佃煮が大量に入った袋を抱えたまま直ぐに教会へと向かうので、俺が呆れてると藤原が尋ねてくる。
「分からん。永江は疲れたって言ってた」
「まあ、神殿っつったらなぁ…本来なら魔獣が近づけないようになってる場所だし」
「そんなトコに無理やり入ってったらそりゃ疲れるわ」
「でもアイツめっちゃはしゃぎながら出てったぜ?」
俺の返答に柴田が納得しながら返すと藤原も笑いながら賛同し、柴田は帰宅した時の永江の様子を思い出しながら笑う。
0
お気に入りに追加
321
あなたにおすすめの小説
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
元勇者で神に近い存在になった男、勇者パーティに混じって魔王討伐参加してたら追い出されました。
明石 清志郎
ファンタジー
昔とある世界で勇者として召喚され、神に近い存在になった男ジン。
新人研修の一環として同胞の先輩から、適当に世界を一つ選んでどんな方法でもいいから救えと言われ、自分の昔行った異世界とは別の世界を選び、勇者四人の選定も行った。
自分もそこで勇者として潜入し、能力を隠しつつ、勇者達にアドバイスなんかを行い後方支援を行い、勇者を育てながら魔王討伐の旅にでていた。
だがある日の事だ。
「お前うるさいし、全然使えないからクビで」
「前に出ないくせに、いちいちうぜぇ」
等と言われ、ショックと同時にムカつきを覚えた。
俺は何をミスった……上手くいってる思ったのは勘違いだったのか……
そんな想いを抱き決別を決意。
だったらこいつらは捨ててるわ。
旅に出て仲間を見つけることを決意。
魔王討伐?一瞬でできるわ。
欲しかった仲間との真の絆を掴む為にまだよく知らない異世界を旅することに。
勇者?そんな奴知らんな。
美女を仲間にして異世界を旅する話です。気が向いたら魔王も倒すし、勇者も報復します。
料理人がいく!
八神
ファンタジー
ある世界に天才料理人がいた。
↓
神にその腕を認められる。
↓
なんやかんや異世界に飛ばされた。
↓
ソコはレベルやステータスがあり、HPやMPが見える世界。
↓
ソコの食材を使った料理を極めんとする事10年。
↓
主人公の住んでる山が戦場になる。
↓
物語が始まった。
元勇者パーティの料理人〜追放されたけど料理スキルがカンストしている俺は王都1を目指して料理店始めます〜
月乃始
ファンタジー
「ロイズ、すまんが抜けてくれ」
魔王討伐から数ヶ月が経った朝、勇者ボイドから衝撃の言葉を伝えられる。
「資金不足なの」
勇者パーティに唯一残っている魔法使いのラナから現実を突きつけられて、たかが料理人、戦闘用員でもない俺ロイズは、名高い勇者パーティを追放された。
「これからどうするか」
数年ぶりに戻ってきた王都はなにやら活気がない。
スリや犯罪も横行している。
記憶とあまりに違う王都に困惑しながらも、不思議な声に導かれ、日銭を稼ぐため一から冒険者になることに。
冒険者登録をしに行ったギルドで今の王都がどれだけ酷い状況なのかを知る。
『街の料理店には料理人がいないから回復もバフも貰えず元気がない』
『誰もが料理人を求めている』
昔から要らないと言われ続けた料理人が今はこんなに必要とされていたなんて…
ギルドで出会った謎の酒女ドラカから自分の料理店を経営すること、そして王都で1番の料理人になることを条件に、衣食住の保証はしてもらえることに。
何だかんだ好きなことで平和に暮らせるならいいか。
なんて軽く考えていたら……。
え?まさかのお客さまだらけで本当に大丈夫か?
★ドタバタほのぼの飯テロファンタジー★
※第16回ファンタジー大賞参加中
応援よろしくお願いします!
とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~
剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる