クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
524 / 556

524

しおりを挟む
「占い…あ。そう言えば災魔とか害獣とかを全部倒したんだってね!」

「おう。だから次どうすればいいか占ってくれ」

「分かった」


清水は佐藤と同じ事を言い出すので俺が軽く流すように指示をすると水晶玉を取り出す。


「ん?…駒込だ…もしもし?」


清水の報告を待っていると俺のスマホに着信があったので相手の名前を言って電話に出る。


「海原聞いたぜ!お前ら災魔達を倒したんだってな!」

「おう」

「で、どうやったら俺たちは帰れるんだ?」

「まだ分からん」


多分女子達から聞いたんであろう駒込の言葉に相槌を打つと俺らも知りたがってる事を聞いてくるのでとりあえず現状を話す。


「そうか…じゃあ何か分かったら教えてくれ。じゃあな」

「あ…切れた」

「どした?」


駒込は言いたい事だけ言って切るので俺がスマホを見ながら呟くと柴田が聞いてきた。


「いや、アッチの魔獣の襲撃はどうなってんのか聞こうと思ったら切れた」

「あー…流石に災魔と害獣を倒したんだからもう無いんじゃね?」

「だといいんだがな」

「…ダメだ。何も分からない…」


俺と藤原が話していると清水は残念そうにスキルを使った結果を呟く。


「占いでは『元の世界に戻れる』って出てるんだけど、どうすれば良いのかが全く分からないし、全然見当もつかない…」

「…マジか。じゃあ井上に聞いてみるか?」

「井上?ああ、あの夢見の巫女とかいう奴ね」


テーブルに肘を乗せて頭を抱えながら呟く清水に俺が提案すると柴田が不思議そうな顔をした後に納得する。


「でも清水の占いで分からないのにその巫女とやらが分かるのか?」

「一応神託を受けてるらしいから何か分かんじゃね?」

「じゃあ俺が電話するわ」


藤原の疑問に俺が適当に返すと柴田がスマホを取り出して井上へと電話をかけた。


「もしもし?井上か?柴田だけど…昨日災魔と害獣を倒したんだが、どうやったら元の世界に帰れるか巫女に聞いてくれ」

「何かしらヒントでもあればいいんだけどな」

「全くだ」

「マジ。おう、おう…じゃ、頼んだ。…後から聞いてくれんだと」


柴田は電話を切った後に軽く報告する。


「んじゃ帰るか」

「あー…これってもしかして私達もアッチに行った方が良いパターン?」

「かもしれない…藤原、海原私達もお願い。ついでに海原、お願いね」

「あいよ」

「はいはい」


俺らが帰宅しようとしたらどうやら清水と佐藤もついてくるつもりらしいので…


藤原と俺は女子二人のお願いに軽く了承してからみんなでアッチの拠点の家へと帰宅した。


「そう言えば魔獣を倒したっていうのにレベル上がらなかったんだけど」

「マジ?俺らは普通に上がったぜ?なあ?」

「おう」

「うそ!どれだけ上がったの?」

「60になったから…20ぐらい」


佐藤の思い出したような発言に柴田が確認するように返すと清水が驚きながら聞いてくるので藤原は思い出すように答える。


「20!?20も上がったの!?めっちゃ上がるじゃん!」

「ってか40からの20って必要経験値結構エグいんじゃない?なんで私達は外れたんだろ…?」

「多分、だけど…あくまで俺らの予想だぜ?多分おそらく海の拠点…家に住んでると居候とかの住民はパーティ扱いになるかもしれん」

「「えー!」」

「あくまで今までの状況から推測した仮定の話だけどな」


佐藤が驚くと清水は不思議そうに呟くので柴田が前置きしながら軽く説明すると二人は驚き、藤原が念を押すように確定情報じゃない事を告げた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...