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「おー!うまっ!」
「…外食は高いからって自炊するようになって分かったけど…海原とか深山達って料理上手過ぎない…?」
「そりゃ俺らの師匠は王族お抱えの料理長だからな。深山達は孫弟子みたいなもんだが」
「じゃあ柴田達も?」
「いんや全く」
「俺らは皮むきとか皿を用意するぐらいしか出来ねー」
俺の兵達が作った料理を食べながら小林が聞いてくるので適当な感じで返すと、意外そうに柴田と藤原を見るが二人は笑いながら否定する。
「あ、でも一応簡単な仕込みぐらいなら出来るぞ。女子達に手伝いをお願いされたりしてたからな」
「でも流石にこのレベルのは俺らには無理だな…女子達だって出来るかどうか…」
「…なんか物凄く手が込んでそうだしね…」
「まあ実際物凄く手間暇かかった料理だし?」
「うめー!またコレが食えるなんて来て良かったぜ!!」
「おい。周りの迷惑になるだろ。もう少し静かに喜べ」
俺らが話してると飯島のパーティメンバーである剣士が立ち上がって叫び、射手が冷静に気を遣うよう注意した。
ーーーー
「…ふう、食った食った…腹一杯だ」
「…ごちそうさまでした」
「…ごちそうさま…」
駒込が満足そうに腹をさすりながら言うと飯島と魔法使いは両手を合わせて食後の挨拶をする。
「おっとそうか、ごちそーさん。美味かった」
「ごちそうさま。…毎日海原が作ってくれないかなー?…いや、でもコレが毎日じゃ確実に太る…」
駒込も両手を合わせて食後の挨拶をすると小林は俺を見ながら遠慮がちに言うもすぐに葛藤しながら呟く。
「…さて、どうする?俺らこのままお前らの護衛でもしといた方がいいか?」
「ありがてー申し出だけど必要ないから断る。あの拠点の防衛に回ってくれ」
「あー…また間髪いれずに攻めて来られたら大変だしな」
「今んとこクラスん中でまともに動けるのってお前らと灰村ぐらいしか居ねーからな…やっぱ固有スキルの性能にあぐらをかいて苦労してねー奴は使いモンになんねーわ」
駒込の提案を俺が断ると柴田が納得したように言い、藤原は俺にも刺さる内容の皮肉が込もった愚痴や文句を言い始めた。
「俺や沼内は冒険者じゃねーからセーフだな」
「…まあ、お前らは冒険者じゃねーからな…」
「逆におめーは冒険者じゃねーからこその、って感じだしなぁ…」
俺が反論するように返すと藤原と柴田はなんとも言えないような複雑な感じで笑いながら呟く。
「じゃあ俺たちは街の防衛にあたればいいわけだな?」
「おう。なんかあったら電話するからお前らもなんかあったら電話してな」
「オッケー」
「…ホントに大丈夫?」
「柴田くん達なら心配いらないよ。『生きる伝説』と呼ばれてる英雄だからね」
駒込の確認に俺が肯定しながら返すと小林は心配したように聞くが飯島が安心させるように言う。
「あっ!えっ!?そっか!そういやそうなんだよね!」
「「「「ええ…」」」」
驚きながら俺らを見る小林に飯島を除く俺らの呟きが被る。
「…そうだ。確かに言われてみれば…って言っても本人達を見ると全く実感が湧かないんだけど」
「まあ柴田くん達はとんでもない事をさも当然のように当たり前の感覚でやるから…」
小林が柴田を指差してなんとも言えないような顔で言うと飯島も複雑そうに笑いながら微妙な感じで返す。
「…さて。じゃ、俺らは戻るぜ?」
「おう。一応気をつけてけよ」
「じゃあ僕達も戻ろうか」
「…ん」
駒込の確認に俺が手を振って返すと飯島もパーティメンバーに声をかけ…
駒込が馬に乗ると小林も乗り、飯島達も次々と馬に乗って拠点へと戻って行った。
「…外食は高いからって自炊するようになって分かったけど…海原とか深山達って料理上手過ぎない…?」
「そりゃ俺らの師匠は王族お抱えの料理長だからな。深山達は孫弟子みたいなもんだが」
「じゃあ柴田達も?」
「いんや全く」
「俺らは皮むきとか皿を用意するぐらいしか出来ねー」
俺の兵達が作った料理を食べながら小林が聞いてくるので適当な感じで返すと、意外そうに柴田と藤原を見るが二人は笑いながら否定する。
「あ、でも一応簡単な仕込みぐらいなら出来るぞ。女子達に手伝いをお願いされたりしてたからな」
「でも流石にこのレベルのは俺らには無理だな…女子達だって出来るかどうか…」
「…なんか物凄く手が込んでそうだしね…」
「まあ実際物凄く手間暇かかった料理だし?」
「うめー!またコレが食えるなんて来て良かったぜ!!」
「おい。周りの迷惑になるだろ。もう少し静かに喜べ」
俺らが話してると飯島のパーティメンバーである剣士が立ち上がって叫び、射手が冷静に気を遣うよう注意した。
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「…ふう、食った食った…腹一杯だ」
「…ごちそうさまでした」
「…ごちそうさま…」
駒込が満足そうに腹をさすりながら言うと飯島と魔法使いは両手を合わせて食後の挨拶をする。
「おっとそうか、ごちそーさん。美味かった」
「ごちそうさま。…毎日海原が作ってくれないかなー?…いや、でもコレが毎日じゃ確実に太る…」
駒込も両手を合わせて食後の挨拶をすると小林は俺を見ながら遠慮がちに言うもすぐに葛藤しながら呟く。
「…さて、どうする?俺らこのままお前らの護衛でもしといた方がいいか?」
「ありがてー申し出だけど必要ないから断る。あの拠点の防衛に回ってくれ」
「あー…また間髪いれずに攻めて来られたら大変だしな」
「今んとこクラスん中でまともに動けるのってお前らと灰村ぐらいしか居ねーからな…やっぱ固有スキルの性能にあぐらをかいて苦労してねー奴は使いモンになんねーわ」
駒込の提案を俺が断ると柴田が納得したように言い、藤原は俺にも刺さる内容の皮肉が込もった愚痴や文句を言い始めた。
「俺や沼内は冒険者じゃねーからセーフだな」
「…まあ、お前らは冒険者じゃねーからな…」
「逆におめーは冒険者じゃねーからこその、って感じだしなぁ…」
俺が反論するように返すと藤原と柴田はなんとも言えないような複雑な感じで笑いながら呟く。
「じゃあ俺たちは街の防衛にあたればいいわけだな?」
「おう。なんかあったら電話するからお前らもなんかあったら電話してな」
「オッケー」
「…ホントに大丈夫?」
「柴田くん達なら心配いらないよ。『生きる伝説』と呼ばれてる英雄だからね」
駒込の確認に俺が肯定しながら返すと小林は心配したように聞くが飯島が安心させるように言う。
「あっ!えっ!?そっか!そういやそうなんだよね!」
「「「「ええ…」」」」
驚きながら俺らを見る小林に飯島を除く俺らの呟きが被る。
「…そうだ。確かに言われてみれば…って言っても本人達を見ると全く実感が湧かないんだけど」
「まあ柴田くん達はとんでもない事をさも当然のように当たり前の感覚でやるから…」
小林が柴田を指差してなんとも言えないような顔で言うと飯島も複雑そうに笑いながら微妙な感じで返す。
「…さて。じゃ、俺らは戻るぜ?」
「おう。一応気をつけてけよ」
「じゃあ僕達も戻ろうか」
「…ん」
駒込の確認に俺が手を振って返すと飯島もパーティメンバーに声をかけ…
駒込が馬に乗ると小林も乗り、飯島達も次々と馬に乗って拠点へと戻って行った。
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