クラスまるごと異世界転移

八神

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…翌日。


「…やっぱ家は落ち着くな…野宿とはえらい違いやわ…」

「そりゃそーだろ」

「俺久しぶりに寝袋使ったわ。やっぱ地面に寝袋は寝た気しねー」


朝起きると身体痛ぇしよ…と、藤原は愚痴るように拠点の外に調査に行った時の話をする。


「テントとかじゃねーんだ?」

「アイツらは簡易テントとかを持って無かった。『荷物になるから邪魔。寝袋だけで充分』だとよ」

「ほー、そりゃベッドに慣れたお前らじゃキツイだろうな」

「全くだ。甘えた自分に喝を入れるつもりで寝袋を使ってたが…やっぱ人間一度でも楽を覚えるとお終いよ。寝袋に入る度にベッドで寝てた頃を思い出すんだぜ?」


俺の問いに藤原が呆れたようにパーティの奴らの考えを話すので、俺が笑いながら弄るように言うも…


藤原はまさかのツッコまずにため息を吐いて賛同するように返してきた。


「…確かにそれは大変だな…」

「やっぱ非戦闘員でも荷物持ちは必要かもしれん。経験値よりも継戦を優先した方が効率的にも良さげだし」

「それだとパーティメンバーを増やす事にならね?」

「…うーん…荷物持ち増やして5、6人ぐらいのパーティがちょうど良いんじゃねーかな?もちろん非戦闘員っつっても自衛できるだけの強さは必須ってか前提条件だけど」


俺が共感するように返すと藤原は考えを改めたかのような事を言い、冒険者達のパーティ事情を改善するかのような案を出してくる。


「でも人数が多いとその分レベル上げが遅れるんだろ?育ち切ったパーティならソレでも良いかもしれんが、駆け出しとか売り出し中とかならキツくね?」

「うっ…確かに……やっぱ今の形が一番って事かぁ…」


俺の指摘に藤原はがっかりしながら諦めたように呟く。



…更に翌日。



「…はー、ようやくパーティ抜けられたぜ…」

「あ?なに?お前パーティ抜けたの?」

「だってアイツらギルドに居るのに何をするわけでもなく座ってるだけでよ…依頼受けねーのか聞いたら『まだ俺達の出番じゃない』とか意味不明な事言い出すんだぜ?」


柴田が疲れたように呟きながら帰って来たので俺が確認するとよく分からん事を言われた。


「なんだそれ?」

「依頼を受けねーんなら俺居る意味ねーし必要ねーじゃん?なのに『抜けないでくれ』ってウザくてよ」

 「意味分からんな」

「だから『依頼受けた時にどうしても必要になったら戻ってやる』って条件付けて無理やり抜けた」


柴田の呆れながらの話に俺が賛同すると柴田は一応アフターケアみたいな事はしてあげた的な事を言う。


「それならまだ石井達のパーティの方が良かったんじゃね?」

「…まだ行動する分にはそーだな。でも藤の二の舞はゴメンやわ」

「あー…」


俺がそう聞くと柴田は抜けたパーティと比べてマシな点を話すも藤原が食料不足に陥ってた事態を指摘し、石井達のパーティに戻るのは嫌がる。


「最近来た奴らはどいつもこいつも今までパーティメンバーに面倒な事をやってもらって苦労せずにココまで来てっからな…考えが甘いのなんのって…」

「それだけ固有スキルが強いって事か。羨ましい限りだな」

「全くだ」


柴田のため息を吐きながらの呆れたような発言に俺が皮肉を込めて言うと笑いながら同意された。


「で、次はどいつんトコ行くんだ?」

「めんどーだからしばらく休む。一週間ぐらい」

「はあ?」

「たでーまー。…柴、お前パーティ抜けたんだって?」


俺が予定を聞くも柴田はまたしても休養に入るらしく『またかよ』と思いながら返すとちょうど良いタイミングで藤原が帰ってくる。
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