514 / 556
514
しおりを挟む
…翌日。
「…やっぱ家は落ち着くな…野宿とはえらい違いやわ…」
「そりゃそーだろ」
「俺久しぶりに寝袋使ったわ。やっぱ地面に寝袋は寝た気しねー」
朝起きると身体痛ぇしよ…と、藤原は愚痴るように拠点の外に調査に行った時の話をする。
「テントとかじゃねーんだ?」
「アイツらは簡易テントとかを持って無かった。『荷物になるから邪魔。寝袋だけで充分』だとよ」
「ほー、そりゃベッドに慣れたお前らじゃキツイだろうな」
「全くだ。甘えた自分に喝を入れるつもりで寝袋を使ってたが…やっぱ人間一度でも楽を覚えるとお終いよ。寝袋に入る度にベッドで寝てた頃を思い出すんだぜ?」
俺の問いに藤原が呆れたようにパーティの奴らの考えを話すので、俺が笑いながら弄るように言うも…
藤原はまさかのツッコまずにため息を吐いて賛同するように返してきた。
「…確かにそれは大変だな…」
「やっぱ非戦闘員でも荷物持ちは必要かもしれん。経験値よりも継戦を優先した方が効率的にも良さげだし」
「それだとパーティメンバーを増やす事にならね?」
「…うーん…荷物持ち増やして5、6人ぐらいのパーティがちょうど良いんじゃねーかな?もちろん非戦闘員っつっても自衛できるだけの強さは必須ってか前提条件だけど」
俺が共感するように返すと藤原は考えを改めたかのような事を言い、冒険者達のパーティ事情を改善するかのような案を出してくる。
「でも人数が多いとその分レベル上げが遅れるんだろ?育ち切ったパーティならソレでも良いかもしれんが、駆け出しとか売り出し中とかならキツくね?」
「うっ…確かに……やっぱ今の形が一番って事かぁ…」
俺の指摘に藤原はがっかりしながら諦めたように呟く。
…更に翌日。
「…はー、ようやくパーティ抜けられたぜ…」
「あ?なに?お前パーティ抜けたの?」
「だってアイツらギルドに居るのに何をするわけでもなく座ってるだけでよ…依頼受けねーのか聞いたら『まだ俺達の出番じゃない』とか意味不明な事言い出すんだぜ?」
柴田が疲れたように呟きながら帰って来たので俺が確認するとよく分からん事を言われた。
「なんだそれ?」
「依頼を受けねーんなら俺居る意味ねーし必要ねーじゃん?なのに『抜けないでくれ』ってウザくてよ」
「意味分からんな」
「だから『依頼受けた時にどうしても必要になったら戻ってやる』って条件付けて無理やり抜けた」
柴田の呆れながらの話に俺が賛同すると柴田は一応アフターケアみたいな事はしてあげた的な事を言う。
「それならまだ石井達のパーティの方が良かったんじゃね?」
「…まだ行動する分にはそーだな。でも藤の二の舞はゴメンやわ」
「あー…」
俺がそう聞くと柴田は抜けたパーティと比べてマシな点を話すも藤原が食料不足に陥ってた事態を指摘し、石井達のパーティに戻るのは嫌がる。
「最近来た奴らはどいつもこいつも今までパーティメンバーに面倒な事をやってもらって苦労せずにココまで来てっからな…考えが甘いのなんのって…」
「それだけ固有スキルが強いって事か。羨ましい限りだな」
「全くだ」
柴田のため息を吐きながらの呆れたような発言に俺が皮肉を込めて言うと笑いながら同意された。
「で、次はどいつんトコ行くんだ?」
「めんどーだからしばらく休む。一週間ぐらい」
「はあ?」
「たでーまー。…柴、お前パーティ抜けたんだって?」
俺が予定を聞くも柴田はまたしても休養に入るらしく『またかよ』と思いながら返すとちょうど良いタイミングで藤原が帰ってくる。
「…やっぱ家は落ち着くな…野宿とはえらい違いやわ…」
「そりゃそーだろ」
「俺久しぶりに寝袋使ったわ。やっぱ地面に寝袋は寝た気しねー」
朝起きると身体痛ぇしよ…と、藤原は愚痴るように拠点の外に調査に行った時の話をする。
「テントとかじゃねーんだ?」
「アイツらは簡易テントとかを持って無かった。『荷物になるから邪魔。寝袋だけで充分』だとよ」
「ほー、そりゃベッドに慣れたお前らじゃキツイだろうな」
「全くだ。甘えた自分に喝を入れるつもりで寝袋を使ってたが…やっぱ人間一度でも楽を覚えるとお終いよ。寝袋に入る度にベッドで寝てた頃を思い出すんだぜ?」
俺の問いに藤原が呆れたようにパーティの奴らの考えを話すので、俺が笑いながら弄るように言うも…
藤原はまさかのツッコまずにため息を吐いて賛同するように返してきた。
「…確かにそれは大変だな…」
「やっぱ非戦闘員でも荷物持ちは必要かもしれん。経験値よりも継戦を優先した方が効率的にも良さげだし」
「それだとパーティメンバーを増やす事にならね?」
「…うーん…荷物持ち増やして5、6人ぐらいのパーティがちょうど良いんじゃねーかな?もちろん非戦闘員っつっても自衛できるだけの強さは必須ってか前提条件だけど」
俺が共感するように返すと藤原は考えを改めたかのような事を言い、冒険者達のパーティ事情を改善するかのような案を出してくる。
「でも人数が多いとその分レベル上げが遅れるんだろ?育ち切ったパーティならソレでも良いかもしれんが、駆け出しとか売り出し中とかならキツくね?」
「うっ…確かに……やっぱ今の形が一番って事かぁ…」
俺の指摘に藤原はがっかりしながら諦めたように呟く。
…更に翌日。
「…はー、ようやくパーティ抜けられたぜ…」
「あ?なに?お前パーティ抜けたの?」
「だってアイツらギルドに居るのに何をするわけでもなく座ってるだけでよ…依頼受けねーのか聞いたら『まだ俺達の出番じゃない』とか意味不明な事言い出すんだぜ?」
柴田が疲れたように呟きながら帰って来たので俺が確認するとよく分からん事を言われた。
「なんだそれ?」
「依頼を受けねーんなら俺居る意味ねーし必要ねーじゃん?なのに『抜けないでくれ』ってウザくてよ」
「意味分からんな」
「だから『依頼受けた時にどうしても必要になったら戻ってやる』って条件付けて無理やり抜けた」
柴田の呆れながらの話に俺が賛同すると柴田は一応アフターケアみたいな事はしてあげた的な事を言う。
「それならまだ石井達のパーティの方が良かったんじゃね?」
「…まだ行動する分にはそーだな。でも藤の二の舞はゴメンやわ」
「あー…」
俺がそう聞くと柴田は抜けたパーティと比べてマシな点を話すも藤原が食料不足に陥ってた事態を指摘し、石井達のパーティに戻るのは嫌がる。
「最近来た奴らはどいつもこいつも今までパーティメンバーに面倒な事をやってもらって苦労せずにココまで来てっからな…考えが甘いのなんのって…」
「それだけ固有スキルが強いって事か。羨ましい限りだな」
「全くだ」
柴田のため息を吐きながらの呆れたような発言に俺が皮肉を込めて言うと笑いながら同意された。
「で、次はどいつんトコ行くんだ?」
「めんどーだからしばらく休む。一週間ぐらい」
「はあ?」
「たでーまー。…柴、お前パーティ抜けたんだって?」
俺が予定を聞くも柴田はまたしても休養に入るらしく『またかよ』と思いながら返すとちょうど良いタイミングで藤原が帰ってくる。
0
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています


初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。


うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。
初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。
今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字等あれば連絡をお願いします。
感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。
おもしろかっただけでも励みになります。
2021/6/27 無事に完結しました。
2021/9/10 後日談の追加開始
2022/2/18 後日談完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる