クラスまるごと異世界転移

八神

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…翌日。


「…ん?」


海岸の所でトルツの王子の魔法漁法の研究を手伝っていると柴田から電話が。


「もしもし?」

「海、今暇か?」

「今は仕事中だな」

「マジ?…また魔獣どもが攻めて来やがってよぉ」

「マジで?」


俺が電話に出たら柴田は直ぐに確認してくるので現状を告げるとアッチの状況を報告してくる。


「やっぱ空飛べる魔獣はうぜーわ。まーた別んトコの壁が壊されたし」

「…マジか…流石にそろそろ直した方が良いかもしれんな」

「どうした?」


柴田の報告に俺が『めんどくせー』って思いながらため息を返すとその様子を見ていた王子が不思議そうに聞いてきた。


「アッチの拠点で魔獣の襲撃があってまた壁が壊されたんだって」

「なにっ!?またか?」

「どれくらいやられてんの?」

「前の時と比べたらごく一部だけだけど、けっこーボロボロになってる場所とかあるらしいぜ」


なんせ修復や手入れする奴が海以外に居ねーからな。と、柴田は被害状況や防壁の状態とかを報告してくれる。


「じゃあそんな壊れてない感じか」

「まあ普通の街とかと比べりゃ損害とか軽微も軽微だな。そもそもこの前は災魔とか害獣も居たんだろ?そんなのも来て壁の一部が壊されただけで済んだ…ってのはもはや奇跡よ」


俺の確認に柴田は新大陸以外にある町や村を引き合いに出して返しながら前回の事を思い出すように話す。


「そうなのか?やっぱ念のために術式で強化して正解だったってわけね」

「そういう事だな。本来なら害獣一体だけで首都クラスが壊滅するぐらいの被害で出るらしいし」

「へー。で?襲撃はいつぐらいだったんだ?」

「今さっき。ってか今もまだみんなで迎撃してる最中だし」

「はあ!?」


俺が聞くと柴田は軽い感じで返し、俺は予想外の返答に驚いてつい声を上げてしまった。


「…なんか柴の話では今まさに迎撃中なんだって」

「そうか…あまり被害が出ないといいんだが…」

「つーかお前終わってから電話しろよ」

「いやー、暇だからつい、な。お、どうやら終わったみてーだ」


俺の報告に王子は難しい顔をしながら呟き、俺がツッコむように言うと柴田は軽い感じで返しながら魔獣の撃退が終了した事を告げる。


「人的被害とかは?」

「無い。ちょうど俺らが居る所から来てたから直ぐに対応出来たし」

「…襲撃した場所にお前が居るとか魔獣もついてねーな…」


俺が尋ねると柴田は理由を話しながら報告するので魔獣にちょっと同情しながら呟く。


「まあとりあえず、そろそろこの拠点も魔獣の襲撃ありきで考えねーといけねーかもな」

「はーメンド…とりあえず報告ご苦労、じゃあな。…人的被害はゼロらしいから、壁が壊されたぐらいかな…多分」

「…そうか」


俺の報告を聞いた王子はホッとしたように安堵の息を吐きながら呟いた。


「この研究が一区切りついたら俺らもアッチに移動しないといけなくなるかもね」

「そうだな。これからは魔獣の襲撃に備えて対応していかなければ…」


王子に前置きするように言うと王子は腕を組むと考えるように目を瞑りながら賛同する。
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