クラスまるごと異世界転移

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「成功って言うか…まだ途中経過でしかないからなぁ…『段階的な研究の実験結果』で言えば成功とも言える」

「おお…なんか海が頭良さそうな事言ってる」

「これが俗に言う『朱に交われば赤くなる』ってやつか」

「…ちょっと。今ギルが質問してるんだからボケるのはもう少し我慢してよー」


俺の微妙な感じの発言に柴田と藤原がニヤニヤと茶化すように弄ってくるので佐藤が呆れたように注意する。


「いや、大丈夫だ。会話に割り込んでいるのは私の方なのだからな」

「でも男子達って言わないと分からないよ？」

「…大丈夫だ」


王子が大人の対応を見せると佐藤はまるで俺らに釘を刺すように言い、王子は微妙な笑い方をしながら返した。


「とりあえず、早馬とエサは実用的な段階まで実験は進んでるんだって」

「なるほど」

「…急に増えたスポンサー達からの大量の資金のおかげで研究が予想以上に上手く行ってる、って言ってるけど…もしかして？」

「ああ」

「我々もギルバート殿から話を聞いて出資をしている」


研究員からの話を聞いて俺が他の王子達に確認するとニヤリと笑いながら肯定する。


「…なるほどね。とりあえず俺は午後に手伝いに行かないといけないかな…仕事の依頼されたし」

「マジ？なんかお前急に忙しくなったな」

「まあ重なる時は色々と重なるもんだからな…不思議な事に」


俺は納得した後に午後の予定を話すと藤原が驚いたように聞くので飯を食うのを再開しながら返す。



そして朝食後。



俺は藤原に頼んでスキルの連携で王子と共にあと一つの拠点にある家へと移動した。


「…で？結局どこに何を作るかとか決まった？」

「ああ。ウミハラ殿のアドバイス通り野菜や果物を増やす事にした」

「どういうのを？」

「なるべくなら加工して日持ち出来るモノがいいな…オレンジならジャムにすれば長持ちするだろう？」

「そだね。パンに塗ってもいいし」


俺の問いに王子が話し合いの結果を話すので更に聞くとちゃんとした考えがあるようなので賛同する。


「…ココだ。一ヘクタールほどの畑を作って欲しい」

「オッケー」


家から10分ほど歩いた場所で王子が指示をして来るので俺は兵を召喚した。


「後から柵を用意させた方が良いかもしれないな…」

「とりあえず複数の種類を育てるんでしょ？ハイ」


魔導兵達による『魔法農法』ですぐさま耕された地面を見て王子が呟くので俺は木の看板を渡す。


「看板？」

「名前書いて」

「ああ、そういう事か。分かった」


不思議そうに受け取った王子に俺がそう返すと理解したように看板に『小麦』と書く。


「どれくらい作れば良い？」

「そうだな…約1/4だから…ココから……ココまでだ」

「オッケー」


俺の問いに王子が考えながら畑に入って範囲を指定するので、俺は兵に種を蒔くよう指示を出した。