491 / 556
491
しおりを挟む
「だからもし何かあった時はよろしくね?」
「ああ、ああ!任せておけ!」
「ははは!これで我らはウミハラ殿の頼みを断る事が出来なくなったワケだ。とんだ策士だな!」
「…元から、断る気は無いでしょう…?」
「我々も日頃からウミハラ殿には世話になっているからな…」
俺の含みを持たせた確認にドロウィンの王子が力強く頷くとモニクァの王子は豪快に笑いながら言い…
ワウシャープの王子が嬉しそうにツッコむように返すとトルツの王子が笑いながら呟く。
「で、どこに何を作るとかの計画はあるの?」
「うむ。とりあえず主食の小麦さえあれば十分だと思う」
「でも日持ちする物は運べるんでしょ?せっかく作るんなら野菜とか果物とか新鮮な物が良くない?」
「…む。そう言われてみれば…」
「…どうやら畑は種類をいくつか分けた方が良さそうですね」
俺が聞くとモニクァの王子が大雑把な事を言い出すので確認すると腕を組んで考え出し、トルツの王子が案を出した。
「ココは多少知識のある私が行きましょう」
「…イスマイル殿が、そう言うのなら…」
「うむ、イスマイル殿なら安心だ」
「ではお願い致します」
…なんか知らんが王子達の間で話がまとまったらしくトルツの王子が残るようだ。
「おっと、飯はどうする?今日の当番は俺だから今からでも間に合うけど」
「ほう!ありがたいお誘いだ!是非ご馳走になろう」
「…自分も」
「では私も」
足早に部屋を出て行こうとする王子達に俺が誘いをかけるとみんな嬉しそうに了承する。
「多分あと20分ぐらいだね。出来たら呼ぶよ」
「ではそれまで話し合いを続けようか」
「分かりました。小麦以外に何を増やすか…ですね」
「…畑の面積は限られる…割合も、考えなければ…」
飯を作ってる兵に指示を出した後に予定を話すと王子達は農家みたいな話し合いを始めたので俺は部屋を出た。
ーーーーーー
「…ん?」
「どした?」
「…珍しい…いや、初めてじゃねーかな…?」
「なんかあったのか?」
飯を食ってる最中に別の家に研究員を名乗る男達が来てるので俺が驚きながら呟くと柴田が真剣な顔で確認してくる。
「他の家に研究員が来てる」
「「…研究員?」」
俺の報告に柴田と藤原の不思議そうな問いが被った。
「そーそー、その国は王国じゃねーから王子とか居ねーのよ」
「へー。何の研究してんだ?」
「馬」
「馬ぁ?」
「馬の研究ってなんだよ」
「!?馬の研究だと!?」
「ギル?どうしたの?」
俺が軽く説明すると藤原と柴田が怪訝そうな顔をしながら聞き、その会話を聞いていたドロウィンの王子が反応して立ち上がるので佐藤が不思議そうに聞く。
「ウミハラ殿。馬の研究は今どうなっているのだ?」
「えーと……あ、すげぇ」
「お。なんか良い事あったか?」
王子の催促に俺は兵に話を聞かせてその内容に思わず呟くと藤原が弄るように言う。
「なんか馬の品種改良の結果…一日に150キロも走れるようになったんだと。もちろんその場合エサもエナジー食になるけど」
「…マジ?」
「ガチですげーやつじゃねーか!」
「馬車引いても100キロは移動出来るってやべーな」
「…つまり、品種改良とエサの研究は成功した…という事か?」
俺が研究員達の報告を伝えると藤原と柴田も驚くので同意すると王子は内容を確認してきた。
「ああ、ああ!任せておけ!」
「ははは!これで我らはウミハラ殿の頼みを断る事が出来なくなったワケだ。とんだ策士だな!」
「…元から、断る気は無いでしょう…?」
「我々も日頃からウミハラ殿には世話になっているからな…」
俺の含みを持たせた確認にドロウィンの王子が力強く頷くとモニクァの王子は豪快に笑いながら言い…
ワウシャープの王子が嬉しそうにツッコむように返すとトルツの王子が笑いながら呟く。
「で、どこに何を作るとかの計画はあるの?」
「うむ。とりあえず主食の小麦さえあれば十分だと思う」
「でも日持ちする物は運べるんでしょ?せっかく作るんなら野菜とか果物とか新鮮な物が良くない?」
「…む。そう言われてみれば…」
「…どうやら畑は種類をいくつか分けた方が良さそうですね」
俺が聞くとモニクァの王子が大雑把な事を言い出すので確認すると腕を組んで考え出し、トルツの王子が案を出した。
「ココは多少知識のある私が行きましょう」
「…イスマイル殿が、そう言うのなら…」
「うむ、イスマイル殿なら安心だ」
「ではお願い致します」
…なんか知らんが王子達の間で話がまとまったらしくトルツの王子が残るようだ。
「おっと、飯はどうする?今日の当番は俺だから今からでも間に合うけど」
「ほう!ありがたいお誘いだ!是非ご馳走になろう」
「…自分も」
「では私も」
足早に部屋を出て行こうとする王子達に俺が誘いをかけるとみんな嬉しそうに了承する。
「多分あと20分ぐらいだね。出来たら呼ぶよ」
「ではそれまで話し合いを続けようか」
「分かりました。小麦以外に何を増やすか…ですね」
「…畑の面積は限られる…割合も、考えなければ…」
飯を作ってる兵に指示を出した後に予定を話すと王子達は農家みたいな話し合いを始めたので俺は部屋を出た。
ーーーーーー
「…ん?」
「どした?」
「…珍しい…いや、初めてじゃねーかな…?」
「なんかあったのか?」
飯を食ってる最中に別の家に研究員を名乗る男達が来てるので俺が驚きながら呟くと柴田が真剣な顔で確認してくる。
「他の家に研究員が来てる」
「「…研究員?」」
俺の報告に柴田と藤原の不思議そうな問いが被った。
「そーそー、その国は王国じゃねーから王子とか居ねーのよ」
「へー。何の研究してんだ?」
「馬」
「馬ぁ?」
「馬の研究ってなんだよ」
「!?馬の研究だと!?」
「ギル?どうしたの?」
俺が軽く説明すると藤原と柴田が怪訝そうな顔をしながら聞き、その会話を聞いていたドロウィンの王子が反応して立ち上がるので佐藤が不思議そうに聞く。
「ウミハラ殿。馬の研究は今どうなっているのだ?」
「えーと……あ、すげぇ」
「お。なんか良い事あったか?」
王子の催促に俺は兵に話を聞かせてその内容に思わず呟くと藤原が弄るように言う。
「なんか馬の品種改良の結果…一日に150キロも走れるようになったんだと。もちろんその場合エサもエナジー食になるけど」
「…マジ?」
「ガチですげーやつじゃねーか!」
「馬車引いても100キロは移動出来るってやべーな」
「…つまり、品種改良とエサの研究は成功した…という事か?」
俺が研究員達の報告を伝えると藤原と柴田も驚くので同意すると王子は内容を確認してきた。
0
お気に入りに追加
329
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました
ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。
そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった……
失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。
その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。
※小説家になろうにも投稿しています。
アレク・プランタン
かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった
と‥‥転生となった
剣と魔法が織りなす世界へ
チートも特典も何もないまま
ただ前世の記憶だけを頼りに
俺は精一杯やってみる
毎日更新中!
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!
神桜
ファンタジー
小学生の子を事故から救った華倉愛里。本当は死ぬ予定じゃなかった華倉愛里を神が転生させて、愛し子にし家族や精霊、神に愛されて楽しく過ごす話!
『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!』の番外編を『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!番外編』においています!良かったら見てください!
投稿は1日おきか、毎日更新です。不規則です!宜しくお願いします!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる