クラスまるごと異世界転移

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「とりあえず俺が対応しとくからお前らはそのまま飯食っとけ」

「オッケー」

「頼んだぜ」


食事もほとんど終わり後はデザートを残すのみだったので俺が井上の対応をする事にして席を立つ。


「よう、海原…だったか？流石に英雄ともなるとでけぇ家に住んでるんだな」

「俺は冒険者じゃないただの一般人だけどな」

「は…？」

「英雄と呼ばれてんのはあの二人だけよ」


来客用の応接室に行くと直ぐに井上が入って来て挨拶しながら勘違いをかますので否定して訂正する。


「…でもこの家はお前の物なんだよな？どうやって買ったんだ？まさかローンってワケじゃないだろ…？」

「金を稼ぐ手段ならいくらでもあるからな…王子の御用聞きをやったりとか」

「…ツテとコネか。あいつらを利用したワケか…なかなか図太…いや、強か……とりあえず上手くやったもんだ」


井上が驚いたように確認するので簡単に返すとまたしても勘違いされたが、俺は面倒なので訂正はせずにそのままスルーした。


「で？よくココが分かったな」

「ああ、駒に聞いた。あの拠点に行ったらココだって言われてな」

「んで？何の用だ？」

「災魔を倒した方法を教えてくれ」


俺の疑問にソースを答える井上に質問すると予想外の事を聞かれる。


「皇帝といい王様といい…どうやって倒したんだ？奴らをおびき寄せた方法とかも出来れば教えてくれ」

「…うん？いや普通に面会…謁見か。コネとツテを使って直接会った後に倒しただけだけど」


井上が真剣な表情で聞いてくるので俺は言葉のチョイスに若干引っかかりつつも方法と経緯を教えた。


「なんだって！？コネとツテ！？…俺が『皇帝は魔獣だ』って言っても信じてくれなかったぞ？」

「そりゃそうよ。俺らもクラスメイトのお前の言葉だから聞いたんであって、そこらの知らん奴が同じ事を言っててもシカトするし」

「…た、確かに…」


驚きながらアホみたいな事をやらかした井上に俺が呆れながら言うと少し考えて納得したように呟く。


「お前もわざわざ魔獣が一人になった所を狙うよりも帝国のお偉いさんに取り入って仕掛けた方が早かったんじゃねーの？」


戦争を起こすとか馬鹿みたいな事やって盛大にボロを出してたし…と、俺は井上に他の方法があった事を伝えた。


「…そう考えるとそうだが…もっと早く言って欲しかった…」

「そういえば災魔害獣の目的って邪神の復活らしいけど、邪神ってなんだ？」

「え？なんだそれ？」

「え？」

「…マジ？」

「マジ」

「…邪神、ねぇ…後で巫女に聞いてみるか」


落ち込むように呟く井上に俺が疑問を尋ねるもどうやら井上の方も何も知らないらしく微妙な空気が流れる中、井上が考えながら呟く。


「おう、井上。元気か？」

「お。藤原と柴田か」

「何の話してたんだ？」


俺らの話が終わると飯が終わったのか柴田と藤原がやって来た。


「あ、ホントだ。男子が来てる」

「えーと、初めまして…じゃないよね？久しぶり？かな？」


すると今度は住吉や女子達がやって来て深山が嬉しそうに挨拶する。


「あ、ああ…久しぶり。…お前らこんな女子達に囲まれて生活してんの…？」

「まあ。飯の時と夜以外は一緒に居ねーけど」


井上はぎこちない笑顔で手を振って返すと小声で聞いてくるので俺は肯定しながら変な誤解をされないように話す。