クラスまるごと異世界転移

八神

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…そして昼食後。


「藤、頼む」

「オッケー。楽しみにしてるぜ」


お土産の準備も出来たので俺は藤原にお願いしてスキルの連携でガライアの家へと移動して沼内のアトリエへと向かった。


「いらっしゃいませー。…あ、ウミハラさん。マスターに用ですか?」

「そうそう。入るよ」

「はい。どうぞ」


一応俺はカウンターにいた店員のお姉さんに許可を取ってから沼内のアトリエへと入る。


「うーっす。元気か?」

「あ。早かったね」

「そうか?まあ今日はいつもより早めに飯食ったからな。お前は飯は?」

「まだ。今からだけど」


俺が挨拶すると沼内は振り向いて意外そうに言うので適当に返して確認すると首を横に振った。


「そうか。で?モノは?」

「あ、はい。コレ」

「…ん?なんかCMで見たやつと違うな」


俺の催促に沼内がゴーグルとヘッドホンを渡してくるが…


想像と違ってえらいシャープで横に細長い感じの…目隠しのようなゴーグルを見て俺は沼内にそう確認する。


「まあ俺たちの世界とは技術が違うからね。形も変わるよ」

「それもそうか」

「従来のゴーグルだと縦に長いから重い上に横の視野が狭くなるじゃん?だから画面を視界の端まで長くした」

「ほー…よく分からんがなんかすげー技術の塊って事か」


沼内の発言に俺が納得すると理由を説明してくるが俺はイマイチ理解出来ないので感心しながら適当に返す。


「3D酔いとか画面酔いしないように色々対策はしてるけど…それでも酔う場合は早めにゲームを止めて休んだ方がいいよ」

「ま、そりゃそうだ」

「充電式だから充電器忘れないようにね」

「一回の充電でどれくらい遊べんの?」

「ソフトによるけど…最長10時間、最短8時間ぐらいかな」

「そんなに!?」


俺が確認すると沼内は考えながら目安の時間を教えてくれ、俺はその長さに驚いてしまう。


「冷却効率が上がったからバッテリーの容量も増やせた」

「へー…それでも10時間ってすげーな」

「まあ、材料が良いからだよ」


理由を話す沼内を褒めると謙遜するように返された。


「で、例のモノは?」

「例のモノって…ケーキだろ?」

「…そう!これこれ!」


沼内のもったいつけたような言い方での確認に俺が呆れながら兵に箱を渡させると、すぐさま中身を確認して嬉しそうに言う。


「他にも持ってきたぞ」

「マジ!?やったぜ!」


俺がチョコのクッキーシューや上にカラメル下にザラメの付いたカステラが入ってる袋を渡すと沼内は喜んで受け取る。


「…ん?コレは?」

「ソレはレモンケーキ。中にクリームの入った贅沢仕様だな」

「マジか!うまそー…!食べるのが楽しみだぜ!」


渡した袋の中の箱を開けて確認している沼内が不思議そうに聞いてくるので俺も覗き込んで答えるとテンション高めに叫び出す。
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