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…翌日。
俺らが朝早くに家から出ると街中には既に魔獣達の姿は無くなっていた。
そして人の亡骸も全く見当たらず…昨日まで騒がしかった帝都がまるで廃墟のように静まり返っている。
「…永江はどこだ?おーい!」
『…む。呼んだか?』
藤原が辺りを見渡して声を上げるとどっかの屋根の上から永江が現れた。
「魔獣は?」
『妾の配下なら全て還したぞ』
「じゃあもうココには居ないんだな?」
『うむ。もし居たとすればソレは妾の配下とは関係の無い魔獣…という事になるな』
隣に来た永江に俺が尋ねると柴田が念を押して確認し、永江は肯定する。
「んで?生き残りは?」
『死霊王の抜け殻が置いてある建物の中以外には居ない。亡骸は言われた通り広い空間のある建物の中に集めてあるぞ』
「…んじゃとりま博物館行くか」
「オッケ」
「おう」
柴田の問いに永江が報告するとそれを聞いた藤原は行き先を決めた。
「…はー、偉い人が一人ぐらい生き残っててくれねーかな?」
「結局戦争反対派をトップに据えねーと同じ事の繰り返しになるからな」
「最悪昨日の貴族に今の皇帝を蹴り落とさせる…って手もあるんじゃね」
博物館に向かいながら俺らは深山に頑張ってもらった後の事を予想しながら話す。
「…よお、みんな無事か?」
「…誰だ?」
「援軍か?」
「俺らは一応冒険者なんだけど…この中に偉い人は居るか?」
藤原が博物館のドアを開けて聞くと中にいた一般人や兵士が不思議そうな顔をするので柴田が身分を明かしつつ尋ねた。
「…偉い人?…だったら高貴士じゃないのか?」
「しかしアウエロス様はまだ話せる状況じゃ…」
「…そう言えば魔獣はどうしたんだ?外は辺り一面魔獣だらけのはずだが…」
避難してる人達が話し合う中で兵士の一人が疑問を聞いてくる。
「魔獣ならもう居ねーぜ」
「朝になったらいつのまにか居なくなってたからな」
「「「なんだと!?」」」
藤原と柴田の言葉を聞いて兵士の人達が驚きながら一斉に外へと飛び出した。
「…ほ、本当だ…!魔獣の姿が見当たらない!」
「…いや、もしかしたらどこかに隠れているかもしれない!」
「いや隠れる意味はなんだよ」
周りを確認した兵の反応に柴田が思わずツッコむ。
「…魔獣が、居なくなったと言うのは…本当なのか…?」
「お」
「マジか」
「よく生き残れたな」
すると満身創痍の状態で両肩を兵士に支えられたあの青年がつれて来られたので俺らは軽く驚いた。
「…英雄殿か…まさか…」
「いや、今回は俺らは何もしてねーぜ」
「そうそう。朝になったら魔獣が居なくなってたから生き残りを探してただけだし」
青年は柴田と藤原を見ながら呟くので二人は言い訳と正当化と訂正を重ねて返す。
俺らが朝早くに家から出ると街中には既に魔獣達の姿は無くなっていた。
そして人の亡骸も全く見当たらず…昨日まで騒がしかった帝都がまるで廃墟のように静まり返っている。
「…永江はどこだ?おーい!」
『…む。呼んだか?』
藤原が辺りを見渡して声を上げるとどっかの屋根の上から永江が現れた。
「魔獣は?」
『妾の配下なら全て還したぞ』
「じゃあもうココには居ないんだな?」
『うむ。もし居たとすればソレは妾の配下とは関係の無い魔獣…という事になるな』
隣に来た永江に俺が尋ねると柴田が念を押して確認し、永江は肯定する。
「んで?生き残りは?」
『死霊王の抜け殻が置いてある建物の中以外には居ない。亡骸は言われた通り広い空間のある建物の中に集めてあるぞ』
「…んじゃとりま博物館行くか」
「オッケ」
「おう」
柴田の問いに永江が報告するとそれを聞いた藤原は行き先を決めた。
「…はー、偉い人が一人ぐらい生き残っててくれねーかな?」
「結局戦争反対派をトップに据えねーと同じ事の繰り返しになるからな」
「最悪昨日の貴族に今の皇帝を蹴り落とさせる…って手もあるんじゃね」
博物館に向かいながら俺らは深山に頑張ってもらった後の事を予想しながら話す。
「…よお、みんな無事か?」
「…誰だ?」
「援軍か?」
「俺らは一応冒険者なんだけど…この中に偉い人は居るか?」
藤原が博物館のドアを開けて聞くと中にいた一般人や兵士が不思議そうな顔をするので柴田が身分を明かしつつ尋ねた。
「…偉い人?…だったら高貴士じゃないのか?」
「しかしアウエロス様はまだ話せる状況じゃ…」
「…そう言えば魔獣はどうしたんだ?外は辺り一面魔獣だらけのはずだが…」
避難してる人達が話し合う中で兵士の一人が疑問を聞いてくる。
「魔獣ならもう居ねーぜ」
「朝になったらいつのまにか居なくなってたからな」
「「「なんだと!?」」」
藤原と柴田の言葉を聞いて兵士の人達が驚きながら一斉に外へと飛び出した。
「…ほ、本当だ…!魔獣の姿が見当たらない!」
「…いや、もしかしたらどこかに隠れているかもしれない!」
「いや隠れる意味はなんだよ」
周りを確認した兵の反応に柴田が思わずツッコむ。
「…魔獣が、居なくなったと言うのは…本当なのか…?」
「お」
「マジか」
「よく生き残れたな」
すると満身創痍の状態で両肩を兵士に支えられたあの青年がつれて来られたので俺らは軽く驚いた。
「…英雄殿か…まさか…」
「いや、今回は俺らは何もしてねーぜ」
「そうそう。朝になったら魔獣が居なくなってたから生き残りを探してただけだし」
青年は柴田と藤原を見ながら呟くので二人は言い訳と正当化と訂正を重ねて返す。
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