クラスまるごと異世界転移

八神

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「…んじゃ、頼んだぜ」

『うむ。任された』


とりあえず俺らは適当に帝都の端っこまで行って藤原のスキルで永江を外へと移動させる。


そして俺の兵を同行させて一旦帝都から離れさせた。


…それから10分ほどでカン、カン、カンと鐘の音が鳴り響く。


「魔獣の群れだ!」
「魔獣の群れが外に!」
「急いで冒険者達を!」


帝都の中が一気に騒がしくなって兵士達が走り回る中、永江が俺の兵と共に壁の外へと戻って来た。


「藤」

「おう」

『さて…始めるとしようかの』


俺の合図で藤原がスキルを使って永江を帝都の中へと移動させると永江はニヤリと笑って手を上に上げる。


すると周りの地面や空間に大量の魔方陣が展開され…


魔方陣の中から蛇の魔獣達が大量に出て来た。


『念のためにコレを』

「なんだコレ?ネックレスか?」

『妾の爪のカケラだ。ソレを持っている限り配下の魔獣は近づかぬ』

「…配下の統率ぐらいしっかりしろよ…まあありがとよ」


俺らは永江から渡されたネックレスを受け取って一旦家に帰る事に。


「…にしてもアイツの配下やべーな。ラハムとかヤマタノオロチって普通にAランクの魔獣だぜ」

「ヒュドラとかAランクでも上位だしな」

「へー。そんなのが十数体も暴れ回るって結構キツくね?」

「キツいどころか絶望だろ。ココに居る冒険者で一番強いのって低段者だぞ?」

「中段者とか高段者はほとんど新大陸に居るからな」


阿鼻叫喚と化す帝都内を気にせず俺らは周りを見て雑談しながら帰宅した。




ーーーーーー





「誰か!誰か居ないか!」

「ん?誰か来たな」


俺らがゲームしてると外から呼びかけるような声が聞こえて来たので兵に対応させる。


「…おお!英雄殿!力を貸してくれ!外で魔獣の群れが暴れ回っているのだ!」

「…ゴメン、無理」

「流石にあの数ともなると俺らの手に余るわ。家の敷地に入ってくる奴らならなんとか出来るけど」


この前抜け殻を渡した貴族の青年が剣を片手に助けを求めて来るが柴田と藤原は事情が事情なので断った。


「一応リッチより弱いらしいから兵を集めればなんとかなるんじゃない?」

「…それが…帝都に兵はほとんど居ない…くっ!皇帝陛下が戦争なんて始めなければこんな事には…!」


俺がしらじらしく言うと青年は悔しそうな顔で意外にも帝国内の実情を漏らす。


「あー…戦争を始めて兵力が他に集中してる隙を突かれて魔獣に襲撃されたワケね」

「だから言ったのだ!何かあってからでは遅いと!戦争など仕掛けるべきではなく、話し合いで解決すべきだと…!なのに…!」

「ほー、一応反対派も居たんだな」

「あまりに展開が早すぎてみんな同じ意見だと思ってたのにな」


俺の適当な発言に青年は聞いてもないのに皇帝の判断を批判し始め藤原と柴田が意外そうに言った。


「まさか!ほとんど皇帝陛下の独断だ!周りのほとんどは反対していた。なのに周りの腰巾着共と強引に押し進め、挙句にこの有様…!」

「強権の帝国主義って大変だな。昔の大日本帝国みたいやわ」

「どちらかっつーとローマ帝国じゃね?」

「いや、この場合モンゴル帝国が近いと思うが」


青年のリークに俺が適当に返すと藤原が訂正するように言い、柴田が更に訂正するように言う。
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