クラスまるごと異世界転移

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「北と南は囮だな。いや…足止めか…いずれにせよ、帝国はサトー伯爵の領から攻め入るつもりのようだ」

「…うー…よりにもよってなんで私の所なんかに…」

「北は『北方の英雄』『北の守護者』と呼ばれる辺境伯が睨みを利かせ、南は武勇に優れた第二王子が派遣されている。それに守りが手薄な所から攻めるのは戦いの定石だろう？」

「「「確かに」」」


お兄さんが情報を話すと佐藤が唸りながら呟くと理由を話すので俺らは佐藤を見て納得した。


「つーか第二王子って戦えんのか？」

「聞いた話では喧嘩とかめっちゃ強くて部隊の指揮もめっちゃ上手いらしい」

「マジ？」

「ライセンスは持っていないが冒険者のように魔獣を倒しに行く事もある。単独でもその実力は段位持ちと遜色ないと聞くが…俺が知る限りでは間違いなく一級相当の実力はあるとみていい」


藤原の問いに俺がザックリと答えるとお兄さんは補足を入れて説明する。


「へー、なんか意外だな」

「一応第一王子の方も昔はよくダンジョンに行ってたらしいから結構戦えるらしいぜ」

「マジ？」「えっ！うそ！」

「え？」


柴田が軽く驚いたように言うので俺が豆知識的な感じで言うと藤原と佐藤の反応が被り、清水が不思議そうに佐藤を見た。


「…灯も知らなかったの？」

「いやだってそういう話とかしないし…」

「まあ今はずっと政務ばっかでそういうのは第二王子と第五王子に任せてるらしいからな」

「へー。だからアルバート王子とエトワード王子はよく一緒に居るんだ」

「…意外と佐藤さんより海原君の方が詳しかったりして」

「かもね」


佐藤の反応を見て斉藤が言うと住吉が賛同するように返す。


「でも王子がダンジョンって危なくね？なんかあったらやべーだろ」

「だから何かあっても良いように弟とか妹をいっぱい作ってんのよ。多分俺らがいた日本とは価値観が結構違うと思うぜ」

「…じゃあ王様って嫁何人居んの？」

「嫁は今の王妃一人じゃね？後は側室扱いだから嫁っつーより内縁の妻的な感じだと思うが…そこらへんはよく分かんねーな」


藤原が微妙な顔で聞いてくるので王族の対策と事情を話すと表情が変わるが、俺もそんな詳しくは知らないので適当に説明した。


「側室は6人だったと思う。王子や王女は全員で12名ぐらいだし」

「一人あたり二人か…羨ましいもんだな」

「そーか？恋愛とかでの一夫多妻ならまだしも、聞いた感じではお見合い的な感じで『貴族の優秀な女と子作りを…』ってやつだぜ？」

「…義務で子作りって考えると重くて気が滅入るな…」


佐藤の補足に藤原がやっかみのような嫌味的に言うので俺が内情を話すと柴田も微妙な顔をする。


「日本じゃ考えられないね。女性の意思は無視？」

「ま、まあ…国の維持が重要だから…今の日本みたいに平和じゃないし…」


住吉が男女平等的な事を言うと清水が気まずそうに返す。


「女性の人権なんて平和な世の中じゃねーと無理だからな…野望シリーズや三国志シリーズでも外交アイテム扱いだし…」

「…弱肉強食の世界だと、女性の地位は低い…」

「と言っても戦国時代の日本に比べれば佐藤でも手柄を上げれば貴族に成り上がれる分だいぶマシってもんよ」

「確かにな。女性に人権が無ければ権力を掴む機会自体くれねーわけだし」


…なんか話が面倒でやべー方向に流れていってる感じがしたので俺が締めるように纏めると柴田が同意した。