クラスまるごと異世界転移

八神

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「…農業、工業とくれば林業や漁業も?」

「できるできる。林業なら風で切り倒したりカットして同じく風や火で乾燥させればいいし」

「そうか。木々を増やすのは魔法農法ですればいいのか…」

「漁業は試した程度で本格的にはやった事無いからな…ほら、海とかは権利とか利権とかで一般人が勝手に獲ってはいけないじゃん?」

「なるほど…確かに漁業については少しばかり事情が特殊か」


魔法伐法については説明できたものの、魔法漁法については色々と面倒な事情があって完璧では無い事を告げると王子は納得してくれた。


「一応海流操作や竜巻で巻き上げる、電気で魚を気絶させる…ってやり方があるけど…やっぱ漁船とか無いと厳しいね。浜に打ち上げると砂とか付いたり回収が面倒だったりするし」

「ほう…これはいい事を聞いた。やはり海での作業は勝手が異なるか…」


俺が実際に試した結果を話すと王子は嬉しそうに考えながら呟く。


「他にも採掘の魔法鉱法や鍛治とか冶金の魔法鍛法とかもあるよ。資料はワウシャープに渡してるけど」

「…今聞いてて思ったのだが、やはり専門知識が無いと難しいものなのか?」

「そりゃ応用魔法だけ使えても知識が無いと何にも使えなくない?」

「確かに。俺とした事がだいぶ初歩的な質問をしてしまったようだな…忘れてくれ」


俺の説明を聞いた王子の疑問に呆れながら返すと『しまった…』って顔をしながら撤回する。


「ま、今んトコこんなもんだね」


早馬の研究や人体実験等のアレコレは今説明したのとはまた違った感じのヤツなので、黙っておくことに。


「…予想以上に応用の幅が広いものだ」

「魔法ってのは便利だね。ありがたやー」


王子が話を締めるような事を言うので俺は手を合わせて礼を言うようにボケた。



「…漁業か…この新大陸の周辺海域は魔獣も出るとあってまだどこの国の物でもない空白の水域となっている。魔法農法の研究は既にウミハラ殿に近づく目的でしばらく放って置いても問題は無い」

「お。やっちゃう?」

「ああ。漁業は専門外で範囲外だったが、ウミハラ殿の話を聞くと意外に面白そうだ」


王子の回りくどい提案に俺が確認すると嬉しそうに賛成する。


「じゃあ俺が手伝えそうな事があれば言ってね」

「分かった。しばらくは漁業についての情報収集にあたるつもりだが…その時はよろしく頼む」

「オッケー」


…なんか知らん内に王子の研究内容が変わってしまった。


「明日から早速動くか…今日までは引き続き魔法農法の研究をするつもりだ」

「オッケー」


とりあえず今日の内は魔法農法の研究を続けるつもりらしいので俺は了承して研究を手伝う。


「…ふーむ…何か魔法農法のノウハウを漁業に活かせないものか…」


…既に王子は漁業の方に傾いているのか今の研究を別の所に活かせないか考えながら呟く。


「天候操作とかなら応用できるけど」

「竜巻に海流操作…いやしかし天候操作は危険性が高すぎる」

「まあ他に出来て養殖ぐらいかな。魚の強制成長って栄養状態とかどうなるんだろ?」

「!?人工的に魚を増やす方法か!いやしかし植物とは勝手が違い過ぎる…エサに栄養を凝縮させればいけるか…?」


…結局王子は俺が帰るまでずっと漁業の事を考えていた。
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